話題のパッケージでふくれん「カラフルスムージー」第2弾を2月発売! コラボで環境問題へ多角的にアプローチ <推進パートナーインタビュー>
反響を呼んだスムージーがさらに進化。「飲んだら分別」と海の環境問題へ触れるきっかけを創出した商品が再登場!
2023.01.19
2023年を迎えました。今年も引き続き、海と日本プロジェクトは全国一丸で活動していきますが、推進パートナーとのコラボ企画も止まることなく進行中です。
2月7日には、福岡県の推進パートナーである飲料メーカー・ふくれんと、海と日本プロジェクトCHANGE FOR THE BLUE(CFB)とのコラボ企画で「カラフルスムージー」の第2弾が発売されます。
第1弾は、2021年に福岡エリアを中心に地域限定販売され、地元で大きな話題を呼びました。
目を引くパッケージデザインは、福岡のポップカルチャーを牽引するひとり、NONCHELEEE(ノンチェリー)氏によるもの。ごみの分別を呼びかける海パン姿のキャラクター・分別クンのアニメーション動画も視聴できる仕組みを盛り込んでいます。
デザインに目が行きがちですが味もしっかり美味しいと評判で、第2弾で発売されるのは「野菜・果実のスムージーPINK」と「豆乳飲料ほうじ茶ラテBROWN」、復刻版となる「野菜・果実のスムージーGREEN」の3種類。「野菜・果実のスムージーPINK」はトマトやすももを、「豆乳飲料ほうじ茶ラテBROWN」は大豆やほうじ茶、復刻版の「野菜・果実のスムージーGREEN」はキウイフルーツや黄色にんじん等をミックス。いずれも九州産の野菜や果実を使用しています。
そして、ジュース原料からパッケージの仕様、販売後の容器回収に至るまで、徹底的に環境問題に配慮した商品は「2022日本パッケージングコンテスト 飲料包装部門賞」も受賞しました。
「SDGsや環境問題への取り組みを商品に組み込んだのは、このコラボ企画が初めてで貴重な体験になりました。他の自社商品でも配慮するようになりましたし、こうした流れをつくることができてよかったと思っています」と、2021年から携わってこられた営業部の立石勇介さん、商品開発課の梅崎明子さん、橋口真貴さん、宮本侑子さんに、コラボ企画の経緯や成果についてお話をうかがいました。
このおじさんは誰?どこで買える?と第1弾発売後は癖の強いイラストが話題に
第1弾のカラフルスムージーが発売されたのは、2021年9月23日。「YELLOW」「GREEN」「WHITE」の3種類合計33万本が、県内のセブンイレブンとルミエールにて数量限定で販売されました。
スムージーの原料には、JA全農ふくれんの規格外の野菜や果実を無駄なく使用することで廃棄量を削減。紙パックは70%再生可能なテトラパック社製を使用し、テトラパックリサイクル便(※)での無償回収をアピール。ストローはBPマーク認証(バイオマスプラスチックを25%以上配合)付きバイオストローを初採用し、商品搬入時の外装に再利用段ボールを利用するなど、徹底的に環境にこだわった商品になっています。
そんなこだわりが評価され、商品開発と販売に携わった協業企業6社で、「2022日本パッケージングコンテスト 飲料包装部門賞」も受賞。
「環境配慮にいろいろな側面からアプローチできたこと、そしてパッケージデザインをNONCHELEEE(ノンチェリー)さんにお願いできたのも受賞要因の一つと捉えています」と立石さん。
NONCHELEEEさんが描くユーモラスでちょっとクセの強い人物イラストは個性的でインパクト大。一般の方から「どこで買えるの?」、販売店などの取引先からも「どうやったら取り扱いできるのか?」といった問い合わせが相次いだそうです。
当初は福岡県内のみの取り扱いだったものの、取り組みを評価してセブン-イレブンでは九州エリアへと販路を拡大。第2弾では、ゆめタウンでの取り扱いが始まり、さらなる広がりが期待されます。
(※テトラパックリサイクル便は2022年12月サービス終了)
飲料メーカーとして環境問題へどうアプローチできるのか。手探りの挑戦がスタート
そもそもこのコラボ企画の出発点は、CFB福岡事務局からの「環境問題への意識の広がりに限界を感じている」という相談でした。ただ、これまでの実績もなく、課題解決のために飲料メーカーとしてどう応えられるのか、当初は及び腰だったそう。
「でも、JAグループの関連会社なのでジュースの原材料として規格外の県産野菜や果物を扱ったり、人参ジュースや豆乳の製造工程で出る搾汁残渣などを加工利用してきた経験もあったので、もしかして、こういったことを絡めれば環境に配慮した商品が作れるのではないか?と。考えてみたら技術的に可能だったんです」と、取り組んでみることになったのだと開発課の梅崎さん。
ただ実際に取り組んでみると、原料の調達や加工工程には通常とは異なる工夫が必要でした。
開発課の橋口さんは、「例えば原材料の調達には、農家さんから端材を回収するフローをつくったり、加工面ではジュースや豆乳の搾汁残渣(にんじんパルプやおから)はそのままでは使えないので、スムージー食感を出すために繊維を細かく切る工程を入れるなど、飲料に使えるように加工方法を工夫しました。
端材を使っているなら価格は安くできるだろうと思われがちですが、多種類の素材を調達するのは非常に大変で、さらには環境配慮をしつつ栄養面と美味しさも担保しなければなりません。それらのバランスを整え「納得できる商品になったと思います」と、自信を覗かせてくれました。
パッケージに収まり切らないメッセージを、分別クン動画でアピール
一方、飲料の製造と同時に、パッケージ製作でも調整が進められていきました。
環境問題に関心のない人にも、「なんだこれ?」と手に取っていただけるようなインパクトをと考えた末のNONCHELEEE氏の起用でしたが、
「いつか最初のデザイン案をみていただく機会があれば面白いかもしれないですね。当初案はもっと奇抜だったのですが、だいぶまるくしてもらったんです。飲料メーカーとしてのルールやNGポイントなどをお伝えしながら、デザインを作り上げてもらいました」と立石さん。
そして「飲んだら分別を」とリサイクルを呼びかける方法として考案されたのが、海パン姿の「分別クン」動画です。
「はじめは訴求ポイントを全てパッケージに押し込もうとしていたんですが、収まりきらないメッセージは、パッケージの先に世界観を作って伝えたほうがいいと、みんなで話して盛り上がりました」ということで、アニメーション動画も製作。QRコードから閲覧を促してWEBサイトへ誘引することに。
結果、ジュースの原料、パッケージのリサイクル、分別クン動画と、どこに興味をもってもらっても環境問題に気づけるようにと考え抜いた設計が完成しました。
第1弾に続き、第2弾では“進化”と“目新しさ”をプラス
これまでの取り組みを振り返ってもらったところ、立石さんは「営業面では初めてだらけの取り組みだったので、皆さんのやりたいこととできることのすり合わせや社内調整が難しかったかなと。営業活動の中でも、なかなかできない貴重な体験でした。環境問題への取り組みは一発花火で終わってはいけないので、今後も一緒に環境問題にアプローチする商品づくりができたらと思っています」と、継続に向けて気持ちを新たにされていました。
梅崎さんも、「農産物を加工する企業として“もったいないを無くそう”とこれまでも取り組んできましたが、今回、より多くのみなさんに知っていただくことができ、農家さんにも喜んでもらえて嬉しかったです。伝えることの大切さをすごく感じました」と、成果を感じている様子です。
初めは手探りで商品開発を進めていましたが、携わったメンバーからは当初の戸惑いはすっかり消えて、いまでは “水に溶けるストロー”など新しい環境配慮素材の調達にも意欲的。海への想いは、さらに深まっているようで、第2弾には進化や目新しさが詰め込まれているそうです。
海はみんなの大切な資源。そう考えるきっかけを商品を通じて多くの人に広げていけるよう、海プロも応援を続けていきたいと思います。