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子どもたちが開発したサバ缶でコラボメニューを提供。商店街が大人の底力を発揮!

推進パートナー7店舗が子どもたちの手掛けたコラボさば缶でオリジナルメニューを提供、学習成果をアピール!

2022.06.16

子どもたちが開発したサバ缶でコラボメニューを提供。商店街が大人の底力を発揮!

推進パートナーの皆さんの活躍には、近年ますます心強さを感じるばかり。そうしたなかで今回ご紹介するのは、京都の府庁前たちばな遊和商店街での取り組みです。

商店街の7店舗がそれぞれ、海と日本プロジェクトin京都が実施した体験学習イベントで子どもたちが商品化した「京都×長野コラボさば缶」を使い、オリジナルメニューを開発。10月の「海のごちそうウィーク」に合わせて各店で提供されました。

「料理のプロが大人の底力をみせてやろう」と子どもたちの頑張りを応援する形で、コラボに至ったとのこと。推進パートナー7店舗の中心となって取り組んでくれた漁港直送海鮮酒場あんじ中井屋あんじ 府庁前店の中井隆憲店長に、お話を伺いました。

「京都×長野コラボさば缶」でメニューを開発。商店街から子どもたちの活動を発信!

食材にしたコラボさば缶は、2021年夏の体験学習イベント「海の京都調査隊」に参加した京都文教短期大学付属小学校の子どもたちが、長野の子どもたちと共同で商品開発に携わったもの。サバを通して海について学び、学びの成果を詰め込んで開発。パッケージは子どもたちの手描きイラストをあしらったデザインです。

京都産のサバを使い、長野の白味噌をベースにした味に仕上げた缶詰を「実際に食べてみて、どんなメニューにするかピンときました。この味を生かし切るために極力手を加えずに仕上げようと思った」と中井さん。
そしてサラリーマンや単身赴任中の常連さんも多い「あんじ」では、一人でも食べやすい鍋仕立てにしたメニュー『さばネギ』を提供することに。
お客さんからも好評で、レシピを聞いてくるお客さんもいたそうです。「手順から何から全部教えましたよ。家でもおいしいもん食べてもらうのに越したことないですもん」とサービス精神も満点です。

さらには、お客さんにコラボの取り組みを案内すると、「これ買うてくことはできひんの?」と缶詰自体を求める声が意外と多かったのだとか。そうしたニーズに気づいて、予定外だった販売もスタート。
後日わかったことですが、他店舗の常連さんで某保険会社の方が、この子どもたちの活動に感動されたそうで、購入した缶詰を「地元の子どもたちが頑張って作ったものなんです」と保険のお客様へのコミュニケーションツールとして使ってくださっていたのだとか。
商店街での発信が、さらに一歩、京都の街の奥深くまで広がった嬉しい誤算でした。

「京都×長野コラボさば缶」でメニューを開発。商店街から子どもたちの活動を発信!

商店街を立ち上げ、周りの飲食店と一緒に「面白おかしいこと」をしていきたい

実は、たちばな遊和商店街は2021年に立ち上げたばかりの新しい商店街です。
「周りのお店とも仲がいいほうやったからね。コロナ禍でも情報共有なんかしながら、なにかできることないかなと人が集まり出したから。それで商店街を立ち上げたの。どうせやったら面白おかしくやりたいねって」。

商店街立ち上げ以前から既に、「面白おかしい」取り組みは仕掛けてきたそうで、例えば飲食メニューのテイクアウトをアピールしながら、購入者に近所の「他の店で使えるクーポン」を配ったことがありました。コロナ禍で打撃を受ける飲食店各店で売上をシェアできるうえ、お客様にはお店をリレーする楽しみを提供できる、というものです。
今回のコラボでも「7店舗でそれぞれのオリジナルメニューを食べられます」と商店街での食ツアーを提案したわけですが、以前の取り組みが下地にあったからこそ、お客さんにも広がりやすかったのだとか。今では「次は何するの?」と期待する声も寄せられるそうで、商店街の盛り上げにも成功しました。

商店街を立ち上げ、周りの飲食店と一緒に「面白おかしいこと」をしていきたい
商店街を立ち上げ、周りの飲食店と一緒に「面白おかしいこと」をしていきたい

子どもたちにいろんな経験をさせてあげることは大人の仕事

今回の取り組みでは、商店街各店舗で売上1食当たり100円を寄付に充てられています。なかでも子どもが大好きだという中井さんは、独立してから毎年「子どもたちが笑顔になれることをしたい」と募金を続けているのだとか。
だからこそオリジナルメニューの開発も、コラボさば缶をつくった子どもたちの頑張りを讃え、応援する気持ちが大きかったようです。
「みんなが頑張って作った缶詰で、こんなんつくったんやでって、食べさせてあげたいね。子どもらにいろんな経験をさせてあげることが、大人の仕事やと思うしね」と表情を綻ばせます。

京都市内に住む子どもたちにとって海は、車で2時間以上かけないと見ることができない遠い存在。昨年の体験学習に参加して初めて海を見た、海の水ってしょっぱいんだ、と感動する子もいたそう。
「子どもたちにはいろいろ経験して財産を増やしていってほしい。嫌なことでも挑戦してみる。なんだったら自分が船に乗せてあげたいくらい!実は北海道で7年、漁師をしていたもんだから」と、自身の意外な経歴を明かしつつ、中井さんのアイデアは尽きない様子。俄然、次の企画も楽しみになってきました。

子どもたちにいろんな経験をさせてあげることは大人の仕事

いろんな海の危機を捉えつつ、前を向いて「次」を考え続けよう

最後に、今後、海と日本プロジェクトに期待することについて伺ってみたところ、開口一番、「もっと大きく!かな」と回答。規模というよりも内容面でより濃く、深く、広くという意味だそうで、期待が膨らんでいる様子。そのうえで協力は惜しまないという心意気も伝わってくるので心強い限りです。
「今回のサバ缶も、もっとたくさん作ってもよかったんじゃないかな。実際売れると思うしね!いろんな人に喜んでもらえるし」と嬉しい言葉もいただきました。

そして「あとはやっぱり、漁師さんを喜ばせてあげたい」と、漁師経験者だからこその言葉も。
「漁師が漁だけで安定して食べていけるようにしないといけんと思う。食材を大事にして、生産者さんを生かし切るのが自分らの仕事。それに海には、死ぬな!と思うね。汚染や温暖化もあって、いま海はえらいことになっている。天然の魚なんて食べれんようになってくると思う」と肩を落としながらも、お店ではお客さんに「いましか食べれへんで」と天然魚メインで提供しながら危機も伝えているのだとか。

課題を捉えながら前を向き、輪の中心で周りを盛り上げる、そんな中井さんですが、いまは、もう今後の活動について何やら思案中の様子。
これからどんな「面白おかしいこと」を実現されるのか、ますます京都から目が離せません。

いろんな海の危機を捉えつつ、前を向いて「次」を考え続けよう