誰よりも海を愛する航海士になりたい! ふくしまの海の現状を知ってもらいたい! シン・常磐もの調査隊員が未来へつなぐメッセージ
一般社団法人ふくしま海と緑のプロジェクトは、福島県内の小学5、6年生の20名を対象とした海洋体験学習イベント「海と日本PROJECT シン・常磐もの調査隊」を2024年夏に開催。その参加児童2名がイベントを通して学んだ内容をもとに、夏休みの作文・自由研究としてそれぞれの想いを発信してくれたのでご紹介いたします。
2024.10.29
一般社団法人ふくしま海と緑のプロジェクトは、福島県内の小学5、6年生の20名を対象とした海洋体験学習イベント「海と日本PROJECT シン・常磐もの調査隊」を2024年夏に開催しました。その参加児童2名が、イベントを通して学んだ内容をもとに、夏休みの作文・自由研究としてそれぞれの想いを発信してくれたのでご紹介いたします。この活動は、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。
「海と日本PROJECT シン・常磐もの調査隊」は、2024年7月31日(水)~ 8月1日(木)1泊2日で、福島県内の小学5、6年生の20名を対象に実施いたしました。
イベントでは、近年漁獲量が増えている「イセエビ」「タチウオ」を「シン・常磐もの」として名づけ、近年の海水温上昇などの影響によりふくしまの海に起きた変化、持続可能な資源への取り組みを学びました。
本イベントに参加した、近莉良(こんれいら)さん・五十嵐真奈(いがらしまな)さんの2人が、2日間の体験を通して学んだ内容とふくしまの海や「常磐もの」を守るためのメッセージを、それぞれが作文・自由研究にまとめ、発信してくれました。
▼イベントの様子はこちら
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002802.000077920.html
■イベントを通しての子どもたちの成長
今回の「シン・常磐もの調査隊」では、ふくしまの海の現状や、近年福島で漁獲量が増えている「イセエビ」、「タチウオ」を中心とした「シン・常磐もの」について多くのことを学びました。
参加した子どもたちは、今回のイベントでの体験を「自分ごと」として捉え、これからの海や「常磐もの」を守るために自らの言葉で発信しています。
今回はその中でも2人の隊員の取り組みをご紹介します。
■夢は航海士 大好きな海を守りたい
「プログラムの乗船体験という文字が光って見えた。」
将来の夢が航海士になることだという、近莉良(こんれいら)さん。学校で配られたチラシに書かれた、乗船体験に惹かれて応募を決意しました。
しかし、実際の船に乗る期待とともに、初めて会う参加者と1泊2日を過ごすことには不安も感じていました。ワクワクとドキドキが入り混じったまま、イベント当日を迎えました。
しかし、そんな不安は、楽しみにしていた乗船体験が始まると、どこかに消え去りました。
「青くてどこまでもひろがるきれいな海が好きだ」
作文にこう記していた大好きな海を、船から望むことができました。さらに、漁師の方々のつながりを間近で感じたことで、海が「人同士がつながりあえる」場所であると改めて感じたそうです。
その言葉を裏付けるように、乗船体験を終えた近さんには、参加前の不安そうな姿はなく、初めて会う参加者たちと楽しそうに過ごしていました。
「シン・常磐もの調査隊」では海の魅力だけでなく、ごみの増加や資源管理の問題についても学びます。近さんは、海に捨てられるごみが多い現状を知り、大好きなふくしまの海を自らの手で守りたいと感じるようになりました。
「私たちだけのごみひろいでは世界の海をすくえない。それでもいっしょうけんめいがんばれば世界の1パーセントはすくえるかもしれない。これからも拾っていきたい」
2日間のイベントを通して、近さんは航海士を目指す気持ちがより強くなったそうです。作文の締めくくりは、夢への想いが込められた、力強い言葉で締めくくられていました。
「わたしがなりたい航海士は、みんなと仲良くできて、明るくて、かっこいい航海士だ。そしてだれよりも海を愛する航海士だ。」
「私は絶対、航海士になる」
■「福島の海や魚の現状を知ってもらいたい」想いの詰まった自由研究
「今回の活動でわたしが学んだことを自由研究としてまとめることによって、身近な人にも、福島の海や魚の現状を知ってもらいたいです」
1冊のファイルにぎっしりとまとめられた自由研究。今回の「シン・常磐もの調査隊」に参加した五十嵐真奈(いがらしまな)さんが作ったものです。
普段から色々なものに興味をもつという五十嵐さんは、今回のイベントにもデジカメを持って参加。
気になったものや思い出をたくさん記録に残しました。
2日間を通して、「常磐もの」のおいしさを広め、たくさんの人に食べてもらいたいという気持ちが強くなったそうです。イベントで学んだ加工品や、小名浜海星高校のみなさんと一緒に作った「タチウオチップス」の作り方も丁寧にまとめられています。
そんな美味しい「常磐もの」ですが、それらが限りある資源だということも印象に残ったそうです。講義中もノートにびっしりとメモをとる五十嵐さんは、福島県の漁獲量や、資源管理についても自分の言葉で記録しています。
「魚がどんどん減少すれば、漁師もいなくなり、食卓にならぶ魚も少なくなる。未来につながる大きな問題であることがわかりました」
今まで意識していなかった海の資源の大切さを学ぶことで、五十嵐さんは多くの人に現状を伝えていきたいと考えるようになりました。
「人と人とがつながり、福島の海のみならず、日本、世界の海がゆたかで美しい海として、未来へつながってほしいと思っています。暖流、寒流が交わる福島の海。そこで取れる、大きくて美味しい常磐もの。みなさんもぜひお店で見つけて食べてみてください!」
夏休みの半分以上の期間をかけて制作した、五十嵐さんの自由研究には、2日間で体験したたくさんの思い出と、海と常磐ものへの想いが詰め込まれていました。
■隊員のメッセージが込められた常磐線広告
近さん、五十嵐さんは、2日間のイベントを通して、ふくしまの海や「常磐もの」について学んだ内容をたくさんの人に知ってもらうため、自らの言葉で発信しました。
「シン・常磐もの調査隊」では、今回紹介した2人を含め、参加した全員が「イセエビ」と「タチウオ」の2班に分かれ、イベントで学んだ内容を、より多くの人にも知ってもらうために、班ごとに「メッセージ」と「コラージュ」を制作しました。
イセエビ班のメッセージは「栄養満点、新鮮、おいしい 常磐もの ~人や魚、地球のために ごみを捨てないようにしよう~」。タチウオ班のメッセージは、「~温暖化を防いで常磐ものを守ろう!!~ 魚と人は、助け合い!」です。
このメッセージとコラージュがデザインされたポスターは、期間限定で10月28日まで、常磐線の複数編成の内、1編成(全車両)の中吊り広告枠で上野駅~高萩駅の間で掲載しています。10月29日から11月4日までは、土浦駅~草野駅の間で運行(※土浦駅~草野駅は、全車両での掲載ではございません)します。
ふくしまの海をたくさん学び、体験し、味わった2日間。隊員たちがこれからの海と常磐ものを守るために考案したポスターを、ぜひご覧ください。
<企画概要>
・「海と日本PROJECT シン・常磐もの調査隊」中吊りポスター
・掲載期間:10月1日~11月4日
・掲載区間
常磐線 上野駅~高萩駅(10月1日~10月28日)
※10両×26編成、5両×40編成の内、1編成(全車両)の全中吊り枠で掲載
常磐線 土浦駅~草野駅(10月29日~11月4日)
※指定期間中の中吊り枠一部で掲載