青谷高校の生徒が透き通る海に潜って試行錯誤
ウニ駆除効果検証実験を開催しました!
鳥取ブルーカーボンプロジェクト「豊かな海の再生を目指して」実行委員会では、地域と共に鳥取の豊かな海を取り戻すことを目的に活動。その一環として、青谷高校の3年生がウニ駆除の効果検証実験を行いました。
2023.07.11
鳥取ブルーカーボンプロジェクト「豊かな海の再生を目指して」実行委員会(公益財団法人鳥取県栽培漁業協会)では、大量発生し、藻場衰退の要因の一つとなっているムラサキウニの利活用を図るとともに、藻場の衰退の要因となっているムラサキウニの商品化をモデルケースとした海の豊かさの啓発等により、地域と共に鳥取の豊かな海を取り戻すことを目的に活動。その一環として、青谷高校の3年生がウニ駆除の効果検証実験を行いました。
このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。
開催概要
青谷高校にてウニ駆除実証実験を実施
日程
2023年6月20日(火)
開催場所
長和瀬漁港
参加人数
高校生6名
ムラサキウニの徹底駆除区の効果検証実験
今、鳥取の海ではムラサキウニが大量に発生し、海藻を食べつくすという問題が起きています。海藻が生い茂る場所「藻場(もば)」は魚のすみかであり、二酸化炭素の吸収源でもある海にとって大切な存在です。
海の環境保全に大切な役割を担う藻場が消失の危機にある中、新たな対策として昨年度から青谷町(長和瀬・夏泊)を含む県内各地の漁業者たちが、「ムラサキウニの徹底駆除」に取り組んでいます。これは、設定した区画内のムラサキウニがゼロになるまで徹底的に駆除を行い、海藻の芽生えをウニの食害から守ることで藻場の再生を期待するプロジェクトです。このウニ0エリアを拡大していくことに加え、エリア内への海藻の移植も並行して行うことで、藻場のさらなる再生を目指しています。
鳥取ブルーカーボンプロジェクト「豊かな海の再生を目指して」実行委員会では、令和4年度より青谷高校において行われている学習カリキュラム「青谷学」で「鳥取県の漁業」の課題に取り組む2、3年生を対象に、「ウニに触れ、ウニを学び、海について考える」ウニ学習プログラムを実施。また、「青谷学」において高校生自身が自発的に取り組むウニ学習を支援してきました。
今回は3年生たちが、自分たちでウニ0エリアを作り、その効果検証実験を行うべくウニおよそ250個を駆除しました。駆除後の生徒たちからは、「今、自分たちの地域で起こっていることを体験できてよかった」「自分たちの実験の結果がどうなるか楽しみ」という前向きな声が寄せられました。最後は全員で記念撮影を行い、次回以降の活動に向けて熱い想いを語りました。
ウニ駆除効果検証実験 今後の運び
この実験では2つの調査を行います。1つ目の調査は「駆除区画外からの侵入状況の調査」です。まずは「徹底駆除区(ウニ0エリア)」作りのために、ムラサキウニがたくさんいる長和瀬漁港の船揚スロープの中央付近に、長さ10m程度の駆除区を設定。ウニがほぼいなくなるまで最低3回の駆除作業を行いながら、徹底的に駆除します。実際に海の中に入り、箱メガネや水中メガネでウニを探してバールなどを使用して駆除作業を行います。駆除個数と一部抽出したウニの大きさを正確に記録を取ります。続いて、駆除区画外からの侵入状況の調査をすべく、徹底駆除完了後、約1か月ごとに駆除区画内のウニの数と付着位置を特定します。徹底駆除時の結果から、駆除区画周辺からのウニの侵入の有無や量を把握することで、限られた区画での徹底駆除が有効か判断が出来ます。
そして、2つ目は「海藻の再生効果の調査」です。まず、ウニ駆除前の海藻の着生状況について、駆除区画と区画外とで調査を行います。そして駆除終了後、海藻の芽生え時期(秋から春)に再度、同じ区画で調べることで、駆除区画と区画外とに海藻の繁茂状況が異なった場合も、限られた区画での徹底駆除が有効だと判断できることになります。
この流れで、今年度の3年生たちはウニ駆除の効果検証実験を行います。生徒たちが自発的に見つけたテーマに沿って、より良い学びを得ることができるよう、今後も鳥取ブルーカーボンプロジェクト「豊かな海の再生を目指して」実行委員会として引き続きサポートを行ってまいります。
参加した子ども・保護者からの声
・青谷高校だからこその取組で、自分たちの地域で起こっている問題を体験できてよかった。
・ウニを駆除した区画で、ウニが増えなければ成功。実験の結果が楽しみ。
イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています
参加人数:6人