帆船「みらいへ」の船上生活で海を満喫! 帆船みらいへ体験乗船イベントを開催しました!
一般社団法人瀬戸内プロジェクトin広島は、10月14日(土)~15日(日)の2日間、公募で集まった小中学生55名を対象に、帆船の体験乗船を通して、海のことや船のことを学ぶイベントを開催しました。
2023.10.24
一般社団法人瀬戸内プロジェクトin広島は、10月14日(土)~15日(日)の2日間、公募で集まった小中学生55名(宿泊コース、日帰りコース合計)を対象に、帆船の体験乗船を通して、海のことや船のことを学ぶイベントを開催しました。
今回は「海と日本プロジェクトin広島」と、内航海運の業界団体「中国地方海運組合連合会」が共催したもので、神戸を母港とする海洋教育のための帆船「みらいへ」の乗船体験を通して、広島の海を五感で感じながら、海や船の役割、船で働くことについて学びました。
このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。
【帆船みらいへ体験乗船イベント】
開催概要
帆船での生活と体験プログラム、座学を通して、広島の海のすばらしさや船のこと、船の働き、船で働くということを五感を使って分かりやすく学ぶ。
日程
宿泊Aコース 2023年10月14日(土)~15日(日) 船中泊
日帰りBコース 2023年10月15日(日)
開催場所
広島県広島市宇品(広島電鉄宮島口駅構内)
参加人数
宿泊Aコース 28人
日帰りBコース 27人 合計55人
協力団体
日本内航海運組合総連合会(内航総連)
独立行政法人 国立高等専門学校機構 広島商船高等専門学校
一般社団法人 グローバル人材育成推進機構
後援
中国運輸局
まずは、帆船「みらいへ」で出航!実際に広島湾に出て海を五感で感じる
今回、公募で集まった小中学生の子どもたちのほとんどが帆船に乗るのが初めてでした。緊張の表情で集った参加者でしたが、「みらいへ」が沖へ出て多種多様な船とすれ違うごとに、その表情は、この日の広島湾の海面のようにキラキラし始めました。
みんなで力を合わせてロープを引いて行うセイル展帆では、畳50枚分以上の巨大な帆が風を受けて、ぴんと張ったとき、子どもたちからは思わず拍手が湧き起こりました。船上での食事では、司厨長が腕によりをかけて作った料理を、晴天の中、メインデッキ上で風を受けながら食べました。
私たちの生活に重要な役割を果たす「内航海運」について学ぶ
食事の後は、気持ちを切り替えて「内航海運とは?」というテーマで座学をメインデッキ上の「青空教室」で実施しました。そこでは、私たちの生活に内航船が果たしている重要な役割や船員の皆さんの船上生活などについてを学びました。そして、海で働く船員になるには専門の学校で学ぶという道があることも知りました。質問タイムでは、驚くことに子どもたちからの質問が止まらず、「船員さんのお給料は?」というどきっとする質問に対しても講師は大真面目に答えを返しました。
さらに、「帆船みらいへは何を運んでいるの?」という質問に対し、船長は「夢と希望と勇気かな?」とおどけながらも、帆船「みらいへ」が果たしている海洋教育の役割を説明。海の上で帆走中に船の役割や船で働くことを学ぶという、まさに「アクティブラーニング」といえる有意義な学びになりました。
学んだ後は船員としての体験プログラムを実践!
座学の後は、「みらいへ」のスタッフが用意した多様な「船内体験プログラム」を体験しました。海の基本のロープワークにつながるロープクラフトや、メインデッキ上でヤシの実の殻を使ってカーリングのように得点を競うデッキゲーム、実際に操舵を体験をする操船体験、帆船の舳先にハーネスをつけてよじ登るバウスプリット渡りなど、多くの体験を通して子どもたちは船乗り気分になっていたようでした。
腹ペコな船員たちが待ちわびた夕食の時間では、夕日の中、メインデッキで食べる子どもが続出で、限られた時間の中で、少しでも長く海に近い場所で時間を過ごしたい様子でした。
非日常な帆船内での生活を堪能した子どもたち
入浴後は、あいにく星が見られない曇天だったため、メスルームで昔ながらの天文航法を学ぶため、実際に「みらいへ」に備え付けの六分儀を交代で手に取り、みんなで「大航海時代」に想いを馳せました。一部の子どもたちの中で予想以上の期待の声があった夜釣りでは、チーム対抗で釣果を競いましたが、結果は全員で二匹と朝食の足しにはならず海へリリースしました。就寝直前の、今日一日を振り返るミーティングでは、みんなで楽しかった体験を発表した後に、司厨長からサプライズでワッフルが配られ、みんな幸せな表情で船室へ向かいました。初めての体験で疲れていたのか、大人たちの心配をよそに、予想より早く全員眠りに落ちました。
帆船での生活、海での貴重な時間から子どもたちが得たものは?
2日目はとてもきれいな朝日の中、メインデッキに集合し体操をした後に、お世話になった「みらいへ」のメインデッキをヤシの実と海水を使って清掃(デッキウォッシュ)しました。朝食は、「みらいへ」での最後の食事。多くの子どもたちが、残りの時間を愛おしむかのようにメインデッキで食べていました。あっという間の体験航海で、広島港へ戻る船内では、すっかりおなじみになった操舵室で海図を見せてもらう子や、仲良くなったクルーや、お世話係の広島商船高専の学生と海を見ながら語り合う子、このイベントで仲良くなった子と彼らだけの世界に浸る子など船上でそれぞれかけがえのない時間を過ごしました。
解散前には、寂しさで涙する子もおり、参加した子どもたち一人一人が、理屈ではなく五感で海を感じ、船のすばらしさと私たちの生活との切っても切れない関係を実感できたイベントとなりました。そして、将来、海洋国家日本を船員として支えてくれる人材が、今回のイベントの参加者から一人でも多く生まれてくれればと強く祈っています。
参加した子ども・保護者からの声
調査団の子どもから
・絶対他で体験できないことを体験できた。
・船で働く仕事の大変さが分かった。
・船(内航船)が無いと自分たちの生活が送れないことを初めて知った。
・バウスプリット渡りは最初怖かったけど、できたら自信が出て、ずっと(舳先に)居たいと思った。
・来年もやりますか?仲の良い子が来られなかったからその子と来たい!
保護者から
・子どもにとって、一生の思い出に残るような素晴らしい体験ができ、本当に感謝しています。
・事務局の皆様、中国地方海運組合連合会の方々、帆船みらいへの船員の方々、(商船高専の)学生さん達が寄り添っていただき、安心して子どもをお任せすることができました。
イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています
参加人数:55人