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東京湾に干潟があるのをご存じですか⁇千葉県三番瀬で魚をさばいて海を学ぶ「日本さばける塾 in 三番瀬」を開催しました!

一般社団法人 海のごちそう推進機構と有限会社ディーポは、魚をさばくことを通して、食文化と海洋環境を学ぶ「日本さばける塾」を2023年8月27日(日)に千葉県の三番瀬で開催し、10組20名の親子が参加しました。

2023.09.01

一般社団法人 海のごちそう推進機構(本部:北海道函館市、代表理事:若山豪)と有限会社ディーポ(本社:千葉県市川市、代表:湊誠也)は、魚をさばくことを通して、食文化と海洋環境を学ぶ「日本さばける塾」を、2023年8月27日(日)に千葉県の三番瀬で開催し、10組20名の親子が参加しました。

このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。

「日本さばける塾 in 三番瀬」
場所

ふなばし三番瀬環境学習館
日時
8月27日(日)10:00~14:00
内容
スズキのさばき(調理)体験
三番瀬の作り手・守り手による三番瀬の歴史や講義
三番瀬のフィールドワーク
船橋三番瀬海苔の学び
スズキと海苔を手巻き寿司で実食
参加料
無料
対象
小学4~6年生とその保護者 10組20名
主催
一般社団法人 海のごちそう推進機構、有限会社ディーポ
共催
日本財団 海と日本プロジェクト
協力
ふなばし三番瀬環境学習館、株式会社アノニギワイ

三番瀬は生き物でいっぱい!

千葉県の干潟にある貴重な干潟 三番瀬で開催された「日本さばける塾」。集まった子どもたちは、ふなばし三番瀬環境学習館の小澤 鷹弥さんと一緒に実際の三番瀬をフィールドワークしました。

高台にある展望施設で三番瀬の広さを紹介する小澤さん。遠くの建物を指さし「この建物とこの建物の間が全部、三番瀬。みんなの学校が1haぐらいなんだけど、三番瀬は1,800ha。だいたい1,800個、小学校が入る大きさなんだ」と紹介しました。

干潟に降りた子どもたちが、スコップで干潟を掘ってみるとたくさんのコメツキガニが。小澤さんの指導のもと、ひっくり返したり触ってみたりしてカニの生態を学びました。その後、ヤドカリの群生地や干潟の役割も学んだ子どもたち。干潟で多くの生物に見て、触れてたくさんのことを学びました。

貴重になった千葉県の高級のり

三番瀬をフィールドワークした後は、元行徳漁業組合 専務理事で海苔漁師を営まれていた藤原 孝夫さんから海苔の授業です。

三番瀬は、昔から海苔の生産が盛んで埋め立てが行われる前は、全国でも3~4番目の生産量を誇っていたことや、たくさんの川から水が流れ込むためミネラルが豊富で質が高く値段も高いことなどを話しました。そんな海苔も、温暖化の影響で水温が5度近くあがり海苔を作ること自体が難しくなってきていることも紹介。海苔が海洋環境から受ける影響について子どもたちに伝えました。

そんな貴重な海苔のすき体験も実施。漁獲量が本当に少なく、今回はたまたま手に入ったという海苔。子どもたちは普段食べる海苔の作り方を体験し、すかれる前の海苔の香りや形を見て改めて普段食べている海苔が海藻であることを実感し、驚きながらも楽しんでいる様子でした。

江戸前の特大スズキに悪戦苦闘…!

千葉県在住で東京都内で飲食店「定食カフェ ラハン」を営む大野 隆幸さんが魚さばきの講師を務め、まずは超特大サイズのスズキをデモンストレーションとしてさばきました。食育マイスターの資格も持つ大野さん。さばきながら浮袋や苦玉など内臓の働きなどを説明しながら、骨が四角くなっているスズキならではの形状などを説明。子どもたちは興味津々に三枚卸しの様子を見守りました。

その後、子どもたちはまな板からはみ出る特大サイズのスズキさばきに挑戦。大きな魚をさばくのはとても難しく悪戦苦闘していました。特にスズキは骨がとても固く「こんなに丈夫な骨があるなんて知らなかった」と教えてくれる児童もいました。

スズキをさばき終わった子どもたちは、ホンビノス貝を観察し、酒蒸しになる様子を見学。パカッと蓋が空く様子を真剣に見守る児童もいました。

さばいたスズキは、先ほど紹介した三番瀬の海苔で手巻き寿司にし、頭や骨はアラ汁に調理。ホンビノス貝の酒蒸しと一緒に「いただきます」のあいさつで命に感謝して実食しました。魚さばきに初挑戦したという児童は「あんなに大きな魚でも、切り身の部分はこれしかないと思うと魚を大切に食べたいと思った」と話してくれました。

三番瀬を守る心をバトンタッチ

最後に東邦大学理学部 非常勤講師 佐野郷美さんより三番瀬の役割と今について授業がありました。

東京湾の干潟は三番瀬と播州干潟を除き埋め立てられてしまったことや、豊富な河川からの流入による汽水域が豊富な生態系を支え、今日食べた海苔・貝・魚が生活することにより、10㎢あたりの干潟で13万人分の有機物、200万人分の窒素を処理する能力があることを話しました。

佐野さんは、自身が多くの地域の人たちと干潟を拡大するプロジェクトを進めてきたことに触れ「人間は70年かけて干潟を失ってきた、今後100年かけて干潟を育てていかなければならない。私たちだけではなく何世代もかかる。まだ若い皆さんにこの活動をバトンタッチしていきたい」と呼びかけ、佐野さんがバトンを渡すジェスチャーをすると参加児童が手を出してバトンを受け取るしぐさを見せ、会場からは大きな拍手が起こりました。

参加した子ども・保護者からの声

⼩学5年⽣女子
「干潟にはたくさんの生き物がいて、私たちを守ってくれていることがわかった。これから干潟を大切にしていきたい」
⼩学6年⽣女子
「学校で習ったより、(海や干潟)にはいろいろな問題があるのだと思った」
⼩学4年⽣男⼦
「干潟や生き物のことがもっと知りたい」
30代男性
「海のある千葉県に住んでいるのいるのにこんなに知らないことがあるのかと勉強になりました。誇るべき千葉の海苔や干潟を守るためにできることを考えたいと思います」
40代女性
「藤原さんや佐野さんのような方が守ってきた干潟というものを当たり前に考えてきたなと思いました。子どもと一緒に干潟をことを考えます」

 

イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています

参加人数:20人