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五島の海を守る最先端の科学技術にせまる! 「長崎・五島 東シナ海調査隊!2022」を開催しました!

海と日本プロジェクトin長崎県実行委員会は、日本で初めて商用運転を開始した浮体式洋上風力発電”はえんかぜ”や、世界初で初めてクロマグロの完全養殖に成功した近大マグロを養殖する”ツナドリーム五島”を見学し、五島の美しい海を守る科学技術を体感する「長崎・五島 東シナ海調査隊!2022」を2022年7月28日(木)~30日(土)の日程で開催しました。

2022.08.18

海と日本プロジェクトin長崎県実行委員会は、日本で初めて商用運転を開始した浮体式洋上風力発電”はえんかぜ”や、世界初で初めてクロマグロの完全養殖に成功した近大マグロを養殖する”ツナドリーム五島”を見学し、五島の美しい海を守る科学技術を体感する「長崎・五島 東シナ海調査隊!2022」を2022年7月28日(木)~30日(土)の日程で開催しました。

このイベントは、次世代へ海を引き継ぐために、海を介して人と人とが繋がる”日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環で実施しました。

海の科学技術について学ぶ3日間「長崎・五島 東シナ海調査隊!2022」
日程
2022年7/28(木)~7/30(土)
開催場所
長崎県五島市
参加人数
小学5、6年生17人
協力団体
五島市、五島市観光協会、ツナドリーム五島、しまおう

最先端を行く五島の海とは!?

三日間のイベントがスタート!まずは五島市水産課の原さん、川村さん、富江漁協の漁師馬場さんに長崎、五島の海について学びます。長崎県の漁獲高は北海道に次いで全国2位!その中でも五島は約200種類もの魚が獲れる豊かな漁場です。講義はクイズもまじえながら進められましたが、さすがは海に感心の高い小学生達、次々と手が挙がり正解を答えていました!五島で獲れる魚や、漁法、さらには食卓に並ぶまでの流通経路、ほかにも漁獲量の減少や漁業の担い手不足の現状など、普段は知る事のできない漁業の細部や課題を学びました。
漁師の馬場さんは、魚を獲るだけではなく、いま全国の海で問題となっている「磯焼け」を解決するため「磯焼けバスターズ」として、藻を食べるガンガゼの駆除や食害を防止するネットを設置する取り組みを行っています。磯焼けバスターズが使っている潜水用ボンベを装着した子ども達は、「歩けないくらい重くてびっくりした」と話し、漁師さんの取り組みの大変さを少し、肌で感じたようです。

水中探査ロボットで海の中を調査!

五島の海について学んだ後は、実際に海の中を見に行きます!「一番楽しみにしていた」と話す子供もいた「水中探査ロボット」を使った海中調査です。その前に、命を守る大切なライフジャケットの着用方法について学びます。ライフジャケットは海の周りでの事故率を大幅に下げてくれます。海に入らない時でも、海の近くで遊ぶ時はライフジャケットを着用することがとても重要!今回は港の岸壁で行う体験ですので、万が一に備えきちんとライフジャケットを着用します。

ライフジャケットについて学び、着用したらいよいよ水中探査ロボットへ!
ロボットについて教えてくれるのは、長崎総合科学大学の松岡教授。岸壁からカメラ付きのロボットを海中に入れ、陸上からロボを操作して海中の様子を観察します。事前の講義で、世界中の海では”磯焼け”が深刻な問題となっていることを学んだ子供達。実際に海中を覗いてみると、そこにはゴツゴツとして藻が生えていない岩場、そして磯焼けの原因のひとつにもなってる藻食生物「ガンガゼ」もいました。

「どういったロボットがあれば、海を守れるかな?」という先生からの質問に、「コードで繋がれていないどこにでもいけるロボット」「海中でごみを集めてくれるロボット」といった多くのアイデアがあがりました。この日使用したロボットは近距離の海中が見られる簡易的なものでしたが、もっと深く、より詳細な操作ができるロボット(技術)を使い海の世界を研究している人がたくさんいます。
陸上と違って、その大部分が解明されていない海中の世界。子ども達の自由なアイデア・好奇心がきっと未来の海を守ることになる!と先生は話していました。

五島・東シナ海の新たな挑戦!①世界初、完全養殖クロマグロとご対面!?

海中調査で海の現状、環境問題を学んだあとは、海をお助けする科学技術に迫ります!
1日目最後の体験は、ツナドリーム五島の”完全養殖”クロマグロの見学です。長崎は養殖クロマグロの生産量が日本一!全国の養殖クロマグロのうち、約31%が長崎県から出荷され、そのうち約37%はここ五島から出荷されています。五島は入り組んだ地形が多いため台風などの被害を受けにくくマグロの養殖に適していることから島全体でマグロ養殖に取り組んでいます。ツナドリーム五島は世界で初めて成功した完全養殖の近大マグロを育てていて、子供達は長崎のクロマグロ事情や、卵から育てる完全養殖で限られた資源を守ることなどを、ツナドリーム五島の志田所長、五島市水産課の川村さんから学びました。

そして、マグロを見るため船に乗り養殖場へ!養殖場は船で約15分程の場所にあり、ひとつのいけすの大きさは直径約30メートル!エサの長崎県産サバがいけすに投入されると、大きなクロマグロが勢いよく食いつきます!しぶきを上げるクロマグロの迫力満点な様子にみんな大興奮!ひとつのいけすには約600匹のマグロが泳ぎ、1日に消費されるエサの量は約1~1.5トンというところにも子供達は驚いていました。ツナドリーム五島では、クロマグロの成長を管理するために水中カメラ、AIを使って、一匹ごとの体重や大きさを管理しています。健康で美味しいクロマグロを育てるために、ここにも最先端の科学技術が使われています!

五島・東シナ海の新たな挑戦!②日本初の洋上風力発電とは?

漁業で活躍する科学技術に触れた後は、海が生み出す最新のエネルギーを調査します!
2日目は、日本で初めて商用運転を開始した浮体式洋上風力発電「はえんかぜ」 についての座学からスタートです!台風の通り道でもあり、比較的強い風が得られること、そして地元の漁師さんの理解が得られたことなどが理由で五島市沖が選ばれ、「日本で初めて!」ということに子供達もびっくりしていました。

浮体式洋上風力発電は、海に沈んでいる部分が「漁礁」となり、魚の住みかになっていていることで漁師さんにも迷惑がかからないということや、国土の狭い日本において今後益々重要となる、再生可能エネルギーのひとつだということを学びました。はえんかぜについて学んだ後は、風力発電の模型作りに挑戦しました!構造はシンプルですが羽の形や大きさ、向きやひねりで発電量が変わることを知り、実際の浮体式洋上風力発電の設計の緻密さを深く学びました。
座学が終わった後は船に乗り「はえんかぜ」を見学!全長172m、羽が40メートルもある風力発電を生で見た子ども達はその迫力に圧倒されていました!

島を支える水産業と未来のエネルギーが合体!

最先端の技術が詰まった、地球にやさしい「はえんかぜ」について学んだ後は、地球に優しい取り組みをしている”長崎五島・練物工房しまおう”で「島を支える水産業と未来のエネルギーの合体」について学びました。講師はしまおうの山本社長。しまおうでは、海、地球の環境を守るために会社をあげて環境にやさしい取り組みを行っています。その一つがエネルギー。練り物を作る工場を動かす電気は全て五島の再生可能エネルギーを使っています。

もちろんその中には、直前に見た「はえんかぜ」で発電され、送られてくる電気も含まれています。実際に工場を見学して、こんなに大きな機械が再生可能エネルギーだけで動いてることに驚いていました!しまおうでは、長崎県産の魚にこだわって練り物を作っているので、まさにエネルギー&食の地産地消!子供達は頂いたかまぼこに舌鼓をうっていました。

地元の方と触れ合いながら郷土料理作り体験!

五島の海についてたくさん学んで、お腹も空きました!2日間の最後の体験は「郷土料理作り」!
料理を教えてくれるのは、五島の郷土料理を知り尽くしている地元のお母さんたち。料理初体験の子もいますが、包丁の使い方、炒め方を丁寧に教わり上手に進めていきます。中には「YouTubeで魚の捌き方を見てきた!」という子もいました。

使う材料は、五島で獲れた海藻(トサカ、あおさ)やツナドリーム五島から仕入れたクロマグロなど、地元のものばかり!班ごとに手分けして合計5品(海鮮チラシ、あおさとすり身の味噌汁、五島山菜と豚肉の炒め物、きゅうりとトサカとイカの炒め物、水まんじゅう)を作りました。自分で作った料理の味は格別。子ども達は贅沢な郷土料理でお腹いっぱいになり「家に帰ったらまた魚料理を作ってみたい」と感想を話していました。

学びのまとめ・ポスター制作

3日目は学びのまとめです!2日間の体験を振り返り、学んだことを1枚のポスターにまとめます。
五島の海を守っていくために行われている取り組み、科学技術について、より多くの人に知ってもらう為に、それぞれが考えたキャッチコピーと絵画で表現します。彫刻刀を使った版画や、チラシを使った貼り絵など表現方法もユニークで、描く題材も浮体式洋上風力発電で五島全体が明るくなる絵や、綺麗な海でイキイキ泳いでいる魚を描いている絵など様々です!出来上がったポスターは、しまおうの商品のパッケージに使われる予定です!

3日間を通して学んだことをメモした”学びノート”には「海の現状を知ることができて前より海を大切にする気持ちが強くなりました」「五島の海でも問題があってきれいな海の五島を想像していたから想像していたことと違ったからビックリした」「科学技術を使うといままで大変だったことがロボットで、できるようになる」といったことがノートいっぱいに書かれていました。
保護者からは「この3日間で子供が大きく成長した、これからも海に興味を持って、いろいろ学び、自然を大切に生活してほしい」という声などが挙がっていました。

 

イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています

参加人数:17人