【海洋研究3Dスーパーサイエンスプロジェクト】第三期いよいよ始動!入学式・第一回授業を実施しました
一般社団法人日本3D教育協会は2023年7月31日(月)、海洋や3Dに興味がある中学生を対象にした「海洋研究3Dスーパーサイエンスプロジェクト」の三期生入学式を、ポートシティ竹芝にて実施いたしました。
2023.08.09
一般社団法人日本3D教育協会は2023年7月31日(月)、海洋や3Dに興味がある中学生を対象にした「海洋研究3Dスーパーサイエンスプロジェクト」の三期生入学式を、ポートシティ竹芝にて実施いたしました。
この活動は、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。
海洋研究3Dスーパーサイエンスプロジェクトとは
海洋研究3Dスーパーサイエンスプロジェクトは、最新の3D技術を活用した海洋生物の研究を通じて、将来様々な分野で活躍できる人材を輩出すること、物事を深く追求できる人材育成を目的としています。海洋分野の専門家たちのアドバイスを受けながら、一人一つの海洋生物についてテーマを定め研究します。3Ⅾモデリングを基礎から実践形式まで学び、海洋生物の研究として活用しながら、全13回の授業を経た最終成果物としてオリジナルの3D作品を制作します。
第三期目となる今年は、全国各地から選抜された中学生研究生11人が入学式で初めての顔合わせとなりました。また、第一回目の授業(3D基礎、海洋)が実施され、研究生と保護者など参加いただいた皆さまと一緒に、専任講師の講義を受けました。
【プログラム】
13:00~13:45 入学式(主任講師・主催・協賛各社からの挨拶、研究生自己紹介)
13:50~14:35 授業A(3D)
14:40~15:25 授業B(海洋)
日本財団 海洋事業部 海洋チーム 中嶋部長から激励のメッセージ
「本日、新しい着眼点をもった三期生の研究生の方たちと出会えて嬉しいです。海洋研究3Dスーパーサイエンスプロジェクトは、地球に古代から生きる海洋生物を、最先端の3D技術で研究するという、大変面白いプロジェクトです。皆さまには、社会や大人の目を気にしすぎることなく、自分の好きなことを探求していただきたい。これから、専門家たちがたくさんのことを教えてくれると思います。プロジェクト生としての8か月だけではなく、卒業してからも一緒にやっていく仲間として、よろしくお願いいたします。」
プロジェクトに必要な製品を提供いただく協賛各社からのご挨拶
研究生をパワフルにバックアップしてくださる協賛各社から、挨拶を賜りました。
各社から「皆さんの成長を楽しみに、応援しています」という励ましのお言葉をいただきました。
写真左から:株式会社ワコム(ペンタブレットの提供)角井氏、株式会社ミマキエンジニアリング(フルカラー3Dプリンター出力の提供)上原氏
写真左から:株式会社エヌエスエス(3Dプリンタ用レジン「エキマテ」での3D造形品の提供)野田氏、株式会社ボーンデジタル(3Dソフトウェアと3D専門書の提供)冨田氏
3D基礎の授業(吉本大輝)/海洋研究基礎(中村玄講師)
吉本からは、3D基礎講義として、3Dを実践形式で学ぶに先立ち、3Dプリンターで作品ができるまでの知識についての授業を実施しました。実際のモデリングをスライドに映しながら進めていく様子を交えながら伝え、研究生は興味深そうに見入っていました。研究生たちは玉骨標本を手に取り、興味深く見る姿が見られました。
中村講師からは、研究を進めるための論文の書き方を丁寧にレクチャー。調べたい対象をどのように調査し、考察を進めるか、情報の活用方法や参考文献の扱い方などを学びました。研究生は集中してメモをとりながら、真剣に聞いていました。
三期は初めて全国から応募をつのり、日本各地の研究生が参加・11人の意気込み
大村 七緒(東京・中学2年生)研究テーマ:鯨類
趣味は、シャチについて考えること。とにかく可愛いシャチが好きだが、生態系の頂点に立つと言われながらも、水族館で甘える様子が可愛い。陸上哺乳類と海洋哺乳類の内臓についても調べたい。3Dプリンターで両方つくり、比較して研究してみたい。
小林 飛陽(岡山・中学3年生)研究テーマ:魚類
僕の済む岡山県の玉野市は、瀬戸内海に面しており、父と一緒に釣りによく行く。メバルやカサゴがよく釣れる。鯛を釣ったときにさばいて、標本づくりに目覚めてから学校で骨格標本を作っている。このプロジェクトでは、吉本先生から玉骨標本について学び、気軽に手にもっていただける標本づくりに挑戦したい。
津川 翔(香川・中学3年生)研究テーマ:ペンギンの仲間
入学式の前日、ヨットの全国大会で6位に入賞した。セーリングではブロー(特定の場所に吹く強い風)を見つけることが大切だが、なぜその場所にだけ強い風が吹くのかいつも疑問に感じている。ペンギンは種類によって陸上の短距離選手と長距離選手のように特徴が違うため、泳ぎ方の違いや体の特徴の違いの生態を研究したい。そして、最速のペンギンの動きを海上でのヨットの動きに活かしてみたい。
永井 健太(東京・中学3年生)研究テーマ:鯨類
パソコンや機械いじりが好きで、得意。学校に3Dプリンターがあり3年間取り組んできた。モデリングの技術を上げたいという想いとunityなどでCGアニメーションを作ってみたい、3Dについてもっと学びたいと考えて、プロジェクトに参加した。SDGsや社会問題にも積極的に取り組んでいきたい。
中島 明香莉(静岡・中学2年生)研究テーマ:ウミウシなどの裸さい類
マイナーな海洋生物を研究したいと思った。ウミウシは近所の水族館にもキャラクターがいて興味をもった。ウミウシの特徴でもあるひだの形状が違うことも調べてみたい。もともと興味があるのは3Dやメタバース。これまで経験してきた3Dと、学びたい意欲が強い海洋生物の研究を掛け合わせて取り組んでみたい。
萩原 竜誠(群馬・中学1年生)研究テーマ:魚類
海なし県の群馬から、毎週のように魚の採取をしに海に出かけている。カクレクマノミやナンヨウハギなどたくさんの魚に出会って、採取もしてきた。また魚以外にも、海の環境問題に興味があり、これまでも発信を続けてきたり、多くのアクションを続けてきた。このプロジェクトで学んだことを、今後の活動に活かしていきたい。
布施 智絆(神奈川・中学1年生)研究テーマ:魚類
小学生の頃から海水魚が大好きで、近くの八景島や江ノ島水族館だけではなく、沼津・美ら海水族館など多くの水族館に行った。ノートとペンを持って、観察しているうちにあっという間に1日が経つ。シュノーケリングして採取した魚を飼育したり、釣った魚をさばいて内臓を調べたりもしている。専門家や同期の仲間と一緒に大好きな海水魚について調べられるなんて、夢みたいだと思っている。
水村 阿礼(鳥取・中学3年生)研究テーマ:鯨類
通っている学校には3Dプリンターがあるが、誰も触っておらず勿体ないと思い、何度か壊しかけながらも独学で出力することに成功した。今では3Dプリンターで標本を作り研究に活用している。田舎には小さな博物館しかなく、標本も少ない。田舎の人にも、都会の博物館にあるような貴重な標本を見てもらえるように、3Dプリンターを使って博物館を作りたいと考えている。
山田 陸空斗(神奈川・中学3年生)研究テーマ:魚類
「ロボット研究部」に所属しており、大会で3Dモデリングをして複雑な水車の形を作ったことがある。沼津港深海水族館に行ったときに冷凍保存されたシーラカンスの他の魚よりも多い鰭の枚数に惹かれた。科博も好きで、何度も行っている。魚類への知識や3Dプリンターの技術を学び、得意になりたい。
渡辺 四季(神奈川・中学3年生)研究テーマ:鯨類
幼稚園の時に八景島シーパラダイスでジンベエザメに出会ってから水族館に通うことが趣味になった。ジンベエザメの動きを観察し、ノートに記録することを頑張っていた。継続してジンベエザメを観察できたおかげで、少しの変化にも、気づくことができた。オキゴンドウなど体の大きな生き物に興味があるが、大きすぎて全体の観察が難しかったり、比較や観察が難しい。3Dを学び、小さくすることで研究しやすいようにしたい。
渡邉 翔(愛知・中学2年生)研究テーマ:魚類
生まれ育った半田市は、伊勢湾と三河湾に囲まれ、海と密接に関わっている。趣味は生態系調査や水族館めぐりなど、海にかかわることが非常に多い。地元の発明クラブにも入り海洋ごみに関する発明をしている。小5の時に発明した海洋ごみ調査用の水中ドローン、小6の時に発明した海洋ごみ回収用の海洋ドローンは愛知県大会において入賞。この世で一番愛するのは深海。2歳のころ、碇とチョウチンアンコウが好きになった。プロジェクトで沢山学び、深海生物学者になる夢に近づきたい。
イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています