「知る」「触れる」「食べる」を通じて海洋問題を学んで考えよう! 【下関の海を知る・感じる・⾷べる ふくレボ教室】を開催しました!】
Minatodeフォーラムは、子ども園の園児とその保護者の皆さんに下関を代表する魚「フグ」を題材に、下関の海で起こっている変化と現状を「知る」「触れる」「食べる」という感性を刺激しながら、今の海を感じて考え、100年後の下関の海に想いを繋ぐことを目的として、2025年1月には社会福祉法人海音子会 ひがし子ども園、2025年2月には下関短期大学附属 第一幼稚園にて、親子向けイベント「下関の海を知る・感じる・⾷べる ふくレボ教室」を開催いたしました。
2025.03.06
Minatodeフォーラムは、子ども園の園児とその保護者の皆さんに下関を代表する魚「フグ」を題材に、下関の海で起こっている変化と現状を「知る」「触れる」「食べる」という感性を刺激しながら、今の海を感じて考え、100年後の下関の海に想いを繋ぐことを目的として、2025年1月には社会福祉法人海音子会 ひがし子ども園、2025年2月には下関短期大学附属 第一幼稚園にて、親子向けイベント「下関の海を知る・感じる・⾷べる ふくレボ教室」を開催いたしました。
このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。
※下関ではふぐは、福を呼ぶ縁起の良い魚として「ふく」と呼ばれています。
1月29日(水)ひがし子ども園
海・感性・⾷の専⾨家と下関のフグの専⾨家が⼦どもたちに「海の授業」を開講。下関の海とフグについて学び、水産大学校の学生3名が制作したフグと海を題材にした知育玩具やゲームで遊ぶ教育実習を実施。他にもVRで海の擬似体験や、学びから得た発想で親子で絵に表現するワークショップ、フグを⾷材とした給⾷をいただくことで総合的な学びの機会を提供しました。
日程
2025年1月29日(水)
開催場所
社会福祉法人海音子会 ひがし子ども園
参加人数
約60名
ふくの教室(⽔産⼤学校・学⽣による教育実習)
⽔産⼤学校の学生3人による下関の「ふく(フグ)」について知る海の授業です。
まずは、下関の食文化、水産、経済、観光を担っているふくについて、スライドを使って子どもたちにお話をしました。毒やトゲがあるという特徴や、ふく料理として全国でも有名なこと、そして海水温の上昇により下関近郊の海にいたフグが北上し、南からいろいろな種類のフグがやって来ていることを学びました。また、このままではフグをはじめとする魚が北へ移動してしまうかもしれない危機があることを知りました。
また、学生がオリジナルで考案した下関の海とふくを題材にし、風船を使ったフグの模型作りやクイズを用いて、教育実習を行うという形を取りました。今年参加した学生にとっては2年目の試み。昨年度の経験を生かし、幼児目線でわかりやすく楽しい学びにつながる内容を心掛けたそうです。
水産大学校で海の専門家を目指して海について学ぶ学生たちは、昨年度ふくや下関の海の調査を行ったり、遊びを制作するというこの取り組みが、学生生活での有意義な経験となったようです。
ふくおいちゃんとふくおいちゃんの本の贈呈
まずは、下関のふくについて子どもたちに知ってもらうために制作した「ふくおいちゃんの本」を子どもたちに配布。広島県在住のイラストレーターのはとさんが、下関に通って取材を重ねた力作です。いろいろなふくのイラストを見て、聞いたお話を思い出す子どもたち。
そしてみんなで「ふくおいちゃーん!」。子どもたちの大きな声でふくおいちゃんが登場し、子供達から歓声が湧きあがります。ここではふくの仕事に長く携わったプロフェッショナル「ふくおいちゃん」が、下関伝統のふく提灯を使って、ふくおいちゃんならではのお話をしました。子どもたちもふく提灯を実際に触って、鋭い歯や皮の棘、ヒレなどをしっかり観察することができたようです。
現役時代には、日本で一番ふくの取扱量の多い南風泊市場で、ふくのシーズン中は毎日競りに出ていたふくおいちゃんが、子どもたちに「袋競り」を伝授。袋競りをやってみたい子どもたちが大勢挙手をし、ふく提灯の値付けにチャレンジ。保護者の皆さんも興味津々に参観されていました。この授業での体験を通して、参加された子どもたちと保護者の皆さんが下関の海について考え⾃分ごととして捉えていただく機会となりました。
下関のふくを知る動画の鑑賞
私たちの活動の3年間の活動のまとめとして、また、来年度以降に下関市内の学校などの教育の場で、子どもたちに下関のふくについて知ってもらえるよう、動画を作成しました。「ふくおいちゃんの本」の制作に携わったはとさんが、人形などを手作りして作り上げました。
下関でいつふくが食べられるようになったのかなど、子どもたちが知識を広げるツールとして、一役買ってくれる内容となっています。低年齢の子どもたちでも理解できるように、面白くて親しみやすい仕上がりです。下関の子どもたち全員に見てもらうことを目標に、来年度以降も活動を続けていきます。
海の教室海感VR360°感性デザインワークショップ
海や砂浜で遊んだことはあっても、海の中を見ることはなかなかできません。そこで、VRで視覚を、下関の海水や海砂を用いて触覚や嗅覚を刺激し、子どもたちが体や脳で感じる授業を行いました。ダイバーとしてギネス記録をもち、水中生物とコミュニケーションを取りながら世界の海で水族表現家として活動する二木あい氏が魚と一緒に泳ぐシーンが、ゴーグルを通して前後左右360°VRの映像で子どもたちの目の前に広がっています。ぐんぐんとその海の世界に引き込まれていく子どもたち。海にはもちろんふくも泳いでいますが、海底にはゴミが落ちている映像も。海の中では一体どんなことが起こっているのかを、見て感じることを通してしっかり体験できたようです。
OYAKO deふくを海に泳がそう︕ワークショップ
ふくの教室やVR体験で学んで感じたことを思い出しなから、子どもたちが思い思いのフグを描きました。
「膨らむ」「鋭い歯」「トゲやヒレがある」などのフグの特徴がしっかりと捉えられており、集中して学んでいた成果が絵に現れていました。保護者は背景となる海中を大判紙に様々な素材を使って表現し、最後に子どもたちが切り抜いたフグの絵をコラージュしていきました。
下関の海やふく食文化、水産の経済にも詳しい、下関の北島 洋平副市長も創作活動に参加され、みんなで一緒につくった作品は賑やかで楽しそうな下関の海に仕上がっていました。
ふくの教室や、VR体験でインプットした情報や感じたことが、このワークショップを通してアウトプットすることができました。
サバフグフリット給⾷
海水温の上昇により、下関近郊の海に北上してきたマフグをフリットにして給食でいただきました。下関の市場で売っているマフグを実際に皆さんと食べることができました。レシピと調理は園の管理栄養士が担当し、材料となったマフグから始まり、フリットを作る材料や調理方法の説明を行いました。
下関はトラフグが有名ですが、トラフグのほかにも美味く食べられる天然フグが20種類以上あります。この給食はイベントに参加していない園の子どもたちもこの給食の時間に食べていただくことができました。子ども園の全員の給食と、保護者やイベントスタッフとゲストのフリット試食として作られたマフグフリットは、衣がふんわりとしてサクサク、身は食べやすく旨みがあり、子どもからおとなまで大満足の給食となりました。
下関の海やふくを知り、体験授業や遊びを織りまぜながら、最後に食育として題材となったふくを食べる。この一連の総合学習が私たちがこの3年間で作ってきた「ふくレボ教室」です。
2月8日(土)下関短期大学付属 第一幼稚園
下関短期大学付属 第一幼稚園の園児とその保護者や関係者、下関短期大学保育学科の1年生4名が合同で参加し、学生は幼児教育の現場を体験する教育実習を実施した。
ふくおいちゃんと下関の海とフグについて学び、VRで海の擬似体験や、学びから得た発想で親子で絵に表現するワークショップ、フグを⾷材としたクッキーをいただくことで総合的な学びの機会を提供しました。
日程
2025年2月8日(土)
開催場所
下関短期大学付属 第一幼稚園
参加人数
約25名
下関短期大学の学生4名が「下関の海とフク」を題材にした教育実習に挑戦!
この日も、ふくレボ教室の定番となっているVR360°感性デザインワークショップや海の授業などの授業を使って、将来、幼児教育の道に進んでいく保育学科の学生の皆さんによる教育実習がスタート。「下関の海とフク」について伝える楽しさや難しさと「保育の現場」を同時に体験すると共に、子どもたちの自由な発想と活発な発言によってその場で実習のフィードバッグがなされる大変貴重な時間となりました。
また保護者やご家族の皆さんにもご参加いただき、「OYAKO deふくを海に泳がそう︕ワークショップ」での作品が大変素晴らしく、予定していたよりも大きく見応えのある作品に仕上がりました。
まふくちゃんクッキー
こちらの幼稚園では、「ふくおいちゃんの本」と「まふくちゃんクッキー」をお配りしました。クッキーは下関の米粉や下関近郊の天然塩とアオサなどを原料に使い、ふわっと海の香りが広がる甘さをおさえたもの。できるだけアレルゲンを使わずに1枚1枚手作りされたものです。パッケージにはマフグや下関の海の現状が解説され、じっくり読むことができます。
この日は下関市では珍しい大雪の天気で、参加される園児とそのご家族や、学生の一部は交通の関係で参加ができなくなるなどのトラブルにも見舞われましたが、参加者全員の大きな笑顔と共に、無事にふくレボ教室を終えることができました。
参加した子ども・保護者からの声(アンケート、ヒアリングより)
子ども園・スタッフの声
知らなかった事を学ぶことができ、環境問題について考えるきっかけになった。
ふぐが北海道で一番多く獲られているという事実に驚きました。温暖化も知らない間に進んでしまっているのだな…と思い知らされました。また、上の子は、夏休みに「さよならプラスチックストロー」という本(プラスチックは小さなマイクロプラスチックという大きさになっても分解されない)を読んで読書感想文を書いたのですが、環境に関する話も今回のイベント前からしていて、自然の大切さを考える良い機会をいただけたと思っております。本当にありがとうございました。
イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています
参加人数:85人