海って結構面白い 海の写真展とワークショップ~海と日本プロジェクト~
2018.09.13
海って結構面白い 海の写真展とワークショップは、日本財団が推進する「海と日本プロジェクト」のサポートプログラムです。函館近郊の小学校高学年・中学生・高校生を対象に、「海」に関する写真と映像の紹介、深海魚についての講演会、様々なワークショップを函館蔦屋書店にて実施しました。
さまざまな海に親しむプログラムを実施することで、海のすばらしさを広めることを目的としています。
日程
8月6日(月)~ 8月12日(日)
開催場所
函館蔦屋書店 2Fステージ
参加人数
2052名
主催
北海道大学大学院水産科学研究院
海の写真展
イベント期間を通して海に関するスライドショーを、函館蔦屋書店の2Fステージに設けた大型スクリーンで放映し、写真を展示しました。スライドショーでは三保水中生物研究会、東海大学海洋学部准教授、鉄多加志先生提供の道南の海洋生物の水中写真や、北海道大学水産学部写真部撮影の函館近郊の海辺を切り取った写真、おしょろ丸三等航海士宇野浩之さん提供の北太平洋とベーリング海における実習風景や海洋生物の写真などを放映しました。同時にスライドショーの中から選抜した写真を会場に展示しました。貴重な海洋生物の美しい姿やおしょろ丸での洋上実習の様子に、多くの来客者が足を止めて見入っていました。
鉄先生の写真を見て、「(ゴッコの)子供は、こんな顔!はじめて見ました!」という地元函館の方々や、「水中写真がすごくきれいですね」という感想を多くの来客者からいただきました。
ワークショップ「海のパズル」
ばらばらになっている海洋生物の絵柄を折り合わせて完成させるパズルを作製し、実際に解説書で学びながら遊んでもらいました。参加者はパズルを台紙から切り取り、糊で貼り付け完成させると、早速6種類の絵の組み合わせに挑戦、苦戦しながらも親子で一緒に考えながら楽しんでいる様子でした。中には親からのヒントを欲せず自分一人の力で完成させようとする子も見受けられました。
ワークショップ「ペーパークラフト」
国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)より提供いただいたペーパークラフトを作製しました。オニイトマキエイ、オオグソクムシ、チョウチンアンコウ、ジャイアントシャベルノーズレイの4種を用意し、好きな魚種を作製してもらいました。
オニイトマキエイは比較的簡単に作製できましたが、その他の魚種はパーツ数も多く難しいものでした。しかし挑戦した子供たちは作製に集中し、保護者の方ともども完成作品に満足し、大事に持ち帰る姿が印象的でした。子ども達は作製している魚種に対する疑問を指導に当たる大学生や担当者に尋ねることがあり、積極的で好奇心旺盛な姿勢が見られました。
ワークショップ「ロープワーク」
水産・海洋コーディネーター(元北海道大学水産学部附属練習船おしょろ丸甲板長)の松井良春先生と岩森利弘先生(元北海道大学北方生物圏フィールド科学センター助手)によるロープワーク講習では、人命救助等にも使う汎用性の高い三種類の結び方である「巻き結び」「一重結び」「もやい結び」を学びました。もやい結びは比較的難しかった様子でしたが、子ども達の結び方の吸収は驚くほど早いものでした。また、アウトドア活動や日常生活でも活用できる結び方に多くの方々が強い興味を示していました。
海にふれる講演「深海魚ってどんな魚」
尼岡邦夫先生(北海道大学名誉教授)による講演では深海魚、特にチョウチンアンコウの生態や形態に関してお話いただきました。
一概にチョウチンアンコウといっても様々な種が存在します。非常に体の小さいオスがメスに寄生し、メスの体の一部になってしまうことで繁殖を成し遂げる種や、提灯の竿を収納できる種等、個性的な進化を遂げたチョウチンアンコウの生態や形態は特に印象に残る内容でした。また、会場には尼岡先生がご持参いただいた標本も展示され、聴講者にとっては本物を観察することができる貴重な経験になりました。
海にふれる講演「海を学ぶ船:北海道大学 『おしょろ丸V世』」
北海道大学水産学部は附属練習船「おしょろ丸V世」を保有しており、様々な海洋研究や実習にて活躍しています。今回はおしょろ丸の歴史や搭載設備、実績等に関して今井圭理先生(おしょろ丸 海洋調査士)に講演いただきました。
東日本大震災で発生した原発事故による海洋汚染の調査の様子や、常日頃おしょろ丸の運航や研究に携わっている先生ならではの興味深いお話に聴講者は聞き入っていました。
メディア掲出
8/16 北海道新聞
<チラシ>
イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています