北区立滝野川小学校で「海と日本PROJECT 魚の体のつくりを学ぼう!」を開催しました!
内陸地域でも海を考えるきっかけとなるよう海洋教育カリキュラムの開発・海洋教育授業の支援を行っているお茶の水女子大学が、東京都北区立の小学校でアジの解剖授業を実施。魚の体のつくりをじっくりと観察し、海の生き物への興味・関心を寄せていました。
2021.07.19
お茶の水女子大学サイエンス&エデュケーションセンターは、2021年6月29、30日に東京都北区立滝野川小学校の6年生を対象として、1人1匹のアジを解剖する海洋教育授業を実施いたしました。このイベントは、次世代へ海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。
日程
2021年6月29日、30日
開催場所
東京都北区立滝野川小学校
参加人数
児童66名、教員4名
魚の体のつくりはどうなっているのだろうか?
子供たちは理科の学習で、人の体の中の食べ物の通り道や、呼吸の仕方について学習していました。また、「クジラは海面に出てきて呼吸をするのに、マグロはいつも海の中で生活できているのはなぜだろうか?」という問題についてもみんなで考えており、魚の体のつくりがどうなっているのかとても気になっていました。そこで、本物の魚を使って、自分達で確かめることにしました。
はじめに子供たちは班ごとに魚の体のつくりがどうなっているか予想図を描きました。人間の体のつくりを思い出しながら、胃袋はあるのかな?心臓はどこ?脳もあるのかな?・・と予想を立てました。
その後、いよいよ魚と対面です。まずは魚の外観を良く観察しました。折りたたまれている背びれや想像以上に大きく開く口に子供たちは興味津々。そして、予想よりもずっと頭に近いところに肛門があることにとても驚いていました。
続いて体の中の観察です。解剖はさみを使って丁寧に切り開いていき、じっくりと観察しました。Yの字の形をした胃や小さな三角形の心臓、何枚も重なっているエラなどを順番に見ていきました。胃の中から小さなエビのようなものが出てきた子供もいて、海の食物連鎖についても考えることができました。
はじめはドキドキしていた子供たちも、最後には生き物のからだのつくりの精密さにただただ感心していました。片付けの時には、子供たちから自然と「ありがとうございました」と言葉が出てきて、心に大きく響くものがあったようです。
海から離れていても海とのつながりを考えるきっかけに
お茶の水女子大学は海から離れた内陸地域の子供達でも海とのつながりについて考えるきっかけを作ることができるよう、海洋教育カリキュラムや教材の開発を進め、海洋教育授業の支援を行っています。授業実施前には先生方と内容についての教員研修・打ち合わせも行っています。
東京都北区の子供たちは、日常ではあまり海とのつながり、関わりについて考えることはありません。しかし、普段の授業の中に海に関係する内容を取り入れることで、海を意識しない子供たちにも、自然と海とのつながりについて考えさせることができます。今回の体験から他の魚や、魚以外の生き物の体について興味をもったようで、海の生き物への興味・関心を高める実践となりました。
イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています。
参加人数:70人