東京海洋大学 マリンサイエンスミュージアムにて「コククジラの骨格標本 展示開始式」を実施しました
一般社団法人日本3D教育協会は2023年12月1日(金)、海洋や3Dに興味がある全国の中学生を対象にした「海洋研究3Dスーパーサイエンスプロジェクト2023」の活動の一環として、関係各所と共に、2023年1月に掘り起こしをしたコククジラの骨格標本の展示開始式を執り行いました
2023.12.12
一般社団法人日本3D教育協会は2023年12月1日(金)、海洋や3Dに興味がある全国の中学生を対象にした「海洋研究3Dスーパーサイエンスプロジェクト2023」の活動の一環として、関係各所と共に、2023年1月に掘り起こしをしたコククジラの骨格標本の展示開始式を執り行いました。この活動は、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。
コククジラ展示開始式を開催する経緯
2023年1月、南房総市の漁港に2016年に打ち上げられ、砂浜に埋めていたコククジラの骨格を掘り起こして3Dデータ化し、後世に標本を残すための取り組みが、中学生の研究生たちによって行われました。
参照記事:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001452.000077920.html
今回、掘り起こしたコククジラの骨格標本が東京海洋大学 マリンサイエンスミュージアムに展示されることになり、その展示の開始を記念した式を開催。開会式のご挨拶で、鴨川シーワールドの勝俣館長からは「個人的な思い出のある骨格標本が博物館に展示されるというのは、色々な偶然が重なって実現できる奇跡に近いこと。この場にいる皆さんと一緒に、この日を迎えられて嬉しいです」と述べました。
左上:鴨川シーワールド勝俣館長 右上:マリンサイエンスミュージアム茂木館長
下:東京海洋大学鯨類学研究室 助教 本プロジェクト海洋講師 中村玄、日本3D協会代表 本プロジェクト3D講師 吉本大輝
展示される骨格標本について
掘り起こしプロジェクトを実施した当初、骨格は一つひとつスキャンして3Dデータ化し、骨格標本にして”収蔵”(展示はされず収蔵庫に入れられる)予定でしたが、東京海洋大学のマリンサイエンスミュージアムのご協力により、研究と教育を目的とした展示をしていただけることになりました。(標本の所有者は、鴨川シーワールドです)
下記のような骨格は”交連骨格”(組まれている骨格標本)と呼びますが、コククジラについては予算、スペースの観点から交連骨格にはせず、”晒し骨格”と呼ばれるバラの状態の骨格での展示となりました。研究資料としては 交連骨格より、”晒し骨格”のほうが利用価値があります。
東京海洋大学マリンサイエンスミュージアムに展示され、これから訪れる沢山の方にご覧いただくのは、組み立て式の骨格標本ではなく、晒し骨格を見やすいように展示されたもので、より研究には有意義なものになります。観察や研究に適した状態で、多くの学生・研究者、一般来館者に役立つことを期待され展示が開始されました。
コククジラについての解説
展示開始式のあとは、展示スペースへ移動し、中村玄助教によるコククジラの解説が行われました。中学生たちは、自分の手で掘り起こした骨を注意深く観察し、クラウドファンディング支援者や参加した関係者らも、興味をもって聞いていました。
本プロジェクトは、クラウドファンディングで支援いただきながら実施したもので、展示スペースでは、ご協力いただいた皆さまのお名前を記載したパネルの展示、本プロジェクトの経緯やコククジラについて解説したパネル、さらに骨格標本を3Dデータ化した映像の展示も行いました。3Dデータ映像は、360°動かして好きな部分を観察できるデジタル標本として、頭骨の骨格標本の展示横にモニターを配置したので、来館者が自分の手で操作しながら観察することができます。中学生たちは、掘り起こしのあとにスキャンしたコククジラのデータを動かしながら、楽しそうに操作していました。
関係各位をはじめ、中学生の研究生を含む約100人で掘り起こしをした骨が、今後の貴重な研究・教育材料として常設展示が開始されることを皆さまでお祝いできた、素晴らしい式となりました。
ぜひ東京海洋大学 マリンサイエンスミュージアムに、展示を観察しに足を運んでみて下さい。
東京海洋大学 マリンサイエンスミュージアム:https://www.s.kaiyodai.ac.jp/museum/public_html/
イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています