海の恵みを守る!生態系を脅かす海洋問題にさまざまな人が全国で奮闘中
漁業に影響する課題解決に向けたアクションがいま、各地で取り組まれています
2024.10.03
長かった夏が過ぎ、ようやく季節は秋。
味覚の秋ですが、近年は海の幸にもさまざまな変化があらわれていて、食卓からも海の抱える問題が垣間見えます。
漁業に影響しているのは、海洋ごみ問題のほかにも海の温暖化や酸性化、乱獲や生態系の変化など複雑に絡み合ったさまざまな問題。どれも難しい問題ですが、各地の漁業の現場では改善に向けたアクションに取り組まれています。
取り組んでいるのは漁業者だけではありません。美しく豊かな海を守ろうと活動する企業や学生たちも大いに奮闘中です。
今回は、海と日本プロジェクト公式YouTubeチャンネルから、そんな各地の取り組みのニュースをピックアップしてご紹介します。
いち早くゴーストギア問題に取り組み開発。環境にやさしい漁具を漁師と実証実験中
海岸清掃でも漂着ごみとして漁具をよく見かけますが、海を漂い続ける持ち主不明の漁網や漁具「ゴーストギア」問題は、生態系に大きな被害を与えています。
そこで、万が一、海に流出してしまった時のことを考慮して、微生物の力で自然界に循環する生分解性資材を老舗漁具メーカーが開発。この問題にいち早く取り組んできたそうで、現在は全国の漁業者の協力のもと、一緒に漁に出かけて実用化に向けた実証実験を行なっているのだとか。持続的な漁業のためにと挑戦を続けています。
微生物で分解する漁業資材 環境保護と漁業の未来
最終目標は養殖現場での実用化。鹿児島の高校生チームが「赤潮防止装置」を開発
鹿児島県の高校3年生6人が開発したのは、赤潮から魚を守る「赤潮防止装置」。中高生が科学分野でアイデアを競う「つくばサイエンスエッジ」で最高賞を受賞した装置です。
地元で毎年漁業被害が出ている赤潮を研究テーマに据えて、トライ&エラーを繰り返しながら開発期間は約1年。赤潮の大量発生の原因となる海中のリン酸濃度を、市販の測定器と同レベルで計ることができ、製作費はたったの840円だとか。
最終的な目標は、鹿児島で盛んな養殖の現場で使ってもらうことだそうですが、実験に協力したヒラメ養殖場からも大きな期待が寄せられているようで、今後も関心を集めそうです。
840円の赤潮対策装置 文部科学大臣賞を受賞
ブルーカーボン認証取得を目指す南三陸町で高校生が学びながら取材、情報を発信!
牡蠣養殖棚に付着する海藻を、“洋上の藻場”に見立ててブルーカーボン認証取得を目指しているのは宮城県の南三陸町です。温暖化によって生態系が変化し、特産の魚への影響も危惧されるなか、海藻や海草の特長を利用するブルーカーボンは温暖化対策の一つとして期待されていて、震災以降まだ再生していない藻場の再生と拡大が進められています。
動画では、学びながら取り組みを取材する地元高校の情報ビジネス科の生徒たちの姿を紹介。大切なのは「ブルーカーボンについて知ってもらうこと」と情報を発信しています。
海藻が温暖化防止に貢献?海の植物が未来を救う