2025年9月20日（土）・21日（日）の二日間、三重県明和町の下御糸漁港を拠点に、特別な「帆走カヌー乗船体験」を開催します。この体験は、単なる海上アクティビティではありません。GPSやエンジンがなかった時代に大洋を渡った「伝統航海術（スターナビゲーション）」の知恵を、現役の航海士から学びながら体感できる、世界でも稀少な機会です。

　今回の乗船体験で使用するのは、1996年にパラオ共和国のナカムラ・クニオ元大統領から三重県に寄贈された「友好のカヌー」。伝統的なアウトリガーカヌーであり、パラオと三重をつなぐ友好の象徴ともいえる船です。このカヌーに実際に乗り込み、風を帆に受け、波に揺られながら進む時間は、まるで映画『モアナと伝説の海』の世界そのもの。自然と一体となる感覚を全身で味わえます。

　講師はパラオから来日する伝統航海士 ・セサリオ船長。彼は星や太陽の位置、波や風の流れを読み取りながら海を渡る技術を受け継ぐ、数少ない現役航海士のひとりです。セサリオ船長の指導のもと、参加者はカヌーに実際に乗り込み、自然を読む感覚やカヌーを操る方法を学びます。ただ「乗る」だけではなく、五感を研ぎ澄ませ、自然との対話を通じて「海とともに生きる心」に触れられることが、この体験の最大の魅力です。

　参加者は子どもから大人まで幅広く対象としています。小学生の子どもたちにとっては、教科書では学べない「生きた知恵」を体験できる貴重な場になるでしょう。また大人にとっても、日常生活では感じられない自然との距離感や、環境に向き合う意識を育む時間となります。家族や仲間と一緒にチームを組んで挑むことで、協力し合う力や海への尊敬の気持ちも自然と芽生えます。

　また、2026年には三重県とパラオ共和国の友好交流30周年を迎えます。今回の乗船体験は、その記念すべき節目に向けて両地域の絆を深める第一歩とも言えます。歴史ある「友好のカヌー」に乗り、パラオの船長から直接学ぶことは、文化交流の体験としても大きな意義を持ちます。

　現代社会では、便利さの裏で自然を感じる機会が少なくなっています。気候変動や海洋ごみ問題など、海をめぐる環境課題も深刻化しています。だからこそ、この乗船体験は単なる「遊び」ではなく、未来への学びの場でもあります。自然を読み、共に生きる力を養うことは、これからの時代に必要とされる大切な知恵です。

　2025年9月20日・21日の二日間、明和町の海で皆さまをお待ちしています。星と風と波に導かれながら進む「友好のカヌー」に乗り込むことで、海の大きさを体で感じ、心の奥に残る体験をぜひご一緒に！

地図は正しい位置を表示していない場合があります。正確な位置情報は「問合先」または「ウェブサイトURL」からご確認ください。

三重県多気郡明和町北藤原_　
下御糸漁港

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