豊かな海にも変化が…子供たちが体験を通して学んだことを山口県知事に直接報告【ぶち海体験隊Ⅲ イカす海を未来に!】(DAY3)を開催しました!
海と日本プロジェクトinやまぐち実行委員会は、県内の小学5・6年生20人と「ぶち海体験隊」を結成し、特産のケンサキイカを通して海の豊かさと現状を学び、海の未来を考えることを目的に、イベント「ぶち海体験隊Ⅲ イカす海を未来に!」を7月3日(日)と7月29日(金)に開催。隊員の代表4人が山口県の村岡知事に報告しました。
2022.09.08
海と日本プロジェクトinやまぐち実行委員会は、県内の小学5・6年生20人と「ぶち海体験隊」を結成し、特産のケンサキイカを通して海の豊かさと現状を学び、海の未来を考えることを目的に、イベント「ぶち海体験隊Ⅲ イカす海を未来に!」を7月3日(日)と7月29日(金)に開催しました。その後webサイトで意見を出し合い、集約して隊員の代表4人が山口県の村岡知事に報告しました。
このイベントは、次世代へ海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。
※ぶち海とは 海の中でもとてもきれいで豊かな海のことを指す。「very」を表す山口弁「ぶち」を元にした造語。ぶち海体験隊は、一昨年度の下関市、昨年度の周防大島町の体験学習に続き3度目の開催です。
開催概要
ぶち海体験隊の代表4人が学びの成果を山口県知事に報告
日程
2022年8月26日(金)15:20~15:50
開催場所
山口県庁
参加人数
ぶち海体験隊の代表4人、熱源人材・推進リーダー1人
萩の豊かな海、イカす取り組み、忍び寄る変化を手作り新聞でプレゼン!!
山口県庁に村岡嗣政を訪ねたぶち海体験隊の代表4人は、手作りの新聞で学びの成果をプレゼンしました。岡田悠里さん(山口市立大殿小学校5年)は萩の豊かな海はマグマの活動によって生まれたこと、その海がもたらす恵みのうち、特に高級イカのケンサキイカは全国でも有数の漁獲量を誇ること、藤井雅大君(山口市立上郷小学校5年)は、地元の萩市須佐では地名の由来となった須佐之男命伝説から活イカを須佐男命イカと命名し、ブランド化を図ることで豊かな海をさらにイカす取り組みを進めていること、田村心音夏さん(山口市立大内南小学校5年)は、イカの漁獲量は年々減っていて、寿命が1年と短いため環境の変化を受けやすく、生き残りに失敗するとその年の資源量に大きく影響することなどを報告しました。
体験隊では、実際に海に潜る海士体験を通して萩の豊かな海も地球温暖化の影響で年々変化がみられることを学んでいます。魚のゆりかごと呼ばれる藻場が消滅する磯焼けという現象で、これは冬になっても水温が下がらないため、ムラサキウニが活発に活動し、海藻を食べ荒らすことが一因と言われています。秋田一真君(柳井市立新庄小学校5年)は、手作り新聞で「体験を通して今、海で起きている現状を理解できた。この問題をより多くの人と共有し、豊かな海を未来へ続けていきたい」と訴えました。村岡知事は一人一人の報告に、時折感想や質問をはさみながら熱心に聞き入っていました。
イカす海を未来につなぐために!ぶち海体験隊から村岡知事へ提言
ぶち海体験隊では、手作り新聞をweb上の共有サイトにアップし、3人以上の印象に残った新聞に対して自分の意見や感想を書き込む形で学びの共有を図りました。そこで出た意見を集約してぶち海体験隊からの提言としてまとめ、代表4人が村岡知事に伝えました。
ぶち海体験隊からの提言
「私たちはケンサキイカを自分でさばき、刺身にして食べて、そのおいしさに驚きました。またこのイカをお取り寄せ品として多くの人に味わってもらえるようアイデアを出し合いました。海に目を向けてもらう発信のひとつです。村岡知事の『山口県は海口県でもある』という言葉を読んで、僕たちは山の幸、海の幸に恵まれて育っているんだということを実感できました。その資源を守っていくために僕たちもこれから多くの人と問題を共有しながら対策を考えていかなければならないと思いました。海の良さをみんなに知らせる場をつくってほしいと思います。博物館や美術館の活用、山口県は海に開かれているので、海博などどうでしょうか?
山口県の魅力の一つであるきれいな海をこれから未来につなぐために、僕たちの子供や孫もキレイな海で泳いだり釣りをしたりできるように力をかしてください。村岡知事、イカす海を未来につなぐために、応援よろしくお願いします」
この提言に対して村岡知事は「素晴らしい提言だと思いました。皆さんが知識だけじゃなく、実際に体験してイカを食べて美味しいと思う、そういう中で豊かさを感じたと思います。でもそれは決してずっとそこに存在するものじゃなく、ちょっとしたことで壊れてしまうかもしれないことも学んだと思います。私も毎年海岸清掃に参加していますが、やっぱりみんなが意識して守り続けることが大事です。特に三方を海に開かれた山口県は海口県でもあり、いろいろとその魅力を伝えながら、一緒に守っていきましょう」と呼びかけました。
今後はイカすお取り寄せ品の商品化と読売新聞特別号の全校配布
ぶち海体験隊では地元のイカ料理専門店と連携し、イカを使った「イカすお取り寄せ品」の開発ワークショップを行いました。少しでも多くの人に山口県の海に関心を持ってもらうため隊員がアイデアを出し合いました。今後はそれをもとに商品化を進め、発信と販売を行います。また体験隊の学びを同世代の子供たちに共有してもらうため、読売新聞タブロイド判特別号を発行し、県内の小学5・6年生全員に配布する予定です。
イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています
参加人数:4人