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ゴルゴ13がポイ捨てを阻止!? 三陸鉄道とのコラボ列車がリアス線を走行中

三陸海岸沿いを走る三陸鉄道リアス線にコラボ列車が登場。ゴルゴ13が海ごみゼロをアピール!

2022.10.20

ゴルゴ13がポイ捨てを阻止!? 三陸鉄道とのコラボ列車がリアス線を走行中

2022年6月、春の海ごみゼロウィークにあわせて三陸から届いたニュースをご存知でしょうか。
あの超A級スナイパー、ゴルゴ13が“海ごみゼロ”を呼びかけるラッピング列車が登場し、163kmにおよぶ三陸鉄道リアス線を2023年3月までひた走るというニュース。主要4駅にも等身大パネルとコラボごみ箱が設置され、ゴルゴ13ことデューク・東郷がポイ捨てに目を光らせています。

これは三陸鉄道とCHANGE FOR THE BLUE、ゴルゴ13の原作者さいとう・たかを先生の事務所であるさいとう・プロダクションとのコラボ企画として取り組んだもの。

三陸海岸沿いを南北に縦断する三陸鉄道は、第三セクター鉄道として日本一の営業距離を誇り、地元で「さんてつ」の愛称で親しまれています。車窓から海の景色も存分に楽しめる路線で、レトロ調列車で宮古湾の牡蠣を楽しむ「花見かき列車」や、三陸の海鮮が楽しめる「こたつ列車」運行などのイベントも大人気。

今回は「三陸鉄道にとって海は大事な資源です」という三陸鉄道の石川義晃社長に、コラボ企画の手応えや、企業として熱心に取り組まれている環境活動などについてお伺いしました。

ゴルゴ13がポイ捨てを阻止!? 三陸鉄道コラボ列車がリアス線を走行中

「ポイ捨てをするな。海ごみは街から出ている」byデューク・東郷

三陸鉄道が海と日本プロジェクトの推進パートナーに登録いただいたのは、岩手県内2番目となる2016年6月。以降、長くお付き合いいただいています。
たとえば2019年には、オリジナル体験学習イベント「いわてマリンキッズプロジェクト」の子どもたちの学習成果を車内ポスターにして掲出いただくなど、さまざまな活動を共にしてきました。
こうしたことから、今回のコラボ企画も、スムーズに話が進んだそうです。

『ゴルゴ13』が起用されたのは、作者のさいとう・たかを先生の奥様が岩手県花巻市御出身で同市にもお住まいをお持ちというご縁があってのこと。三陸鉄道への思い入れも深く、海ごみゼロを呼びかける今回の企画にお声がけしたところ、快諾いただけました。

今回のラッピング車両の車体には、デューク・東郷と「ポイ捨てをするな 海ごみは街から出ている」という台詞が大きく描かれました。作品の世界観そのままに本質をつく短いメッセージが、見る人にインパクトを与えていますが、これは「電車が走るスピードで視認できるようにと、一番苦労したポイントだった」とか。この解決には三陸鉄道のこれまでのラッピング列車運行の実績、ノウハウが生かされました。
さらに「久慈、宮古、釜石、盛の主要4駅にも、等身大のゴルゴが『俺のうしろにごみを捨てるな!』と呼びかけるごみ箱を設置しているので、車両とあわせてひとつのメッセージとして発信できたのではと感じています」と石川社長。
これまでのご縁をつなぎ、経験を活かして、大きなコラボを実現できました。
「ポイ捨てをするな。海ごみは街から出ている」byデューク・東郷

マスコミや沿岸住民からの注目度の高さに手応えを実感

お披露目した6月8日の出発式には、新聞、テレビ各社の取材を受け、人気劇画のキャラクターを起用しているだけに注目度の高さが伺えました。
「ニュースを見たお客様からも『あのゴルゴはどこで見られますか』といったお問い合わせが相次ぎました。ただ残念ながら、毎日運行しているものの運行時間は決まっていないんです」とのことですが、だからこそ運良くゴルゴ13列車に乗車できたらラッキー! と楽しんでもらっているようです。
マスコミや沿岸住民からの注目度の高さに手応えを実感
お客さまの反応には「ゴルゴ13列車を見かけてスマホで撮影している人も多く、沿線住民の方々の海ごみ問題への関心は広がっているのではないでしょうか。気付きが促されているのではと期待しています」と成果を感じられている様子。

さらに「テレビの旅番組にゴルゴ13列車を利用いただいたり、岩手のプロサッカーチーム・いわてグルージャ盛岡の選手と子どもたちが一緒に清掃活動を行うイベントでもゴルゴ13列車に乗ってもらいました。ワクワクした表情で乗車していた子どもたちにも環境保全活動の大切さが伝わったと思います」とコラボ列車を利用した第2・第3の企画で、さまざまなアピールを継続中です。
マスコミや沿岸住民からの注目度の高さに手応えを実感2

震災で失って気づいた海の大切さ。地元で感じる環境意識の広がり

海プロとの活動以外にも、三陸鉄道では以前から、企業独自の環境活動に熱心に取り組まれています。
みちのくコカ・コーラボトリングとの新入社員合同研修会で浄土ヶ浜の海ごみ拾いをしたり、子どもたちに三陸の海やふるさとを知ってもらう東京大学大気海洋研究所のイベントにも協力していて「こうしたイベントには引き続き携わっていきたい」と意欲的です。

「私自身も宮古市出身で、美しい海の風景、楽しい海がある生活が当たり前でした。東日本大震災で当たり前ではなくなってしまいましたが、皆さまのご助力で復旧が進むなかで、“当たり前”の大切さに気づいた人も多いと思います。
岩手の海域でもマイクロプラスチックごみが発見されたという報道もあり、地元住民にも環境意識は広がっているようです。まずは私たちの意識を変えていくことに、急いで取り組むことが大事だと思っています」

当たり前にあった海の風景を失った経験から、海がいかに大切なものだったか、どう守っていくか、これからも地元の人々と考え行動していきたいと語ってくださいました。
震災で失って気づいた海の大切さ。地元で感じる環境意識の広がり
最後に、「全国の皆さんから見ると“三陸は遠い”と感じる方も多いかもしれませんが、復興道路も全線開通し、とても近くなりました。三陸鉄道や遊覧船、豊かな自然や美味しい食事などをとおしてきっと楽しい思い出ができると思いますので、ぜひ三陸へお越しください」とのメッセージもいただきました。

観光を支え、岩手沿岸住民の暮らしを支える「さんてつ」。資源となる海を守る独自の取り組みにエールを贈るとともに、海の恩恵を存分に味わえる三陸鉄道の旅には興味が増すばかり。いろいろな意味で注目していきたいと思います!
震災で失って気づいた海の大切さ。地元で感じる環境意識の広がり2