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子どもたちの海の未来を救うアイデアで藻場を守れ!小学生が漁業の街「阿久根」で起こる環境の変化を学ぶ「われはうみの子探検隊」を開催しました!

一般社団法人海と日本PROJECT in 鹿児島は、2023年8月22日(火)と23(水)の2日間に小学5・6年生20名を対象として、鹿児島県阿久根市の“漁業の街”でおこる環境の変化について、マリンアクティビティや食の体験を通じて学ぶことを目的としたイベント「われはうみの子探検隊~海の未来を救う新商品で藻場を守れ!~」を開催いたしました。

2023.08.31

一般社団法人海と日本PROJECT in 鹿児島は、2023年8月22日(火)と23(水)の2日間に小学5・6年生20名を対象として、鹿児島県阿久根市の“漁業の街”でおこる環境の変化について、マリンアクティビティや食の体験を通じて学ぶことを目的としたイベント「われはうみの子探検隊~海の未来を救う新商品で藻場を守れ!~」を開催いたしました。

このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。

開催概要
今回の舞台である、鹿児島県阿久根市は「アク」が魚や漁業を表し、「ネ」は岩礁を表す言葉として、名前の通り古くから漁港として栄えた土地です。しかし、現在は「藻場」の減少が課題となっており、元々南の海に生息していたウニが環境の変化によって増え、食害の影響が出てきたことが一因であるといわれてます。駆除の対象であるウニは藻場を食べ尽くし、中身が少ないので商品化が困難です。そこで、今回、探検隊の隊員たちに、“漁業の街”「阿久根」で起こる環境の変化をアクティビティや食を通じて学んでもらい、駆除したウニを使った商品開発を行うなど、海の未来を救うため「藻場」を守るアイデアを発掘するイベントです。
日程
2023年8月22日(火)・23日(水)
開催場所
鹿児島県阿久根市
参加人数
20名
協力団体
北さつま漁業協同組合、尾塚水産、鹿児島大学水産学部、下園薩男商店

漁港として栄える「阿久根」の海とは?

1日目、まずは、阿久根市の北さつま漁協に向かいました。まずは、北さつま漁港 洲﨑篤さんから阿久根市の歴史から藻場の減少など実際に直面している現状や課題についてのほか、漁業や地域経済に与える影響を学び、藻場についての理解を深めました。地名の由来が、魚や漁業を表す「アク」と岩礁を表す「ネ」である阿久根は古くから漁港として栄えていますが、近年は漁業従事者の減少など課題があり、中でも「磯焼け」と呼ばれる海藻の減少に伴う海の砂漠化が進行しています。北さつま漁業では、未来の海を守るために増えすぎたウニの駆除などの取り組みを行っているそうです。

子どもたちは、実際に課題解決に向けて取り組んでいる方々のお話を聞いて、阿久根の海の未来について深く考えるきっかけとなりました。

海の街の「食」を堪能!阿久根の海の食文化を知る

北さつま漁協で働く地元の方からのお話を聞いたあと、昼食を通して海の街の「食」について学びました。

阿久根駅から徒歩10分にある「市場食堂 ぶえんかん」。ぶえんという言葉は、鹿児島の言葉で『新鮮な魚』という意味で、ぶえんかんでは、毎朝 阿久根漁港に上がった魚を手早く処理し、新鮮なお魚の提供を行っています。

北さつま漁協で水揚げされたであるアジやきびなごなどの海の恵みを堪能しました。

子どもたちからは、「いつも食べる魚よりも美味しく感じる!」「初めて食べるお魚もあったけど、美味しかった」「お父さんお母さんとまた食べに来たい」という声が聞こえました。

SUPに乗って阿久根の海を大冒険!

午後からは、脇本海水浴場に移動し、阿久根市地域おこし協力隊の中原雅さん率いるインストラクターの方々から乗り方を教わり、SUPを体験しました。本日の天気は快晴。絶好のマリンスポーツ日和のなか、SUPに乗って阿久根の海を大冒険しました。子どもたちの中には、初めてSUPを体験する子もいましたが、インストラクターの方々から乗り方のコツを教えてもらい、すぐに上手に乗りこなしていました。慣れてきたら、チームを組んでレースも行い、阿久根の海を堪能。冒険中には午前中のお話でもあった、陸から見ているだけでは知ることができない、藻場の現状を目の当たりにし、驚いている様子の子どもたちでした。一見するときれいな眺望の阿久根市の海も、海の上から見てみると藻場の少なさが目立ち、目に見えないところで発生している藻場の問題について改めて気が付くことができました。

体験後は、ホテルに戻って初日のまとめ学習を行いました。1日を通して阿久根の藻場について学び、海を守るために自分たちにできることを考えながら1日を振り返りました。

水揚げ見学&うに殻染め体験!

2日目は、再び北さつま漁港にて、実際に漁港で魚が水揚げされている様子を見学しました。

大きなコンテナの中には、水揚げされたばかりの沢山の魚が。魚を冷やすための氷の倉庫など、漁協内の隅々まで見学しました。子どもたちは、阿久根の海の幸の豊かさ・偉大さを目の当たりにし、阿久根の特産品であるウニはもちろん、藻場を育む環境をよくすることでエビなどが住みやすい豊かな海に繋がることを漁港の現場の声から通じている様子でした。

続いて、阿久根市中央公民館鶴見分館に移動し、ウニ殻染めを体験しました。

普段から、磯焼けへの対策を模索する中、駆除したウニを生かす取り組みを行う、尾塚水産 代表取締役 尾塚エイ子さんにお越しいただき、商品価値がほとんど無いウニを、ウニ殻カルシウムとして加工品にしたり、スカーフの染料として使うアップサイクルを思いつくに至った経緯から、今後の展望についてのお話を聞きながら、実際にウニ染めを体験しました。

染め方はとても簡単で、ウニのとげを粉末にし、クエン酸とお湯が入ったものに入れて溶かし、布をひたし、更に布を石灰水に浸すことで、鮮やかな薄紫色に染めあがりました。

「こんなにきれいな紫になるんだ!」と、ウニのとげからでる色に驚いている様子でした。

増えすぎたウニは、海藻を少量しか食べていないため、身が少なく、商品価値はほとんどないですが、ウニ殻の活用方法を体験しながら学ぶことで、他への活用方法や商品開発のアイデアに繋がった様子でした。

海の未来を救うアイデアがオリジナルの商品開発へ!

最後は、下園薩男商店の湯田工場に移動し、実際に、ウニ殻染め体験で学んだことやアイデアをもとに、オリジナル商品についてブレインストーミングを実施しました。特産品コンクール等々で数々の賞をとっている下園薩男商店 代表取締役 渡辺貴大さんに協力いただき、うに殻を使った商品について子どもたちと意見を出し合いました。これまでの体験から、「阿久根イイネのお宝フライ」「うに殻カルシウムアイスクリーム」など、子どもたちから様々なおもしろいアイデアがたくさん。渡辺さんは、実際の商品開発に向けて子どもたちのアイデアを導き、一緒に思考錯誤するなど、パッケージや発売後のプロモーションの仕方についても詳しく話してくれました。

子どもたちからは、「早くみんなで考えた商品が売られるのを見てみたい!」「新しい商品を考えるのは難しかったけど楽しかった!」と商品開発へ向けての気持ちが高まったようでした。

最後は、2日間で学んだ阿久根の海の自然の大切さについて、各班のメンバーで学びのノートを活用しながら、ディスカッションを行い、それぞれ、豊かな海の未来を守るためにできることを発表しました。「いろんな生き物がいる海を守っていきたい」「ごみが一つもない海をつくりたい」など、子どもたちは、阿久根の人たちが大切に守ってきた海について、2日間のアクティビティを通して様々なことに気づき、これから未来の海を守るために何ができるかを考えることができました。

後日、2日目のブレインストーミングで出た、子どもたちの海の未来や藻場を守るアイデアから、「これだったら、カルシウムが、おいしくお手軽にとれる!」というウニ殻粉末を利用した商品を開発します。オリジナルパッケージの制作や手作りPOP制作し、子どもたちによる販売会も実施予定です。学んだことから出したアイデアがどんな商品になるのか子どもたちも楽しみにしている様子でした。

参加した子ども・保護者からの声

・美味しい魚をたくさん食べたいからきれいな海を守りたい

・商品を考えるのは難しかったけど、食べてほしい相手を考えてみると楽しくなった

・違う小学校の友だちと仲良くなれて良かった。もっと海のことを詳しく勉強したい

・参加前は不安そうにしていた子どもが、楽しそうに帰ってきて安心した。また海に連れていきたい

・一回りたくましくなって帰ってきた気がする、また参加させてみたいと思う

 

イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています

参加人数:20人