【瀬戸内こども調査団in宮島~世界遺産の宮島、奇跡の海から学ぶ~】 を開催しました!
一般社団法人瀬戸内プロジェクトin広島は、7月23日~24日の2日間、広島県内の小学5、6年生が、海が抱える問題を知り、自分事として解決策を考えるため「瀬戸内こども調査団in宮島~世界遺産の宮島、奇跡の海から学ぶ~」を開催いたしました。
2023.08.04
一般社団法人瀬戸内プロジェクトin広島は、7月23日~24日の2日間、広島県内の小学5、6年生20人が、名産の「牡蠣」と世界的にも珍しい「ミヤジマトンボ」という異なる生き物を通して宮島の海のすばらしさを学び、海が抱える問題を知り、自分事として解決策を考えるため「瀬戸内こども調査団in宮島~世界遺産の宮島、奇跡の海から学ぶ~」を開催いたしました。
このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。
開催概要
公募した県内小学5・6年生20人で結成した「瀬戸内こども調査団in宮島」が名産「牡蠣」と絶滅危惧種「ミヤジマトンボ」を学ぶことを通して、広島の海の特徴と抱える問題を知り「自分事」として考える調査学習を世界遺産宮島で実施。
日程
2023年7月23日(日)~24日(月)
開催場所
広島県廿日市市宮島町、地御前
参加人数
20人
協力団体
ミヤジマトンボ保護管理連絡協議会、広島県自然環境課 宮島水族館(みやじマリン)、地御前漁業協同組合、広島県環境保健協会、広島電鉄
後援
広島県教育委員会、県内全23市町教育委員会
名産「牡蠣」を通して広島の海のピンチ!を知る
今回調査団が調査したのはG7広島サミットでも注目された世界遺産「宮島」の海。
世界的な観光地であると同時に、宮島の海は広島名産『カキ』の養殖で有名、さらに世界的に珍しいミヤジマトンボの生育地でもあります。
今回100件を超える応募の中から選ばれた県内の小5~6年生の20人が2日間にわたって宮島の海を徹底調査。一日目は、地元の子どもでも知らない広島カキの秘密を調査するため、宮島の海でカキを養殖する地御前漁協青年部長の増木さんの案内で、カキいかだを調査。干満の大きさや汽水域といった広島の海の特徴がカキ養殖に上手く利用されていること、最近AIやアプリを導入するなど、養殖の技術も日々進化していること、その一方で海の環境が変化し、カキの生育不良が問題になっていること、養殖に使用する道具が海洋汚染(海洋ごみ)の原因になっていること、それらの問題への増木さんたちの取り組みを学びました。
山から海へ、川を通して流れ込むの栄養分に着目し、森づくりのため木を植えていること。塩ビパイプやワッシャーのサイズを変えることで、海に流れてゴミにならないようにし、自然に分解する素材を使うなどしていること。海底からの硫化水素を防ぐため、廃棄していた牡蠣殻を焼いて砕き、海底に撒き、水質改善に取り組んでいることなどを学びました。
子どもたちは、広島の名産についてある程度知ってはいても、養殖の現場を見るのは初めて。
広島の海の特徴を改めて知るとともに、広島の海と上手く付き合う中でカキが美味しく育つことを知りました。もちろん、その日の夕食は「カキフライ」を美味しく頂きました!
幻のトンボ「ミヤジマトンボ」を調査!そこには広島の海の理想郷があった??
二日目は、宮島に7000年前から変わらず生息するミヤジマトンボの生息地に(特別な許可を得て)調査に入りました。ミヤジマトンボ保護管理連絡協議会会長の坂本さんの案内で、ミヤジマトンボが生息できる環境の特徴である潮汐湿地の特徴や、それが原生林からの真水と干満による海水が混ざり合う汽水域であるからこそ、ミヤジマトンボが生き残ってきたということ。生息地は、かつて瀬戸内海の各地にみられた自然海岸の姿を保っていること。それは宮島が古来島全体信仰の対象であり、人の手による開発を免れてきたからだということ。その生息地ですら、人間の経済活動の副産物である気候変動による異常気象(ゲリラ豪雨、巨大台風)や生態系の変化(イノシシの増加)の影響、海洋ごみの影響を受けていることを学びました。
子どもたちは初めて見るミヤジマトンボの姿に大興奮!その姿をカメラに収めようと必死。
その一方で、坂本先生から太古からの生きてきた「ミヤジマトンボ」が宮島で生き残ってきたこと、それは「宮島の陸と海の環境が生き残ってきたこと」を意味するとの説明に、一生懸命にメモを取っていました。
海のそばで生活していながら、広島の海、宮島の海の知らない世界にじかに触れ、調査を通してその秘密をたくさん学んだ子どもたち。最後にお礼と、自分事化として実体験する為、生息地に流れ着いた海洋ごみの清掃をし、11キロのごみを回収しました。
2日間の調査を通して彼らは、この学びを周りの家族や友達はもちろん、一人でも多くの人に伝えよう、という気持ちを強くしました。
子どもたちの学びの成果が特別な電車に!そして老舗和菓子メーカーとのコラボも!
暑い中2日間宮島の海について学んだ子どもたち。彼らの活躍はここからが本番。夏休みの間に宮島で学んだことをしっかり整理して、9月中旬にはさらに学びを深めるべく「(海とつながる)森づくり体験」をし、学びの成果「宮島新聞」をプロのライターの添削を受けて完成させるイベントを行います。さらに「宮島の海の生き物」をテーマにした絵やイラストを描くことにも挑戦します。
完成した「宮島新聞」は、毎日たくさんの人が通勤通学で利用し、全国や海外からの観光客も乗る、宮島線と広島市内を走る広島電鉄の電車の中に掲出予定です。この特別な電車の車体は子どもたちの絵やイラストで飾られます。さらにデザインは地元和菓子メーカーの特別限定商品そのものに刻印、さらにパッケージにもなる予定です。子どもたちが力を合わせてで作る、世界に一つだけの夢の電車、そしてお土産物として全国の人が買うかもしれない商品づくり。「瀬戸内こども調査団」の今後に注目です!!
参加した子ども・保護者からの声
内容の濃い2日間を終えて、解散場所で、一人の参加者の女の子はせっかく親しくなった調査団のみんなとの別れが寂しく感じ、涙ぐんでしまいました。肩を抱いて慰める仲間たち。
【調査団の子どもの感想】
・全て楽しかった。分かりやすかった。
・カキいかだに乗ったこと、こんな体験はもう一生できない体験かもしれない!
・カキの養殖とその工夫について、ミヤジマトンボの生態と保護活動について学んだ!
・海のことに詳しくなる事ができたし、自由時間に参加者と触れ合えたことで遠方の友達ができたこと。
・一緒にいろいろなアクティビティに取り組むことで、短期間で深い仲の仲間ができた。
【親御さんの声】
・私では教えてあげることの出来ない知識を子供が得た。
・他では体験出来ない内容が満載で、帰ってきてからこういう事したよと話してくれたんですが、嬉しそうに話してる姿を見たら親としても参加させて本当に良かったと思いました。
・その道の専門家が沢山ご指導くださり、また子供達を指導して安全を守るなど、スタッフの方々が尽力してくださいました。また、これから今回参加した子供が未来へ向かって海や自然を守って行かなければという意識を持たせていただいた事は、社会の財産になるのではないかと感じ、大変価値ある活動だと思っております。
イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています
参加人数:20人