実は美味!知る人ぞ知る隠れた海の恵みをお届け!
貴重な水産資源、未利用魚・低利用魚を生かす注目の取り組みをご紹介します
2024.10.10
知名度が低い、サイズが不揃い、手間がかかる、漁獲量が少ない、鮮度が落ちやすい。
そんな理由から廃棄されるなどして市場に出回らない未利用魚・低利用魚のなかには、知られていないだけで実は食べてみればおいしい魚がたくさんあります。
海の資源を守るためにも、貴重な海の恵みを無駄なく上手に利用していこうという試みが、各地の漁業の現場で行われています。
今回は海と日本プロジェクト公式YouTubeチャンネルから、いま注目を集める生産者や加工業者たちの取り組みをピックアップしてご紹介します。
魚好きから大人気!羅臼の魚たちを詰め合わせた「未利用魚ボックス」を通信販売
全国の魚好きたちの間でいま話題になっているのが、さまざまな種類の魚が詰め合わされて届く「未利用魚ボックス」の通信販売。
北海道有数の好漁場である北海道羅臼で漁業を営む野 圭太さんは、ホッケやタラをメインにした刺し網漁を行っていますが、網にはマイナーな魚もさまざま入ってきます。そんな流通に乗らない魚たちも、ぜひおいしく食べてもらいたいと、数年前からこの通信販売を始めたそう。
船上で活締めした鮮度の高い魚を、独自制作した魚の写真と名前入りパンフレットを同封のうえ発送していて、どんな魚が入って届くかはお楽しみとのこと。リピーターも増えている様子で、人気はまだまだ高まりそうです。
全国から注文殺到 サイズも種類も様々な未利用魚セット
国内外から注目を集める「受注漁」とは?海にも人にもやさしいサステナブル漁
岡山県玉野市で漁業を営む富永さんご夫婦が開拓したのは、注文を受けてから漁に出る「受注漁」のスタイルです。魚を獲るのは注文を受けた分だけで、余分な魚は全てリリースし、必要以上に獲らないサステナブルな漁です。一般家庭から直接オーダーを受けるので、お客さんとのやりとりも楽しみの一つなのだとか。
とある1日の漁は約3時間、網を入れた回数は3回のみ。労働時間と燃料費が削減できて、変動する市場価格の影響を受けることもなく、海の資源とともに漁師の生活も守られます。
現在は個人で取り組まれている受注漁ですが、すでに国内外から大きな注目を集めています。
漁師の働き方改革効率的でエコ 岡山県の受注漁が注目される理由
宮城の海の厄介者「アカエイ」をおいしく味わう商品&レシピ開発に奮闘中!
毒針があるうえに重く網を破ってしまうなど地元漁師たちに厄介者として海に捨てられてきたアカエイを、上手く利用しようと奮闘中なのは宮城県塩竈市の仲買人、水産加工会社マルサン商店の松並理恵さん。
海水温上昇などの影響で年々漁獲量が減るなか、相変わらず網にかかるアカエイに着目。漁師さんたちを説得して安定的に仕入れを確保できるようになったそうで、オリジナル商品を開発したり、おいしさを知ってもらおうと地元飲食店と連携してメニュー提供にも取り組んでいます。
もともと栄養価が高くいろいろな調理方法が楽しめる魚ですが、もっとおいしい食べ方が見つかるはずと、開発を挑戦を続けています。新しいアカエイ料理の登場が楽しみです。
未利用魚の活用法 「アカエイ」の新たな価値を創出