地元の「海の食文化」を発信したい事業者を全国から募集中!第一弾は地元産のクロダイをさばく『日本さばける塾 in 今治』を開催
一般社団法人 海のごちそう推進機構と一般社団法人 海と日本プロジェクトinえひめは、2024年9月23日 県内の小学4年生~6年生とその保護者を対象に、日本の豊かな海の食文化を継承し輪を広げるプロジェクト「日本さばける塾2024」の第一弾として「日本さばける塾 in 今治」を開催しました。
2024.10.02
一般社団法人 海のごちそう推進機構と一般社団法人 海と日本プロジェクトinえひめは、2024年9月23日(月・祝)に県内の小学4年生~6年生とその保護者8組16名を対象に、魚を実際にさばくこと、地域の海洋変化や魚種の変遷を学ぶこと、さらに「海を味わう十の技法」による調理体験など、日本の豊かな海の食文化を継承し、輪を広げるプロジェクト「日本さばける塾2024」の第一弾として「日本さばける塾 in 今治」を開催しました。
尚、2024年9月30日(月)まで全国のエリアで「日本さばける塾」を実施する皆さまを募集中です。地元の魚を「海を味わう十の技法」により郷土料理に仕上げるという、非常に面白く価値のある取り組みを全国各地で開催していただける皆さまのご応募をお待ちしております。
このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。
日本さばける塾2024公募ページ:https://sabakeru.uminohi.jp/information/11283/
「日本さばける塾2024」とは?全国から事業者を募集中
日本周辺の海洋環境の変化により、各地で獲れる魚が変わっている今、馴染みのなかった魚を美味しく食べる術はどこに?そんな疑問に、日本の海の食文化は古くから答えてきました。「日本さばける塾」は、魚を実際にさばくことを入口に「海を味わう十の技法」による調理体験を通じて、地元に伝承される郷土料理、または新たな提案型の郷土料理を作り・学ぶ機会づくりをし、日本の豊かな海の食文化を継承し、輪を広げるプロジェクトです。
(詳細リリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002862.000077920.html)
<公募概要>
公募期間 |
2024年9月4日(水)〜9月30日(月)18:00分〆切 |
応募方法 |
以下の「日本さばける塾2024公募ページ」からエントリーシートをダウンロードし、企画概要を詳細にご記入の上、日本さばける塾事務局へメールにてお送りください。 日本さばける塾2024公募ページ 日本さばける塾事務局メールアドレス:sabakeruPJ@gmail.com |
応募要件 |
地元の「海の食文化」を全国に発信したい事業者の方はどなたでも |
採択エリア |
全国より10エリア |
結果通知 |
10月上旬を予定(エントリーシートに記載のメールアドレス宛てにご連絡) |
「日本さばける塾 in 今治」イベント概要
開催概要
魚を実際にさばくこと、地域の海洋変化や魚種の変遷を学ぶこと、さらに「海を味わう十の技法」による調理体験など、日本の豊かな海の食文化を継承し、輪を広げるイベントとして、以下の取り組みを実施しました。
<海を味わう十の技法について>
2013年にユネスコの無形文化遺産となった「和食」。その調理法として定義されるのが、「切る」「煮る」「焼く」「揚げる」「蒸す」という「五法」。
これに海の恵みと向き合うために培ってきた、「締める」「醸す」「干す」「燻す」「漬ける」の調理技法を加えたもの。それが「海の味わう十の技法」です。
1. 今治市農林水産課・村上さんから、今治市における水産業について講義
2. 愛媛県漁業協同組合宮窪支所・關運営委員長から、漁師の立場からクロダイの特徴や漁獲量の遷移、地元に残る伝統的な食習慣について講義
3. 和食の伝道師・近藤先生による魚のさばき方レクチャー・調理実演
4. 参加者がクロダイをさばき、「クロダイの土鍋鯛めし、刺身、竜田揚げ」の調理に挑戦・親子で試食
日程
2024年9月23日(月・祝)
開催場所
今治市みなと交流センター「はーばりー」
参加人数
8組16名(小学生4~6年生と保護者)
講師
和食の伝道師 近藤 一樹先生
今治市 産業部 産業政策局 農林水産課 水産業振興室 水産業振興係長 村上 祐介氏
愛媛県漁業協同組合宮窪支所 關 洋二運営委員長
主催
一般社団法人 海のごちそう推進機構、一般社団法人 海と日本プロジェクトinえひめ
共催
⽇本財団 海と⽇本プロジェクト
協力団体
今治市農林水産課、愛媛県漁業協同組合宮窪支所
地元の海とクロダイについての座学
初めに今治市農林水産課の村上さんから、近年の海で起こっている問題や魚種の変化、今治市が行っている活動について教わりました。今治市は天然マダイの漁獲量が県下全体約36%を占め、これは県内の市町で第1位(平成30年の漁獲量データ)です。本イベントでご提供いただいた宮窪漁協さんのマダイ・クロダイが獲れる海域は潮流の速さが特徴で、なんと最大10ノット(時速18km)になります。その激流に揉まれた魚は身が引き締まって非常に味が良いことを学びました。
また、今治市では「海の環境が変わり海そうが減少する中、稚魚の隠れ場や産卵場所を増やすため、魚礁の整備を進めていること」、「地域団体やNPOなどと連携し、アマモ(海草)を増やす活動をしていること」をクイズを交えながら楽しく学びました。
続いて、愛媛県漁業協同組合宮窪支所の關洋二運営委員長より、今回調理するクロダイがどんな魚なのか、マダイと見比べながら教わりました(写真右:上の黒色の魚がクロダイ、下の赤色の魚がマダイ)。
近年食べられることが少なくなっているクロダイですが、以前から宮窪地区では秋〜冬に獲れるクロダイを「鍋割れチヌ」と呼び、鍋が割れるほどおいしいと重宝していたそうです。また、古くから出産後の女性が滋養強壮を目的にクロダイを食べる習慣があったそうです。クロダイは雑食性が強いため、海藻や牡蠣の食害が課題となっている地域があります。沿岸部や河口のクロダイは味が良くなく食用とされていないケースが非常に多いですが、宮窪地区のクロダイはブランド魚である10ノット真鯛と同じ海域で育ち、同じようなエサを食べているため、味が非常に良いとのことでした。
黒鯛をさばき、「黒鯛の土鍋鯛めし、刺身、竜田揚げ」の調理に挑戦
地元の海やクロダイについて学んだ後に、クロダイのさばきに挑戦しました。まずは先生のお手本をみんなで拝見。講師は和食の伝道師と呼ばれる近藤一樹先生です。注意するポイントを説明しながら先生があっという間にクロダイをさばいていきます。先生の手元を見る参加者の目は真剣そのもの。次はいよいよ参加者の番です。分からないところは、運営をサポートいただいた愛媛県漁業協同組合宮窪支所のスタッフや、講師の手を借りながらさばいていきます。参加者の小学生は悪戦苦闘しながら、クロダイを3枚おろしにすることが出来ました。さばいたクロダイは、土鍋鯛めし、竜田揚げに調理。最終的には、クロダイの土鍋鯛めし、竜田揚げ、刺身、お味噌汁の計5品を美味しくいただきました。
参加した子ども・保護者からの声
(参加者)
・難しかったけど魚をさばけて嬉しかった。家でもさばきたいです。
・自分でさばいて料理して楽しかったし、美味しかった。
・黒鯛は美味しいのにあまり食べられていないことを知り、もったいないと思った。鯛めしが特に好きだった。
(保護者)
・いつも食べるだけの子ども達に作る大変さ楽しさ、命をいただく大切さを経験させてもらえてよかったです。
・家庭ではなかなか魚をさばく機会がなく、今回魚をさばく体験ができ、また一緒に料理をすることができて良かったです。
・スタッフの皆さんの親切で丁寧な対応に感謝します。また、講師の近藤先生がとても楽しい方ですごく楽しかったです。
イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています
参加人数:16人