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鳥取の「ワカメ部」が地元特産の板わかめを使ったコラボせんべいを発売

特産の板わかめのPRと地域振興に「ワカメ部」が大活躍。新しい仲間を増やしながら活動範囲も拡大中。

2021.08.19

鳥取の「ワカメ部」が地元特産の板わかめを使ったコラボせんべいを発売

全国的にはあまり知られていない、山陰地方特産の板わかめを全国にPRして地元を盛り上げようと、鳥取県の岩美町を中心に活動している「ワカメ部」。
今年、海と日本プロジェクトの推進パートナーでもあるワカメ部から、コラボ商品「板わかめせんべい」が発売されました。
2018年の結成からわずか3年、商品を開発したりイベントを主催したりと、周囲を巻き込みながらフットワーク軽く活動を広げています。
楽しさこそ原動力。仲間を増やしながら活動を展開しているワカメ部の立ち上げメンバーでもある部長の則定希さん、副部長の岸浩之さんにお話を伺いました。

広がる磯の香りと甘じょっぱさがクセになる美味しさ!

今年発売されたコラボ商品「板わかめせんべい」は、鳥取の有名な老舗菓子店「たまだ屋」に製造を依頼してつくった、網代産天然板わかめ入りのたまごせんべいです。
「磯の香りが広がって、しょっぱさと、たまごせんべいの甘さがマッチした病みつきの美味しさなんです」とワカメ部部長の則定さん。

商品化にあたっては、「もっと山陰特産の板わかめを知ってもらいたい」「若い方にも手に取ってもらいやすいようにお菓子になれば」と、突撃でたまだ屋さんへ申し入れたのだとか。
一方のたまだ屋さんも、数年前まで販売していた同様のせんべいが、板わかめの仕入れが困難になり生産中止になっていたそう。再販を望む声も多かったところへ、ワカメ部からの申し入れを受けて、スムーズに話が進んだのだとか。
今回、より美味しくなって再登場した待望の商品に、ファンからの問い合わせも多く寄せられているそうです。
広がる磯の香りと甘じょっぱさがクセになる美味しさ!
しかし、そもそも板わかめというのはどんなものなのか。
「よくある乾燥わかめは縮れていますけど、板わかめは1枚1枚広げて天日に干したもので、形状は板海苔に近いです。鳥取・島根の特産品で、この地域では少し炙っておつまみにしたり、ご飯にふりかけて食べたりしていますね。私は初めて食べたとき、パリパリっとした食感とともに口の中に磯の香りが広がって、衝撃的な美味しさだったんです」
これが、5年前にIターン移住されてきた則定さんの、板わかめの第一印象だったそう。

ただ、多くの人に味わってもらいたいと思うものの、課題があることもわかりました。
「板わかめの生産は、手間暇がかかるんです。獲れる時期も短く、生産者が減っています。ワカメ部としては、生産技術の継承という視点でもPR活動を行なっていきたいと思っています」

わかめ愛が高じてワカメ部設立、勢いよく活動スタート

岩美町を中心に活動するワカメ部の結成は2018年と新しいながら、商品開発のほかイベントを主催したりとPR実績も多数。

もともとイベント関係の仕事に携わっている岸さんは、結成当時を振り返り、「“世界最大の板わかめづくり”が長年の夢だったんですが、たまたま仲間内でそんな話をしたら、 “じゃあワカメ部をつくろう!”と勢いづいて。そこから私たちワカメイトだね、ワカ名刺つくらなきゃ、ワカメーティングしよう!なんてノリで進んで、自治会長にも繋いでもらったりするうち、翌春にはイベントを開催させてもらうことになりました」と勢いよく活動がスタートしたことを教えてくれました。

3人で立ち上げたワカメ部ですが、今ではミュージシャンやカメラマン、アクセサリー作家など、職業も年代もバラバラな個性豊かなメンバーが増えているそうです。

2019年から開催している「ワカメフェス」では、商品PRとともにテーマソングや落語を披露したり、エンタメ色豊かな演出で大盛況だったとか。もちろん世界最大の板わかめづくりにも挑戦して、畳6畳分のサイズを完成させて記録を更新中です。
「今年はオンラインでの開催にしたので参加者を募っての板わかめづくりはできませんでしたが、オンラインだからこそ全国で海に関係する活動をしている人たちと交流ができ、広がりを感じました。来年に向けた準備を進めつつ、別のイベントにも参加させてもらう機会が増えているので、多くの人に板わかめを知ってもらえたらと思っています」と、さまざまな挑戦を続けています。
わかめ愛が高じてワカメ部設立、勢いよく活動スタート

県内有数の透明度を誇る美しさ。豊かな海を守るためにも伝えていきたい

ワカメ部の活動拠点にしている岩美町網代には、25〜30メートルの透明度を誇る県内有数の美しい海があり、則定さんは、この海の美しさに感動して移住を即決した一人。
「泳いでいると海と一体になれる感じがするんです。海から生き物が進化していったことを実感できるし、まだ知らない世界が広がっていて神秘的ですね」
漁村に移り住んだことから海との関わりが増え、「まさか自分が漁師になるとは思ってもみなかった」そうですが、平均年齢70歳という漁師仲間のなかで最年少、地元で初の女性漁師になられました。
「漁師になってまだ3年目ですが、わかめは減っているなと実感します。先輩方も昔に比べて半分くらいだと言っていますし。原因は一つではないと思いますが、資源を守るためにも環境問題を考えることが多くなりました。森林伐採問題なども関わりがあるんだと知り、視野も広がりましたし、身を以て知ったこと、感じたことを、ワカメ部からも情報発信していけたらと思います」
県内有数の透明度を誇る美しさ。豊かな海を守るためにも伝えていきたい
また地元岩美町出身の岸さんにとって、海は子どもの頃から身近な存在。「県外に出てみて初めて、地元の海がとてもきれいなんだなと気付かされました。それだけ、あってあたり前の “親”のような存在かなと思います。わかめも海が育ててくれたもの。豊かさや温かさを感じながら、改めて大切にしていきたいと思っています」

ユネスコのジオパーク認定も受けている美しい景観を持つ岩美町は、住みたい町ランキング全国1位になったこともあり、移住者も増加傾向という懐の深い町。
その町で仲間を増やしながら、真摯に活動を楽しんでいるワカメ部ですが、今後はさらに「海プロを通じて全国の活動団体さんとコミュニケーションを図って、“楽しい”を起点に繋がっていけたらと考えています」と展望も打ち明けてくれました。
尽きないアイデアとパワーで次はどんな挑戦がなされるのか、今後もますます楽しみです。
>県内有数の透明度を誇る美しさ。豊かな海を守るためにも伝えていきたい