サンゴ礁サイエンスキャンプ in 喜界島 2018~海と日本プロジェクト~
2018.09.13
サンゴ礁サイエンスキャンプ in 喜界島 2018は、日本財団が推進する「海と日本プロジェクト」のサポートプログラムです。世界的にも希少で学術価値の高い隆起サンゴ礁の島「喜界島」を舞台とし、小学3年生から高校3年生までの児童・生徒を対象とした科学・環境教育プログラムを実施しました。
近年の地球温暖化及び海洋酸性化は海洋生態系を脅かすことが懸念されています。サンゴ礁は海洋で最も生物多様性の高い海域で、日本沿岸は世界のサンゴ礁の北限を有する希少な海域でもあります。本事業は、将来を担う子どもたちのサンゴ礁及び海洋生態系への関心を高め、自ら海洋環境を考え行動する力を育む海洋環境教育です。
日程
8月4日(土)〜8月15日(水)
開催場所
喜界島全域、喜界島サンゴ礁科学研究所
参加人数
42名(ジュニアコース小・中学生36名、アドバンスドコース高校生6名
主催
特定非営利活動法人 喜界島サンゴ礁科学研究所
サンゴ礁研究の第一線で活躍する研究者が、喜界島キャンプの講師に!
全国から集まった小学生28名、中学生8名、高校生6名の計42名がサンゴ礁の環境や海洋生態系を学ぶ研究調査を行いました。
国内/海外の大学・研究機関(北海道大学・九州大学・東京大学・中央大学・熊本大学・金沢学院大学・鹿児島大学・国立環境研究所・Hawai’i Pacific University)・喜界島サンゴ礁科学研究所に所属するサンゴ礁研究の第一線で活躍する研究者13名が各チームの講師となり、さらに大学生及び大学院生が研究活動のサポートを行いました。
喜界島でサンゴ礁研究活動を実施
ジュニアコースでは、小学生〜高校生がサンゴ礁地球環境学、サンゴ礁地質学、サンゴ礁生物学(魚類)、サンゴ礁生物学(無脊椎動物)、サンゴ礁化学、サンゴ礁生態学、の6分野のテーマごとに研究チームに分かれて研究活動を行ないました。研究活動は、喜界島周辺海域での海洋調査や喜界島内の陸上調査にて採取した試料を用いて、研究所内の大型水槽設備や実験器具(顕微鏡等)を利用して実施しました。
また、参加者全員が海洋実習に取り組み、喜界島の豊かなサンゴ礁を自ら泳いで学び、サンゴ礁研究に必要なシュノーケル技術を習得しました。
さらに、各チームで研究ポスターを作成し、イベント期間中に開催した「喜界島こどもサンゴ礁シンポジウム」にて研究成果を発表しました。今後、研究成果ポスターは年内開催予定の日本サンゴ礁学会にて発表する予定です。
喜界島サンゴ礁研究の成果を学会形式で発表!
アドバンスドコースでは、全国から集まった高校生6名がより高度な実験やフィールド調査などを行い研究活動に取り組みました(11泊12日)。
研究テーマは参加者それぞれの興味関心や目的に合わせて設定し、講師によるサポートのもと実施されました。例えば、喜界島周辺海域で複数のサンゴ種を採取して飼育環境下で実験を行なったり、海水試料を採取して水質分析を行ったりなど、普段の学校生活は使うことができないような分析機器や大型水槽設備などを利用して、研究所ならではの研究実習となりました。研究成果発表会では、それぞれの研究内容を学会発表形式で発表し、研究者と議論を深めました。今後、研究成果は年内開催予定の日本サンゴ礁学会にて参加者自ら発表したり、学術誌に投稿したりする予定です。
参加者の声
・普段友達と遊びに海へいくときは浅瀬ばかりですが、今回のキャンプでは海洋調査で深場まで連れて行ってもらい、見たことのない景色を見ることができました。
・1回目に参加した時に比べて、海のなかで見つけられるサンゴの種の数が増えたと思いました。
・島内・島外のたくさんの友達と交流することができました。
・来年はサンゴのX線写真を撮影したりまだ調べたことがないことを研究したいです。
・海の生き物が好きで、より詳しく知ることができたらという思いで参加しました。今回のプログラムでは、自分の興味をより深めることができ、研究方法を学ぶことができました。
・海洋実習ではとても透明度が高いことに驚きました。
・サンゴの生息環境やサンゴ礁がつくる生態系を自分の目で確かめることができました。
・海の生物の生存戦略を調べる研究はとても勉強になりました。
配布資料
・研究のしおり
・サンゴ礁サイエンスキャンプポスター
・サンゴ礁サイエンスウィークポスター
メディア掲出
・KTS鹿児島テレビ放送
・南海日日新聞
・奄美新聞
・広報きかい(予定)
<研究のしおり(表紙)>
イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています