「下関の海を知る・感じる・食べるふくレボ教室 in 長府中学校」 を開催しました!
Minatodeフォーラムは、下関を代表する魚「フグ」を題材に、下関の海で起こっている変化と現状を「知る」「触れる」「食べる」という感性を刺激しながら、今の海を感じて考え、100年後の下関の海に想いを繋ぐことを目的として、2025年2月7日(金)下関市立長府中学校にて、生徒向け向けイベント「下関の海を知る・感じる・食べるふくレボ教室」を開催いたしました。
2025.03.10
Minatodeフォーラムは、下関を代表する魚「フグ」を題材に、下関の海で起こっている変化と現状を「知る」「触れる」「食べる」という感性を刺激しながら、今の海を感じて考え、100年後の下関の海に想いを繋ぐことを目的として、2025年2月7日(金)に、下関市立長府中学校(波多野敏郎 校長)にて、生徒向け向けイベント「下関の海を知る・感じる・食べるふくレボ教室」を開催いたしました。
このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。
※下関ではふぐは、福を呼ぶ縁起の良い魚として「ふく」と呼ばれています。
開催概要
下関市が毎年行う「ふくの日」の「ふく鍋給食」とコラボレーションし、知る、学ぶ、触る、作る、食べる、という感性の部分で子どもたちの記憶に残る「海の授業」を行いました。
下関ふく連盟元会長の「ふくおいちゃん」こと松村久さんを講師に迎え、ふくの生態や美味しさ、下関の食文化について触れ、VRで海の擬似体験をし、最後に給食をいただきました。この日は下関市前田市長も来賓され、生徒たちと一緒に授業や給食に参加。楽しみながらハッピーな魚・ふくと海について考えた1日となりました。
※下関ではふぐは、福を呼ぶ縁起の良い魚として「ふく」と呼ばれています。
日程
2025年2月7日(金)
開催場所
下関市立 長府中学校(山口県下関市)
参加人数
約160名(一部校内オンライン授業)
ふくおいちゃんのふくと海の話(講師・松村久⽒)
下関では語呂に合わせた2月9日が「ふくの日」ですが、9日が日曜日のため、7日にイベントを実施しました。この日は関係者やメディアの取材も入り、少し緊張気味の生徒のみなさん。
「こんにちはー!」と元気な挨拶と共に教室に現れた「ふくおいちゃん」こと、下関ふく連盟元会長の松村久さん。長期に渡り下関でふくの仲買人としても活躍してきた、ふくのプロフェッショナルです。元気なふくおいちゃんに圧倒されるも、子どもたちも元気と笑いで緊張がほぐれます。
自己紹介の後、スライドなどを使ってふくおいちゃんの授業が始まりました。海水温の上昇により下関近郊の海にいたふくが北上し、南方から様々な種類のふくがやって来ていることを学び、ふくの特徴、水産、経済、下関の食文化、観光を担っているふくと下関の関わりについて考えました。途中、質問や発表をしたい生徒の挙手が止まらずとても盛り上がっていました。
ふく刺しの登場?
なんとこの日、おいちゃんが誰にも内緒で「ふく刺し」を持って来ていたではありませんか!これには誰もが驚いていましたが、誰もふくおいちゃんを止めることはできません!この授業を受ける生徒の中に、県外からの転入生がいることを聞きつけたおいちゃんが、「ぜひ、ふく刺しのおいしさを教えちゃろう!」と、こっそり準備していたということです。「ふく刺しを食べたい人!」当然全員の手が挙がります。順番に刺身を食べて「美味しい!」の声。おいちゃんは満足そうな笑みを浮かべていたのでした。
海感VR360°感性デザインワークショップ(講師・柳川舞)
リズムよく授業は進みます。長府中学校は城下町があったところで、歴史を感じる街として観光客も多く訪れる場所ですが、海も比較的近く、生徒の皆さんは海には親しんでいます。ただし、いつも海に遊びにいくわけではなく「海がいつも近くにある」というイメージを持っている様子でした。この日はVRゴーグルを使って下関の北浦の海の様子をバーチャル体験。海の中の映像にはもちろん「ふく」の姿も。
ダイバーとしてギネス記録をもち、水中生物とコミュニケーションを取りながら世界の海で水族表現家として活動する二木あいさんが魚と一緒に泳ぐシーンの映像が、前後左右360°VRでゴーグルを通して子どもたちの目の前に広がります。魚を見るだけではなく、海底にごみが落ちていることを知り、また、二木あいさんのナレーションに真剣に聞き入っている様子が伺えました。
下関のふくを知る動画の鑑賞
私たちの活動の3年間の活動のまとめとして、また、来年度以降に下関市内の学校などの教育の場で、子どもたちに下関のふくについて知ってもらえるよう、動画を作成しました。「ふくおいちゃんの本」の制作に携わった、広島県大竹市を拠点に絵画、イラスト、ぬいぐるみ、コマ撮りアニメーション、舞台美術などを幅広く制作している「はと」さんが、人形などを手作りして作り上げました。この日は、はとさんが動画に登場したふくのキャラクターと長府中学校に駆けつけ、動画制作について話をしてくれました。
この動画は、下関でいつふくが食べられるようになったのかなど、子どもたちが知識を広げるツールとして、一役買ってくれる内容となっています。面白くて親しみやすい仕上がりになっており、下関の子どもたち全員に見てもらうことを目標に、来年度以降も活動を続けていきたいと考えています。
まふくちゃんクッキーと、ふくおいちゃんの本の贈呈
生徒の皆さんにはこの日の参加賞として、下関近海の塩、下関で採れたアオサ、マフグの粉、下関の米粉を配合したオリジナルのクッキーをお配りしました。改良に改良を重ね、甘すぎず、素材の旨みが詰まった優しいお味のクッキーは、小麦や卵アレルギーのお子さんにも食べていただけるように意識して、一枚一枚、全て手作業で大切に作られています。
また、ふくのことを教えてくれる「ふくおいちゃん」の本(表紙裏表紙を合わせて20ページ)を制作し、この活動の中で授業に参加してくれた子どもたちに配布しています。絵と文を制作したのは、動画を作ってくれたはとさんです。この本の制作にあたっては、何度も下関を訪れ、ふくおいちゃんへの取材をはじめ、河豚食文化や歴史についてリサーチを行って仕上げていただきました。この本では、かわいらしくもカラフルで力強く描かれた絵に、ふくおいちゃんと小学生の会話形式でお話しが書かれています。
ふくの日「ふく鍋」給食
毎年、下関市が2月9日の「ふくの日」に、市内の小中学校などで提供している「ふく給食」。給食のメインの献立のふく鍋には、毎年、天然フグである「マフグ」が使われています。「マフグ」はフグの女王と呼ばれており、トラフグの次に美味しいとされています。下関市の前田市長や、この日関わったスタッフや来賓の方々も、児童の皆さんと一緒に給食をいただき、楽しい時間を過ごすことができました。海やふくのことを知り、川柳を創作し、実際に給食でふくをいただくことで総合的な学びとなると同時に、児童のみなさんの記憶に残る授業になったのではないでしょうか。
なお、今年の「ふく給食」は市内の小中学校などで提供されました。
Minatodeフォーラムでは、これからも下関市の教育の現場と連携し、海の大切さを自分ごとをして捉えていただけるように、海の恵みや現状・課題についてお伝えし、下関の子どもたちに学びの機会を提供できるような活動を続けて参ります。
関係者からの声(アンケートより)
・ふくの豆知識などを学ぶ生徒の姿が楽しそうでした。とても良い体験ができたと思う。
・元々海のことは大切に思っていたが、授業で体験できる内容がとても良かったと思う。
イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています
参加人数:160人