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灯台の新たな価値創造と地域の伝統文化を次世代へつなぐチャレンジ ミッション型キャンプイベント『灯台キャンプ×沢崎まつり』を開催しました!

さど探究プロジェクトは、2023年9月23日(土)、24日(日)の2日間にわたり「沢崎鼻灯台」下でのキャンプ体験を行いながら、人口減少などでその存続が危惧されている沢崎集落の伝統行事『沢崎まつり』の担い手として祭りを成功させることをミッションとした『灯台キャンプ×沢崎まつり』を開催しました。

2023.10.04

さど探究プロジェクト

さど探究プロジェクト(主幹:アクトインディ株式会社)は、2023年9月23日(土)、24日(日)の2日間にわたり、佐渡島西端に位置する風光明媚な地、沢崎に立つ「沢崎鼻灯台」下でのキャンプ体験を行いながら、人口減少などでその存続が危惧されている沢崎集落の伝統行事『沢崎まつり』の担い手として祭りを成功させることをミッションとした『灯台キャンプ×沢崎まつり』を開催しました。

このイベントは、日本財団「海と日本プロジェクト」の一環として、灯台を中心に地域の海の記憶を掘り起こし、地域と地域、異分野と異業種、⽇本と世界をつなぎ、新たな海洋体験を創造していく「海と灯台プロジェクト」の助成を受けて実施したものです。

<イベント概要>

イベント名

「灯台キャンプ×沢崎まつり」

開催概要

佐渡島西端に位置し、沢崎鼻灯台が立つ風光明媚な地、沢崎。沢崎の集落では毎年9月に海洋文化の香りを色濃く残した伝統行事『沢崎まつり』が行われています。本イベントは、参加者が絶景を誇る灯台下でキャンプを楽しむとともに、人口減少などでその存続が危惧されている『沢崎まつり』の担い手として祭りを成功に導くことをミッションとしたプログラム。近代日本の発展を支えた灯台の新たな価値創造と地域の伝統文化を次世代に引き継ぐことをテーマとした取り組みです。

日程

2023年9月23日(土)~24日(日)

開催場所

〒952-0621 新潟県佐渡市沢崎 沢崎鼻灯台

〒952-0621 新潟県佐渡市沢崎120 沢崎集落開発センター

参加人数

総勢13名(佐渡島内6名、佐渡島外7名(うち2名は海外からの参加者))

主催協力

主催:さど探究プロジェクト(主幹:アクトインディ株式会社)

共催:日本財団 海と日本プロジェクト/沢崎集落

協力:佐渡市役所 小木行政サービスセンター/サンフロンティア佐渡株式会社/地域おこし協力隊/新潟海上保安部/ワールドユナイトジャパン株式会社

後援:佐渡観光交流機構

ミッションキャンプ1日目
沢崎鼻灯台に集まり、いよいよイベントスタート

朝9:00、灯台下に沢崎まつりを盛り上げたいと総勢13名の参加者が集まり、いよいよミッションキャンプがスタートです。佐渡島内、島外、遠くは海外からの参加者も。

まずはテントを設営し、キャンプ地を整えていきます。沢崎鼻灯台のある沢崎は、佐渡島の西端。佐渡で最も日の入りが美しいといわれる風光明媚な地です。

沢崎鼻灯台とは

佐渡市西端に位置し、海底火山の噴火で形成された枕状溶岩が広がる独特の地質・地形から成る絶景の地に立つ灯台。初点灯は1928(昭和3)年。24.2mと佐渡一の高さを誇る八角形の白い塔で、与謝野晶子が詠んだ歌にも残る歴史的建造物です。古くから成る直江津・小木航路において、小木へと向かう船が、第一目標として視認する標識として重要な役割を果たしていました。

ミッション1 大獅子の組み立てと幣束(へいそく)づくり

灯台キャンプのミッション「沢崎まつり」の成功のため参加者たちは、集落の一員として祭りの準備をお手伝いします。まずは沢崎集落開発センターで、大獅子の組み立てと幣束づくりです。

大獅子は、大人10名以上で操る巨大なもので沢崎まつりの象徴的存在。獅子頭と獅子蚊帳、獅子蚊帳と胴竹といわれる半円状の骨組みをつなぎ合わせて組み立てます。それぞれ紐を用いて、角結びという結び方でつなぎ合わせるのですが、獅子頭の穴に紐を通すことが容易ではありません。参加者と集落の方々で協力しながら試行錯誤を繰り返し、無事、獅子を組み上げることができました。

集落の方々と参加者が協力して大獅子を組み立てます
集落の方々と参加者が協力して大獅子を組み立てます

組み上がった大獅子。大人10名以上が入れる巨体。獅子頭だけで20kgほどの重さ
組み上がった大獅子。大人10名以上が入れる巨体。獅子頭だけで20kgほどの重さ

幣束(へいそく)は、祓のときに用いる神への捧げ物で、和紙を折り、切込みを入れたものを細長い木に挟んで作ります。初めは細かい作業に慣れない様子の参加者たちでしたが、集落の方々に教えてもらいながら綺麗につくることに成功しました。

慣れない作業に苦戦しながらも幣束づくりにチャレンジしている参加者
慣れない作業に苦戦しながらも幣束づくりにチャレンジしている参加者

ミッション2 奉納のお手伝い

沢崎まつりでは、祭り初日に集落内の3ヶ所の神社や寺院に奉納を行います。

沢崎集落開発センターを出発した大獅子は、尉面(じょうめん)を被り、手に茄子を持つマメや、鬼の姿をしたゴッテ(ゴツ)、幣束振りを先頭に、神子岩神社、薬師寺、善寳寺を順に訪れ、木遣り唄と幣束振りの掛け声に合わせ獅子頭を打ち鳴らすことによる奉納を行いました。参加者は、大獅子に入る人、マメやゴッテ、幣束振りになる人にそれぞれ分かれて役割を果たし、厳かなお祭り初日の儀式を成し遂げました。

これにて祭り初日のお手伝いミッションは終了です。

奉納に向かう大獅子。背後に沢崎鼻灯台が見えます
納に向かう大獅子。背後に沢崎鼻灯台が見えます

沢崎鼻灯台の見学、灯台文化に触れ、絶景を楽しむ

奉納が無事完了した後、参加者はキャンプ場へ戻り、集落の方々とともにキャンプ場に立つ沢崎鼻灯台の見学を行います。

灯台前では、新潟海上保安部の三國さんより、参加者に沢崎鼻灯台が佐渡で一番高いことや、江戸時代以前から北前船をはじめ日本海沖を通る多くの船の目印として重要な地であったからこそ建てられたのではないか、など灯台の建設理由や意義などの説明がされました。また、集落の方からは、幼少期に灯台守が住んでいた、その時の交流の話をされるなど、灯台と集落との深い関わりの話をされ、参加者はこれらのお話に聞き入っていました。

灯台の説明を聞いた後、参加者と集落住民で灯台に登ります。灯台から見下ろす絶景に感嘆の声を上げながらも、佐渡一の高さに腰が引けていました。集落の方も『なかなか登る機会が無かった灯台に登れて嬉しい』と喜びの声をあげていました。

灯台キャンプ地での集落の方々との交流、灯台キャンプを楽しむ!

キャンプ場は、集落の方々と参加者の交流の場ともなりました。

集落の方々は、空き地であった灯台下の場所が、すっかりキャンプ場に変化している姿にも驚いた様子。キャンプ場を見てまわり、参加者とのコミュニケーションを楽しんでいました。

灯台キャンプ場での交流
灯台キャンプ場での交流

(左)灯台キャンプの夕日(右)夜は星空が輝いていました
左)灯台キャンプの夕日  (右)夜は星空が輝いていました

ミッションキャンプ2日目

2日目の朝。灯台キャンプ場は雲ひとつない快晴でした。

快晴の灯台キャンプ場
快晴の灯台キャンプ場

ミッション3 御祈祷への参加

沢崎まつり2日目は、神子岩神社での御祈祷から始まります。

参加者も神社に訪れ御祈祷に参加。神事としての祭りならではの神聖な雰囲気を味わうことができました。

ミッション4 お祭り本番。大獅子が集落をねり歩き、各家へ門付け!

いよいよ、祭りの本番!

集落内の各人家へ大獅子が門付けを行います。門付けとは人家の門口で芸能を見せることですが、沢崎まつりでは各人家の玄関先で獅子頭を打ち鳴らします。

参加者は集落住民と協力して大獅子に入ったり、マメやゴッテ、幣束振りなどそれぞれの役割を務めます。集落近い小木小学校の子どもたちも幣束振りとして参加し、お祭りは大盛り上がり!大獅子も勢いよく暴れまわり、集落をねり歩いていきます。

暴れまわる大獅子
暴れまわる大獅子

門付けの最中、港へ出てきた大獅子は、尾が暴れだし、岸壁から海の中へ!!!

昔は付近に岸壁はなく砂浜で暴れまわる大獅子は浜から海に入っていたそうですが、港が整備された現在も海に入る伝統が残ったとのこと。海とともにある集落らしい文化ですが、岸壁から海に入る大獅子の姿はすごいインパクトです。

港にやってきた大獅子。尾が岸壁から海に…。
港にやってきた大獅子。尾が岸壁から海に…。

全ての人家への門付けが終わり、沢崎まつりは無事終了。すべてのミッションを達成しました!

沢崎集落の佐藤総代からは、参加者への感謝の言葉をいただきました。

お祭り終了直後 参加者と集落メンバーでの集合写真
お祭り終了直後 参加者と集落メンバーでの集合写真

「灯台キャンプ×沢崎まつり」を終えて

『灯台キャンプ×沢崎まつり』は、参加者と沢崎集落の方々、双方にとって初めてづくしの取り組みでした。

これまで活用されていなかった灯台下、絶景の地をキャンプ地として活用した体験を実践し、参加メンバーのみならず集落の方々が灯台やその周辺環境の魅力・価値を再発見するに至りました。また、参加者は存続の危機にある「沢崎まつり」を担い手として成功に導くというミッションを達成し、集落の方々も自分たちの祭りが、外部の人達にとっても魅力あるものであることに気づくきっかけとなる2日間となりました。

沢崎鼻灯台の観光資源としての価値の再発見と、地域文化「沢崎まつり」の次世代への存続に向けた初めの一歩としては大成功だと考えております。また、集落の人々・文化と灯台との関係の深さを確認できた取り組みにもなりました。

これを一過性ではなく継続的な取組みとして確たるものにし、同様の課題をもつ地域の良き先例となることで、灯台・地域文化の灯を次世代につなぐ価値あるチャレンジになるのではないかと考えます。

 

イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています

参加人数:13人