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ヨコハマ海洋市民大学2025年度講座第7回「運河から引き出す港町横浜の未来」を開催しました!

ヨコハマ海洋市民大学実行委員会は、令和7年12月4日(木)に横浜の海が抱える社会課題の解決に挑戦する市民を養成する、ヨコハマ海洋市民大学2025年度第7回講座「運河から引き出す港町横浜の未来」を開催いたしました。このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。

2026.03.03

ヨコハマ海洋市民大学2025年度講座第7回「運河から引き出す港町横浜の未来」を開催しました!

イベント概要

・ヨコハマ海洋市民大学実行委員会は「横浜の海が抱える社会課題を自ら考え、解決できる市民(海族・うみぞく)」を育成するヨコハマ海洋市民大学2025年度講座の第7回目を開催した(年10回開催)。
・開催日時:令和7年12月4日(木)19:30~
・開催場所:ピア象の鼻、ロサ・アルバ船内(横浜市中区)
・参加人数:47名(会場受講生31、オンライン受講生5、講師1、ゲスト・スタッフ3、実行委員7)
・共催:海と日本プロジェクト
・後援:横浜市・海洋都市横浜うみ協議会

講師紹介と活動概要

今回の講座はNPO法人HamaBridge濱橋会(以下濱橋会)副理事長の角野渉さんにご登壇いただきました。濱橋会は関内・関外エリアを流れる大岡川水系を中心に活動する会です。普段は建築設計事務所を営み、住宅や商業施設を手掛ける建築家です。そして大学では古い建物を新しい用途に転換する「コンバージョン建築」を研究し、都市の過去と未来をつなぐ視点を持ち活動をされています。
濱橋会のHPはこちらから https://hamabridge.or.jp/

講師 角野さん

当日配布された運河の資料

はじめに

私たちは仕事や自分自身や親と言う立場など様々な人格をもって生活しています。そのうえで街づくりを考えると自分自身が「職業や肩書きに関係なく、誰もが市民(シチズン)として社会を構成する主体なのだ」と理解することがとても重要だ、講師はそう強調します。まちづくりは行政や専門家だけのものではなく、市民が本気で動くことで初めて変わるのだと。講師は博士課程の学生時代、東日本大震被災地・石巻市牡鹿半島で復興支援に関わりました。瓦礫に覆われた集落で住民と向き合い、復興計画を共に考える日々。そこで突きつけられたのは、震災だけではない課題――人口減少や高齢化という現実でした。「多額の投資しても20年後には人がいなくなるかもしれない」。その問いは生まれ育った横浜にも通じるものでした。だからこそ講師は決意します。「人の町を助けるだけでなく、自分の町も変えていこう」と。

町を変えていく市民(シチズン)と言う人格

震災復興の取組から地元へ

地元での活動はじまり

活動を始めた10年前、生まれ育った地元大和町やJR根岸線山手駅前の商店街はシャッターを下ろし人影もまばらでした。そこで地元商店会長にさまざまな提案をし活動を始めました。公園のないエリアだったので駐車場をイベント会場に変え、さらに子どもがいないと言われていた町を可視化するためにハロウィンのイベントを開催してみたところ、なんと200人以上の子どもたちが集まりました。隠れていた街の力が表面化し「やればできる」という手応えが生まれます。地元焼き鳥屋の常連を介して紹介されたのが「濱橋会」。商店街同士が助け合う若手主体のネットワークです。飲み会で夢を語り合い、「飲むだけでは変わらない」と運河を舞台にした行動へ発展しました。仲間と共に夢を語り、行動に移す楽しさが広がっていきます。

ともに夢を語る仲間たち

活動は「よこはま運河チャレンジ」へと発展

運河を活用し町を活性化する

2012年、大岡川と中村川で船を連ねる「横浜運河パレード」が始まりました。川に関心を持ってもらうためのシンプルな企画は、年を重ねるごとに大きな祭りへと成長。船団パレード、水上ヨガ、食の市、ドローン撮影、屋外上映会――まるで文化祭のように多彩な企画が水辺を舞台に繰り広げられました。その後パレードはやがて「運河チャレンジ」へと発展します。

・動力船船や手漕ぎ船(SUPやカヌー、カヤック)による「集まってみる」
・水上交通や水上ヨガを試す「乗ってみる」
・地域や都市外とつながる「つながってみる」
・仮設桟橋や音楽ステージを作る「作ってみる」
・ドローン撮影や屋外上映会を楽しむ「見てみる」
・大岡川の水質調査、分析のワークショップや水中写真展などの「知ってみる」
これらが、まるで文化祭のように1日のイベントに多様な企画として詰め込まれ、参加者は水辺の可能性を体感しました。

よこはま運河チャレンジパンフレット

陸上の事業者が水上へと拡張する可能性

運河チャレンジは大岡川だけではなく石川町駅前や蒔田公園、三吉橋商店街など複数会場でも同時開催されました。いくつもの町が運河でつながる仕組みを実現し、地元の商店が食の市を展開します。川沿いにカウンターを設置して水辺を感じながら食事を楽しむ空間も生まれました。動力船と手こぎ船が共存する横浜の運河は、信頼関係に支えられた貴重な財産。水上バイクも加わり、多様な船舶が一堂に会する姿は横浜ならではのオリジナリティを示しました。ここで講師は「動力船や人力船、水上バイクまでが共存している運河は日本国内でも稀有な存在です」とあらためて語りました。
さらに船上ウェディングなど、陸上の事業者が水上へと事業を拡張する可能性なども検証されました。

様々な船が共存する運河

水辺を感じながら食事を楽しむ空間

行政連携とその進め方

「桟橋は県の専権事項」と言われ予算のこともあり、なかなか話が進みません。でもそんなノンビリ待っていられない。そこで民間が仮設桟橋を作り実証実験を重ねる提案をし、実施してきました。県として事業を実施していなくても成果が民間から上がってくる、そんな状況と成果を共有することで県を動かすことができ、なんと石川町に本設桟橋が整備されることに。民間の先行事例が行政を動かす呼び水となりました。さらには地元企業の船会社による人の輸送実験やキリンビール工場から船でビールを運ぶ物資輸送実験、そして消防局や病院と連携した防災訓練なども実施して来ました。水上交通は日常の楽しみだけでなく、防災インフラとしても大きな可能性を秘めています。陸上では遠く思える地域が水上交通になると近くなるということもこれらの実験で分かってきました。

単管による仮設桟橋を設置(実証実験)

地元船会社の協力を得ての輸送実験

都心部再構築構想と広域経済圏

石川町駅前に千葉・富津の人々が船で特産品を持ち込んだ場面は、東京を介さず横浜と千葉が直接つながる象徴的な瞬間でした。これまでの交通機関の発展は横浜駅へ、そして東京へ向かう人の流れを意識していました。そして川崎は東京に向かう工業都市として発展し、さらには羽田空港に隣接した利点を活かし、さらなる発展をめざしています。しかし講師は「これは私の妄想だけれど、横浜はその道を選ばず水辺のネットワークを活かした独自の経済圏を築いてはどうだろうか?」と語ります。また関内を中心として、周辺の戸部地区、関外地区、本牧地区などからの人の動きがこれからの横浜に大切ではないかと語りました。東京湾越しにかつて定期航路のあった富津をみるとお互いの地形が手を伸ばしているようにも見える!と会場の笑いをさそいます。講師の頭の中では東京依存から脱却した、横浜ならではの未来が見えているようです。

仮設桟橋に到着する富津の「はばのり」

横浜ならではのエリア内回遊性向上を

河の環境調査

そもそも目の前を流れている大岡川の現状はどうなっているのか?かつてはヘドロ、メタンガスに影響された汚い川であったし、その原因が根拠もなくあれこれと言われているような状態で、きちんと調査されたデータがありませんでした。そして源流域から河口域までが横浜市内に収まるということは横浜市内の行動でどうにか改善できるのでは?という想いから、講師は運河勉強会を開催することにしました。専門家を招いてシンポジウムを開催し、地元企業の協力を得て水質調査を定期的に実施しています。この調査では大岡川水系の水質は良好・ヘドロの主成分は東京湾のプランクトン死骸由来・局所的な環境改善の可能性がある、などを確認しています。専門家からの知見を得てエスチュアリー循環について知り、さらには横浜港内の貧酸素水塊の存在を知り今後の調査についても計画を立てています(ヨコハマ海洋市民大学も一緒にやりましょうとお誘いを受けました)今後も魚礁設置などの生態系支援(竹ぼうきを沈めて環境改善)など続けていくとの事でした。
※参考 エスチュアリー循環について(国土技術政策総合研究所HPより)
https://www.nilim.go.jp/lab/bcg/siryou/kpr/prn0028pdf/kp002818.pdf

 

最後に

講師はこれまで注目されてこなかった「運河」利活用の可能性を、これまでの活動から多岐にわたり追及しています。そして「いち市民として」都市にどこまで関与できるのか、運河を生かした未来の港町横浜は?など、いくつもの課題と目標を掲げ講座を修了しました。

参加者の声

・数人の市民が本気になれば地元の町は変えられるという声に勇気づけられた
・大学生の参加者がいて将来に期待が持てた
・運河で地元の各商店街を繋ぐ取り組みは魅力的だった

<団体概要>

団体名称:ヨコハマ海洋市民大学実行委員会
URL:https://yokohamakaiyouniv.wixsite.com/kaiyo/
活動内容:横浜市民が横浜の海が抱える社会課題を自ら考え解決に向けて行動できる海族(うみぞく)になるための養成講座を年10回(コロナ禍以前は年20回)開催している。座学だけではなく実際に海や海を学べる野外講座も開催している。


日本財団「海と日本プロジェクト」
さまざまなかたちで日本人の暮らしを支え、時に心の安らぎやワクワク、ひらめきを与えてくれる海。そんな海で進行している環境の悪化などの現状を、子どもたちをはじめ全国の人が「自分ごと」としてとらえ、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、オールジャパンで推進するプロジェクトです。
https://uminohi.jp/

参加人数:47人