日本遺産の港と海をつなぐ海洋教育ネットワーク事業 in 岡山 〜海と日本PROJECT〜
全国16エリアの小学校の海洋教育授業で、「海がもたらした観光資源」「海が育んだ食」「海の知恵・技術」についての学びを促します。そして、海と生きる国としての誇りと海を尊ぶ意識を醸成し、地域に向けて発信してもらいます。
2019.12.25
岡山県では、倉敷市で3回にわたりワークショップや講習会を行い、玉島と海の歴史について学びました。
岡山県では倉敷市玉島の港の昔と今を比較することで、玉島の産業や文化が海と密接に関わりながら、形を変えて発展していることを知り、人々の生活において海は欠かせないことを学びます。そして、玉島の発展と北前船の関わりについてもとらえ直します。
日程
2019年6月25日(火) ワークショップ
2019年7月05日(金) 講習会
2019年7月18日(木) まとめ・発表
開催場所
玉島市民交流センター、円通寺、西爽亭
参加人数
71人(倉敷市立玉島小学校 6年生 2クラス)
主催
海と日本プロジェクトin岡山実行委員会
共催
倉敷市、倉敷市立玉島小学校
6月25日(火) ワークショップ
生徒たちはワークショップを行うにあたり、事前の授業で調べる項目などを考えてきました。当日は生徒を3グループに分け、それぞれ玉島市民交流センター、円通寺、西爽寺の3か所でワークショップを行いました。
講師たちから、玉島市民交流センターでは北前船について、円通寺では茶の文化について、西爽寺では柚木家の歴史を中心に説明を受けました。
普段行く機会の少ない場所で行われた地元の歴史的な説明に、生徒たちは、熱心にメモを取るなど積極的に活動に取り組んでいました。
7月5日(金) 講習会
2回目は、倉敷市日本遺産推進室の藤原憲芳氏を講師に招き、北前船を中心とした玉島と海の歴史について学びました。動画を元に講習を行い、生徒たちは手元のプリントに学習したことや感想を記入しました。
玉島でお茶・和菓子文化が根付いた歴史的背景について学ぶときには、生徒一人ずつに地元玉島の和菓子店の和菓子がふるまわれ、生徒たちは講習はもちろん、和菓子の提供に大変盛り上がり、北前船で発展した文化を体験しました。
7月18日(木) まとめ・発表
6月のワークショップ、7月の玉島と海の歴史に関する講習会で学んだことを生徒各自がA3サイズの新聞にまとめました。この新聞をもとにグループ内で一人ずつ発表を行い、意見交換を行いました。
ワークショップが3か所で行われたこともあり、生徒によってそれぞれ思い入れのある部分は違うようでしたが、皆、玉島と海の歴史について十分に学習でき、これからも生まれ育った玉島を大切にしていこうという気持ちが伝わってきました。
最後は全員で記念撮影を行い、終了。発表が終わったあとは大崎校長先生、講師の倉敷市日本遺産推進室の藤原憲芳氏のインタビューも行われました。
参加者の声
・地元の海が私たちの暮らしにもたらしたもの
昔から交易によって繊維業が発展していたため、今では「繊維のまち」とまで呼ばれています。景色はもちろん、食や生活においても、なくてはならないモノだと感じました。
・日本遺産に認定された地元の海の恩恵など
茶、絵画、書、漢詩などの流行りものがいちはやく取り入られてきました。中でも茶に関しては茶室の建設もあったため、歴史的な背景が今でも残っています。
日頃から慣れ親しんできた海でしたが、今回の学習を通じて、より一層、価値のあるものだと思いました。
・海と関連した学んだ内容など
自分たちの住む地域が元々は海だったということを学びました。また、一度の航海で多大な金額を得る北前船が泊まる地域だったため、お茶や繊維商品が発展につながったこと知りました。
・学習テーマについての新しい発見など
海のこと以外に良寛という、有名な和尚の存在を知りました。「人生を生きることが修行」だという良寛和尚の人生訓については、考えさせられるものがありました。
イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています
参加人数:71人