陸に上がった北大練習船うしお丸を観察する~海と日本プロジェクト~
2018.08.30
陸に上がった北大練習船うしお丸を観察するは、日本財団が推進する「海と日本プロジェクト」のサポートプログラムです。北海道大学水産学部附属練習船「うしお丸」のドック作業や、水中ドローン操作を体験しました。
普段は目にすることのできない、船の海面下の構造を見てもらい、その構造や役割を学ぶことによって、次世代を担う若者に「海」への興味や関心を高めてもらうことを目的としています。
日程
8月10日(金)10:00~12:00、13:00~15:00
開催場所
函館市国際水産・海洋総合研究センターおよび北海道大学水産学部附属練習船「うしお丸」
参加人数
37名(保護者8名を含む)
主催
北海道大学大学院水産科学研究院
北海道大学水産学部の練習船「うしお丸」について学ぶ
海の宝をめぐる学びと体験 マリン・ラーニング」プロジェクトでは、函館圏の高校・中学・小学高学年生を対象に、「陸に上がった北大練習船うしお丸を観察する〜海と日本PROJECT〜」を函館市海洋総合研究センターおよび、その前岸壁に停泊中の「北海道大学水産学部附属練習船うしお丸」において実施しました。
プロジェクトでは、午前・午後を併せて40名近い参加者が集まりました。函館市内はもちろん、近隣の北斗市、七飯町、鹿部町などからも参加していただきました。
まず海洋センターに集まって頂いた参加者を、参加者リストを確認しながら受け付けて、実施前アンケートを行いました。その後、センターのホールに集まって頂き、大西広二助教から、本イベントの趣旨説明や目的を紹介し、6月22日に撮影したうしお丸の上架作業の様子のビデオを上映しました。
北海道大学水産学部の練習船「うしお丸」のドッグ作業とは?
続いて、ドック作業前と作業後(7月10日撮影)の違いを見せて、車の「車検」に当たる船の入渠作業についての紹介を行いました。その後、ドック作業で現れた海面下の特徴的な構造について説明し、簡単な実験などを通じて理解を促しました。最後に、冬季大西洋水が最大密度を示すことを足掛かりに、海洋大循環の出発点となることを紹介し、地球をめぐる海洋への関心を高めました。
<実験内容>
・ビルジ・キール
水槽にキールの有無が異なる2杯の模型船を浮かべて、横揺れ(ローリング)減衰の違いを確かめてもらいました。電蝕亜鉛に関しては、真っ新の電蝕板と腐食した電蝕板を見てもらい、その効果と重要性を認識してもらいました。
・喫水線
ゲージの見方と季節や海域によって異なる満載喫水線を紹介し、淡水・海水による浮力の違いを実際の海水塩分値に近い海水と淡水の水槽を用意して、浮力調整した浮(うき)を浮かべて実験を行いました。
水中ドローン体験と、北海道大学水産学部の「うしお丸」を見学
参加者を2班に分け、1班はエントランスホール横の大水槽に展開した水中ドローン(水中カメラロボット)を、コントローラーを用いて操作し、水槽に隠れた魚を探したり、水槽内から自分たちを撮影したりして、水中のドローンの動きを観察・体験してもらいました。操作をマスターした参加者たちからは、「将来、リュウグウノツカイを観察してみたい!」「誰も知らない、深海生物を発見したい!」などの声も聞かれ、子どもたちの新しい技術への順応力の早さと海への関心の高まりに期待が寄せられました。
残る1班は、「うしお丸」亀井佳彦(かめい・よしひこ)船長と飯田高大(いいだ・たかひろ)二等航海士の案内で、うしお丸の船内・船外の見学を行いました。船外からは、レクチャーで紹介された船体マークや喫水ゲージを確認しました。船内の船橋区画では操舵機・エンジンコントロール機器・レーダー機器などの説明が行われました。実際に舵を握ってもらい、舵輪を切る感覚から舵角が変わるタイミングのずれなどを体験し、操船の難しさなども実感できたようでした。デッキや観測機器室では、海洋観測に使われる機器類やイカ釣りロボットの紹介、ソナー画像の表示なども行われ、興味は尽きない様子でした。
ドローン操作の班とうしお丸の見学班を入れ替えて実施しました。
メディア掲出
7/31 函館新聞
8/07 北海道新聞
8/11 函館新聞
8/11 北海道新聞
<チラシ>
イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています