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海が支える汽水の神秘を学ぶ体験学習「日本一の宍道湖シジミ調査隊~海が支える汽水の神秘~」を開催しました!

海と日本プロジェクトinしまね実行委員会は、9月10日(土)・11日(日)に小学5・6年生が、海と深い関わりを持つ宍道湖での体験を通して、湖や海の環境について考え、その保全につなげることを目指す体験学習「日本一(※)の宍道湖シジミ調査隊」を開催しました。

2022.09.30

海と日本プロジェクトinしまね実行委員会は、9月10日(土)・11日(日)に小学5・6年生が、海と深い関わりを持つ宍道湖での体験を通して、湖や海の環境について考え、その保全につなげることを目指す体験学習「日本一(※)の宍道湖シジミ調査隊」を開催しました。

体験学習では、ヤマトシジミ漁獲量日本一を誇る宍道湖において、その環境や水産資源を維持するための取り組みや、海水に依存する汽水の生き物観察、塩分濃度の変化による生き物の違いなどをフィールドワークで学び、湖や海の環境を守ることの大切さを学びました。

このイベントは、次世代へ海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。

日本一の宍道湖シジミ調査隊~海が支える汽水の神秘~
日程
2022年9月10日(土)・11日(日)
開催場所
島根県松江市
参加人数
12人
協力団体
NPO法人隠岐しぜんむら・宍道湖漁業協同組合

資源や環境を守るシジミ漁師に密着!

ヤマトシジミの漁獲量日本一として知られる宍道湖。その地形は時代によって変化し、昭和の淡水化事業により、シジミ絶滅の危機に瀕した時期もありました。まずは、宍道湖の地形の移り変わりや汽水とは何かを学び、海に依存する汽水でしか生きられないヤマトシジミについて説明を受けました。その後、調査隊は、漁船に乗り込み宍道湖へ出航!シジミ漁密着体験です。シジミは、ジョレンと呼ばれる漁具を使って獲ります。漁師さんが全身を使ってジョレンを操り、シジミを獲る様子を見学しました。
漁師さんは、宍道湖の環境や水産資源を守る活動も行っています。組合で決められた操業時間や休漁日の厳守、清掃活動や水質悪化を招く水草の除去活動、シジミの稚貝やその他の稚魚を守る竹林漁礁を造るなど、恵み豊かな宍道湖を未来につなげる活動の取り組みについても学びました。

ダシいらず!旨み爆発のシジミ汁作り

シジミ漁を学んだあとは、シジミの味噌汁作りに挑戦です。調査隊は、料理研究家の先生から適切な砂抜き方法やシジミ本来の味をいかす調理法についてレクチャーを受け、グループに分かれて調理に挑戦。シジミが煮立ってくると、鼻をくすぐるシジミ汁の香りが辺りに漂いました。この日の昼食は、自ら作ったシジミ汁です。松江市はシジミ消費量も全国トップ(※)。シジミ汁は島根県東部のソウルフードとなっています。

宍道湖はショッパイ!?

湖岸から湖に入り生き物を採取してみると、まずはシジミが採れました。宍道湖の浅瀬もシジミの住みかになっているようです。シジミ以外には、同じく汽水の生き物、ゴカイがたくさん見つかりました。環境アドバイザーの先生によると、ゴカイは宍道湖の浄化に貢献する生き物のようです。小さな生物は顕微鏡を使って観察、普段は見ることのない汽水の生き物を、細部にわたり観察しました。
そして、宍道湖の塩分濃度を調べてみると0.7%。平均は0.3%で、今年は例年より塩分濃度が高いということです。宍道湖の塩分濃度を再現した塩水を舐めてみると「ショッパイ!」宍道湖には海水が流れ込んでいるということを体感しました。
翌日は、宍道湖から日本海へのクルージングで、塩分濃度がどのように変化するのかを調べます。

ディスカッション白熱!ごみ問題解決へ

宍道湖のごみを調査して、グループごとに見つけたごみを発表しました。宍道湖のごみはやがて海に流れ出し、海洋汚染につながります。ごみ問題についてグループで話し合うと、白熱したディスカッションが繰り広げられました。海のごみ拾い専門会社やごみ拾い大学の設立、飛行機や車のラッピング、人が集まる夏のイベントで訴える、3Rの徹底など様々なアイデアが飛び交い、議論は尽きません。大人が驚くほどの熱気が漂いました。

海と日本プロジェクト特別クルーズ!宍道湖から日本海へ

体験2日目は、松江港を出港し中海へ、そして日本海を目指す片道1時間30分の特別なクルーズです。宍道湖には、海と宍道湖を行き来する生き物もたくさんいます。そんな生き物の旅を体感しながら日本海を目指します。途中3カ所で、変化する塩分濃度を測定。島根県のHPなどによると、一般的な塩分濃度は、宍道湖0.3%、日本海3.4%となっています。実際にはどうなのか子供たちが測定します。

変化する塩分濃度 同じ汽水湖でも中海と宍道湖は大違い!

前日に宍道湖で計測した塩分濃度は0.7%。この日測った濃度は、海に近づくにつれ、0.9%、1.5%とだんだん上昇していきました。最後の調査ポイント、日本海を目前にした境水道では2.2%。一般的な数値よりかなり低く、水の流れが影響しているとのことでしたが、それでも宍道湖の3倍の濃さという結果になりました。
宍道湖岸では、シジミとゴカイが主に採れましたが、どちらも汽水域を象徴する生き物。同じ汽水湖の中海はどうなのか?中海に浮かぶ大根島に上陸して調査開始です。調査隊が最も多く見つけたのが、ヤドカリ!さらにアサリや、イソガニ、ナベカやハゼの仲間などが採れました。全て海を中心に生息する生き物です。一方、前日宍道湖岸でたくさん見つけたシジミは、まったく見つからず、同じ汽水湖でも、塩分濃度により生き物が違うことを発見しました。

海の酸性化でシジミもピンチ!?

地球温暖化に伴い、海の酸性化が進んでいます。将来、貝類や甲殻類には直接的な影響が心配されており、宍道湖のシジミにも影響が及ぶかもしれません。酸は貝や殻を溶かす性質があり、成長を阻害する心配をはらんでいることを学んだ調査隊は、酸性化問題やシジミを守ることを訴える、シジミ商品のパッケージを考えることにしました。調査隊は、イラスト班とキャッチコピー班に分かれて、パッケージ作りに挑戦!2日間の体験を象徴するイラストやキャッチコピーが出来ました。
子供たちが考案したパッケージのシジミ商品は、宍道湖漁業協同組合の協力により、シジミが旬を向かえる1月に発売予定です。
そして調査隊からは、「宍道湖と海は深いつながりがあることに驚いた」「ごみ問題は知っていたが酸性化について初めて知った、もっと知って出来ることに取り組みたい」と感想を話してくれました。
調査隊の任務は完了しましたが、今後さらに視野を広げながら、海を守る次世代のリーダーとなっていくことを期待します。

※内水面漁業生産統計調査 https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/naisui_gyosei/index.html
※シジミ消費量ランキング https://www.stat.go.jp/data/kakei/5.html

 

イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています

参加人数:12人