ヒカリテラス御前崎は、2024年11月10日（日）に御前埼灯台（静岡県御前崎市）周辺にて、御前埼灯台150周年記念イベント「風と灯台フェスティバル」を開催しました。150年間風雨に耐え続け、今なお毎日海の安全を見守っている御前埼灯台の労と功績をねぎらい、来場者と作る1000個の風車（かざぐるま）で灯台周辺を装飾し、150周年を祝いました。

このイベントは、日本財団「海と日本プロジェクト」の一環として、灯台を中心に地域の海の記憶を掘り起こし、地域と地域、異分野と異業種、⽇本と世界をつなぎ、新たな海洋体験を創造していく「海と灯台プロジェクト」の助成を受けて実施しました。

＜実施背景＞

1874（明治7）年に初点灯した御前埼灯台は、「日本の灯台の父」と呼ばれるイギリス人技師ブラントンが設計した26基の灯台のひとつ。国の重要文化財に指定されており、日本の灯台50選にも選ばれています。今年の5月1日、初点灯から150周年の節目を迎えました。

しかしながら、地元でもその文化的価値や存在意義が十分に知られているとは言えず、周辺地域に住んでいても実際に灯台を訪ねたことがない方も少なくありません。今回は、灯台に足を運ぶきっかけ作りや、灯台の魅力や存在意義、文化的価値を知る機会となることを目的に、「海と灯台ウィーク」（11月1日～8日）の関連企画として御前埼灯台150周年を地域の皆さんと共に祝うイベントを開催しました。

150年の歴史で初！みんなで作る風車で御前埼灯台を装飾

「風の街」ともいわれる御前崎の「風」を視覚的に感じられるアイテムとして、風車をイベントのシンボル的存在に設定。子どもを含め、来場した皆さんに風車を作っていただき、大きく「150」と書いたパネルの周囲や灯台周辺に装飾しました。当初は、風車を通したロープを灯台の上部から地面に向かって斜めに複数本垂らす計画もしていましたが、これは当日の風の影響により安全面に配慮して断念しました。しかしながら、1000個の風車で周囲を装飾した御前埼灯台の姿は想像していたよりも華やかで、風が吹くたびにカラカラと音を立てて風車が一斉に動き出す光景は、来場者の皆さんに大変好評でした。

150周年を迎えた御前埼灯台へのメッセージを来場者に書いていただき、それを集めて記念パネルを制作するコーナーにもたくさんの方が訪れてくださいました。「海の安全をいつまでもありがとう」「150周年おめでとう!! デートにおすすめ! ちょーキレイ!」「これからも御前崎の未来を照らしてください」「しゃぼんだま　たのしかったよ」「またあそびにくるね」など、心のこもったメッセージをありがとうございました。

このほか、灯台周辺のポイントを散策しながら御前埼灯台に関連したクイズにチャレンジする「灯台クイズラリー」や、灯台と灯台資料館の開放、ドローンを飛ばして上空から海と灯台の景観を知る体験など、灯台を知る・灯台に興味を持つきっかけとなるプログラムを複数実施しました。

▲上空のドローンに手を振る皆さん

子ども向けの参加型企画として、しゃぼん玉で遊べるコーナーと、色のついた泡で塗り絵を楽しむ「あわあわお絵描き」コーナーも開設。いつもは「下から見上げる」「登って眺望を眺める」だけになってしまいがちな灯台の前で、ものづくりや遊びを体験していただく機会を提供しました。

参加者の声

〈来場者〉
「子どもたちと楽しめるコンテンツが多数あって良かった」
「風車やお絵かきなど子どもが楽しめるイベントを楽しみに来場しました」
「御前埼灯台に来たら、灯台らしくて楽しそうなイベントをやっていたのでとても嬉しかった」
「天気がもう少しスッキリしてくれたらと思うので2回目をぜひ開催してほしい」

〈高校生＆大学生スタッフ〉
「灯台を知る・登るきっかけになって良かった」
「御前崎市に住んでいながら、御前埼灯台のことにあまり関心がなかったが、良いイベントに参加できて灯台が好きになりました」
「焼津市に住んでいて御前埼灯台の存在を知らなかったけれど、今日1日参加して素敵な場所があることを知りました。今度は遊びに来たいと思います」

イベントの成果と今後の展望

コンソーシアム団体「ヒカリテラス御前埼」初の事業として、市・観光協会・商工会・その他団体や企業の連携による、これまでにない形での御前埼灯台イベントを開催することができました。また、若い世代に灯台を知るきっかけにしてほしいとの思いから、地元の静岡県立池新田高校と静岡福祉大学にボランティアを要請し、当日はたくさんの生徒さん・学生さんが運営スタッフとしてイベントを盛り上げました。燈光会や清水海上保安部との連携もあり、地域のみんなで灯台への思いを新たにする時間となりました。地元の宿泊事業者や飲食事業者も協力してくださり、灯台でのイベント開催が地域で望まれていることを実感しました。

今回のイベントを通じ、灯台の広場を活用して人と人の交流機会を醸成することは、今後も大変重要かつ意義深いものであるとあらためて感じました。特に、高校生・大学生のスタッフが家族連れの来場者と積極的に交流したことで、時折強風が吹き付け、厚い雲に覆われたあいにくの天気の中でも終始明るく楽しい雰囲気でイベントを進行することができました。今後も灯台への関心・興味をもつ「若い世代」をさらに増やしていけるようなイベントを実施したいと考えています。

＜イベント概要＞

イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています

参加人数：500人