フクを通して海洋環境を学ぼう!『ふくレボ教室 in 下関市⽴桜⼭小学校・吉田小学校』を開催しました!
一般社団法人Minatodeフォーラムは、山口県下関市立桜山小学校・吉田小学校児童の皆さんに、「海と下関とフク」について普段聞く機会のない「ふくレボ教室」を開催。「ふくレボ教室」は下関市内の幼児教育施設・小中高・大学と連携し、子ども達や若い世代に、下関の海の課題や海からの恩恵を受けている食文化について知ってもらい、体験し、自分ごととして捉え各々がアクションを起こしていけるような取り組みを2022年から続けています。
2024.07.12
一般社団法人Minatodeフォーラム(海のごちそう地域モデルin下関)は、下関市立桜山小学校・吉田小学校(山口県下関市)の児童の皆さんに、「海と下関とフク」について普段聞く機会のない「ふくレボ教室」を開催しました。「ふくレボ教室」は下関市内の幼児教育施設・小中高・大学と連携し、子ども達や若い世代に、下関の海の課題や海からの恩恵を受けている食文化について知ってもらい、体験し、自分ごととして捉え各々がアクションを起こしていけるような取り組みを2022年から続けています。
このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。
開催概要
知る、学ぶ、触る、作る、食べる、という感性の部分で子どもたちの記憶に残る「海の授業」を行いました。下関ふく連盟元会長の「ふくおいちゃん」こと松村久さんを講師に迎え、ふくの生態や美味しさ、下関の食文化について触れ、VRで海の擬似体験をし、この日の学びをそれぞれの作品にまとめました。
桜山小学校には下関市北島副市長も来賓され、児童たちと一緒に授業に参加、ご挨拶もいただきました。楽しみながらハッピーな魚・ふくと海について考えた1日となりました。
※下関ではふぐは、福を呼ぶ縁起の良い魚として「ふく」と呼ばれています。
下関市立桜山小学校
日程
2024年7月3日(水)
開催場所
下関市立桜山小学校 5年生
参加人数
34名
下関市立吉田小学校
日程
2024年7月4日(木)
開催場所
下関市立吉田小学校 3・4年生
参加人数
23名
オリエンテーション
はじめに、運営チームからの挨拶と自己紹介。授業の流れを児童のみなさんに説明しました。その中で、下関の海が一体どんな問題を抱えているのか、下関の名物である「ふく」や魚たちが北上していることなど、スライドを使って説明。子ども達はメモをとりながら集中して聞き入っていました。
ふくおいちゃんのふくと海の話(講師・松村久⽒)
「ふくおいちゃーん!」と子ども達が呼び、「はーい!」と元気な挨拶と共に教室に現れた「ふくおいちゃん」こと、下関ふく連盟元会長の松村久さん。長期に渡り下関でふくの仲買人としても活躍してきた、ふくのプロフェッショナルです。海の授業の名物おいちゃんとして定着してきました。
笑いがいっぱいの自己紹介の後、スライドを使ってふくおいちゃんの授業が始まりました。海水温の上昇により下関近郊の海にいたふくが北上し、南方から様々な種類のふくがやって来ていることを学び、ふくの特徴、水産、経済、下関の食文化、観光を担っているふくと下関の関わりについて考えました。ふくおいちゃんの授業はとても楽しく、毎回とても盛り上がります。児童のみなさんが笑顔で楽しみながら、ふくや下関の海について学べ、思い出に残る学びの時間です。
ふくおいちゃんとの質問タイム:桜山小学校
児童のみなさん全員が事前にたくさんの質問を考えてきてくれていました。活発に質問や知りたいことが発表され、おいちゃんがそれに答えます。印象に残ったのは「市場で行われている袋競りは、手が見えないのにどうやって競りの値段を決めているんですか?」という質問。即興でおいちゃんから袋競りの秘密を教えてもらい児童のみんなも挑戦してみました。その後もみんなの挙手が止まりません。たくさんの質問が飛び交う間に時間が過ぎてしまいましたが、とても楽しいおいちゃんの授業でした。
ふくおいちゃんとの質問タイム:吉田小学校
海に面していない山側にある吉田小学校。14名の吉田小学校も負けていません。海やふくのことを知りたくて、元気にみんなの手が挙がります。ふぐを知らない児童もいましたが、本物のふぐから作った「ふぐ提灯」を全員の児童が手にとり、触感や大きさ、歯の鋭さやヒレや模様を観察。おいちゃんに話を聞いて、ふくについての知識が備わりました。
ふくおいちゃん(絵と文・はと)
Minatodeフォーラムでは、ふくのことを教えてくれる「ふくおいちゃん」の本(表紙裏表紙を合わせて20ページ)を児童のみなさんにお配りしました。絵と文を制作したのは、広島県大竹市を拠点に絵画、イラスト、ぬいぐるみ、コマ撮りアニメーション、舞台美術などを幅広く制作している「はと」さん。
この本の制作にあたっては、何度も下関を訪れ、ふくおいちゃんへの取材をはじめ、河豚食文化や歴史についてリサーチを行って仕上げていただきました。この本では、かわいらしくもカラフルで力強く描かれた絵に、ふくおいちゃんと小学生の会話形式でお話が書かれています。
みんな、ふくおいちゃんから本をもらって嬉しそうに読んでくれたのが印象的でした。この本は本年度、約400人の子ども達を対象に行う海の授業で配布していく予定です。一冊ずつお配りしてお家に持って帰って、ご家族でふくのことを知っていただける機会や会話が生まれる、そんなハッピーな本をイメージしています。
海感VR360°感性デザインワークショップ(講師・柳川舞)
海にわりと近い位置にある桜山小学校ですが、下関市の中心部に位置するため、あまり海水浴に行ったりする機会は無いようでした。吉田小学校は海から遠く、山側にある昔から米どころであった歴史のある小学校です。2つの小学校の児童たちは、当然、下関の海の深いところを見たことや潜ったことはありません。
下関の海水に足を浸けて真水とは異なる触覚や嗅覚を刺激しながら、VRゴーグルを使って下関の北浦の海の様子をバーチャル体験。海の中の映像にはもちろんふくの姿もありました。
ダイバーとしてギネス記録をもち、水中生物とコミュニケーションを取りながら世界の海で水族表現家として活動する二木あいさんが魚と一緒に泳ぐシーンの映像が、前後左右360°VRでゴーグルを通して子どもたちの目の前に広がります。
「ごみを捨てたのは誰かー!」子ども達の子声が上がっていました。海の環境について知らなかったことを知り、海を綺麗にしなければならないと感じてくれたようです。
海を⼤切にするふくと食育のポスターづくり:桜山小学校
この日の海の授業のまとめとして、桜山小学校では「海とふく」と、農林水産省の食育ピクトグラム「9・産地を応援しよう」を題材にしました。地域でとれた農林水産物や被災地食品等を消費することで、食を支える農林水産業や地域経済の活性化、環境負荷の低減につなげることを考慮したポスターです。難しいテーマですが、どんどんポスターを描いていく集中力に脱帽です。
この日の作品は、下関ふくレボリューションのホームページ(https://fuku-revolution.com/)にも掲載予定です(時期未定)。
自分のオリジナルの「せきまる」を描こう!:吉田小学校
吉田小学校では、下関市の公式キャラクター「せきまる」をモチーフに、みんなが育てている地域食材である「吉田なす」を組み合わせてオリジナルのせきまるを描きました。「せきまる」は下関で大活躍しているふくのキャラクターです。ふくおいちゃんの本を見ながら、ふくの絵を描いたり、自分が描いたせきまるに模様をつけていくなどのとても楽しい創作活動ができました。
この日の作品は、下関ふくレボリューションのホームページ(https://fuku-revolution.com/)にも掲載予定です(時期未定)。
まふくちゃんクッキーの贈呈
それぞれ児童のみなさんには参加賞として、下関近海の塩、下関で採れたアオサ、マフグの粉、下関の米粉を配合したオリジナルのクッキーをお配りしました。改良に改良を重ね、甘すぎず、素材と海の旨みが詰まった優しいお味のクッキーは、小麦や卵アレルギーのお子さんにも食べていただけるように意識して、一枚一枚、全て手作業で大切に作られています。またパッケージは読み物になっており、自分たちが住む下関の海の課題や、天然フクの現状、下関の海の恵みについて、クッキーを食べながら知ることができる工夫を凝らしました。こちらのクッキーは本年度の海の授業に参加してくれる子ども達にお配りする予定です。
参加した学校関係者からの声(アンケートより)
「子ども達の質問に分かりやすく応えていただき、また、深まる内容でとてもありがたかったです。海の素晴らしさを伝えていく想いが深まりました。」
「環境と、魚に関わる様々な方々の思いが伝わりました。」
イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています
参加人数:57人