海にまつわる民話や伝承を再発見!
「海ノ民話のまちプロジェクト」の2019年度認定アニメが制作され、上映会などが行われました。
2020.03.26
愛媛県松山市や沖縄県南城市などに伝わる海にまつわる民話がアニメ化され、今年2月、それぞれの地元で完成披露のための上映会が行われました。
これらのアニメは、「海ノ民話のまちプロジェクト」で「海ノ民話のまち」に認定されたことを受けて制作されたものです。日本中の海にまつわる民話を発掘して、その民話に込められた「思い」「警鐘」「教訓」をアニメーションによる映像表現で次の世代に語り継いでいくことを目的にしています。
今回は、各地で開催されたアニメ完成の報告会や上映会などの活動を紹介します。
アニメ「大根明神のアワビ祭り」が完成
宮城県七ヶ浜町では、地元に伝わる民話「大根明神のアワビ祭り」のアニメ制作が進められ、このたび完成しました。
民話は、「漁師が大根明神にまつわる言い伝えを無視して漁をしたため、その怒りにふれ、船が転覆しそうになったところを大きなアワビに救われた」というお話。
4月以降、七ヶ浜町の小学校の授業で活用したり、町内施設で放映したりする予定です。
七ヶ浜町の民話「大根明神のアワビ祭り」アニメ完成‼
民話にまつわる大きな樽も登場
愛媛県松山市では、中島の饒(にょう)地区で語り継がれてきた民話「おたるがした」がアニメ化されました。
「津波で被害を受けた村人が、命は助かったものの途方にくれ、それでも大きな樽を見て笑う子どもたちをきっかけに、再建への勇気を奮い起こした」というお話です。
2020年2月24日(月)に、完成したアニメの上映会とトークセッション、防災講習会などが行われ、多くの子どもたちが参加しました。
子どもたちは最後に、民話にも登場した大きな樽に、今回の学びや将来の夢などを書き込みました。
地域に眠る民話をアニメ化!子どもたちに伝えたいこと
民話の舞台で乗船やハーリーも体験
最後は沖縄県南城市からの報告です。
奥武島を舞台とした民話「奥武観音堂由来」がアニメ化され、2月1日(土)に上映会が行われました。
「奥武観音堂由来」は、「海で遭難して漂着した唐の国の人を奥武島の人々が助け、そのお礼に金の観音像を贈られた」というお話です。
子どもたちは、民話の舞台となった海辺で船に乗ったり、陸上でハーリー(爬竜船/はりゅうせん)を体験したのち、完成したばかりのアニメや地元の方が語る民話を楽しみました。
民話を通して、地元の歴史を学ぶことができました。
海ノ民話のまちプロジェクト 南城市「奥武観音堂由来」アニメ化
このように、全国各地には海にまつわる民話がたくさん残っています。
大切な「警鐘」や「教訓」などが含まれているこれらの民話を、忘れることなく、語り継いでいきたいですね。
今後も、各地の「海ノ民話のまちプロジェクト」の活動に注目です!
なお、このプロジェクトでアニメ化された作品は、「海ノ民話のまちプロジェクト」のサイトで見ることができます。
http://minwa.uminohi.jp/