宮崎で馴染みのシイラから海を学ぶ!「海を大切にしたい」小学5・6年生20人の学び多き2日間
海と日本プロジェクトinみやざき実行委員会は、2021年8月2日、3日に県内在住の小学5・6年生が地域固有魚であるシイラを通じて地域の魚を改めて見つめ直し、「シイラの住む海の環境問題」「シイラの生態、宮崎の魚のこと」などを一泊二日で体験する、「シイラから学ぶ!~宮崎海洋ジュニア学院~」を開催いたしました。
2021.08.20
海と日本プロジェクトinみやざき実行委員会は、2021年8月2日、3日に県内在住の小学5・6年生が地域固有魚であるシイラを通じて地域の魚を改めて見つめ直し、「シイラの住む海の環境問題」「シイラの生態、宮崎の魚のこと」などを一泊二日で体験する、「シイラから学ぶ!~宮崎海洋ジュニア学院~」を開催いたしました。
このイベントは、次世代へ海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。
開催日時
2021年8月2日(月)3日(火)
開催場所
宮崎県立宮崎海洋高等学校、宮崎白浜キャンプ場、サンビーチ一ツ葉
参加者
宮崎県内在住の小学5・6年生10組20名
協力
宮崎県立宮崎海洋高等学校、宮崎大学、株式会社器、宮崎ライフセービングクラブ、海洋連盟
シイラって知ってる?食べたことある?
かつては宮崎でよく獲れ、よく食べられる馴染み深い魚だったシイラですが、最近はそうではないのです。現在はイワシ、サバ、マグロ、サーモンなどの多獲性魚種が全国に数多く流通し、魚食の画一化が進んでいます。参加した県内在住の小学5・6年生にシイラを知っているか、食べたことがあるかを最初に聞いてみました。
すると・・「シイラ??食べたことない!」と口を揃えて答えが返ってきました。漁獲量の変化はもちろんですが、スーパーに行けば世界中で獲れる魚がいつでも並んでいます。それにより、地元で獲れる地元の魚を食べる機会が減ってしまっているのです。今回のイベントでは、シイラを通して宮崎の海の温暖化などによる環境の変化や、地元の魚に意識を向け、必要なだけいただくことを考えました。
子供たちは、「シイラが住む宮崎の海について学ぶぞ!」と意気込んでいました。
【1日目】1時間目:日向灘の環境はどうなっている?
1時間目は、宮崎県が運航し、宮崎県立宮崎海洋高等学校が使用している漁業練習船「進洋丸」に乗船し、日向灘に出発しました。
シイラがいる宮崎県の海「日向灘」の環境を知るために、宮崎県立宮崎海洋高等学校の教諭から日向灘について座学で教えてもらった後、実際に「シイラが生きる海」の海洋観測(水質調査・水温調査・プランクトンネット調査)を行いました。子供たちは、青いと思っていた海が緑がかっていることに驚き、海中には目に見えない生き物(プランクトン)がいて、それを食べてシイラなどの宮崎の魚たちが生きているという食物連鎖を知るきっかけになりました。日向灘は環境が良く、それ故に獲れる魚種が豊富なことを実感していました。初めての大型船への乗船に緊張していた子供たちも、学習が始まると興味津々で積極的に参加する姿が印象的でした。
2時間目:宮崎大学の先生から学ぶ「宮崎の海とシイラの話」
2時間目は、宮崎大学農学部海洋生物学科村瀬准教授の授業でした。
改めて日向灘の環境について触れ、自然の大切さ、生物多様性が私たちにしてくれることを教えてもらいました。また、昔の宮崎県ではたくさんの魚が獲れていたが現在は色々な魚がすくなくなっていて、その原因を考えました。子供たちは温暖化を挙げ、日頃の生活から自分たちが出来ることをする。例えば、冷房の温度設定を気を付ける、プラスチック製品の使用を控えるなど、自ら考え実行しようと心に決めていました。
それでも宮崎県にはいろいろな魚がいて、この多様な魚たちがいる海を大切にしたいと感じていました!
そして、シイラについては驚くことばかり。稚魚は隊長2.5センチですが、成魚(オス)は全長1メートル以上にまで成長し、肉食性でトビウオ類や小魚、イカを食べることを知りました。オスとメスで形が違うので、子供たちはシイラのオスメスの見分けのプロになれました!温かい海の沖合に住んでいるので、日向灘は最適だと、1時間目の調査と紐づけて学ぶことができました。
3時間目:シイラの解体&味噌漬け作りに挑戦!
本物のシイラと初対面!!宮崎県立宮崎海洋高等学校の食品加工工場へ移動し、シイラの血抜きを見て、えらや心臓、胃袋の中には消化途中のイカや魚があり、2時間目に習った肉食性を実感出来ました。
シイラの切り身に味噌を塗り、翌日の朝食を用意。翌日食べるのが楽しみな様子でした!
お昼ご飯も夜ごはん朝ごはんもシイラづくし!
お昼ご飯は、シイラのフライを使ったマヒマヒバーガーを食べました。シイラを食べたことのない子供たちでしたが、大好物のハンバーガーなので抵抗なくモリモリ食べていました!食べた感想は、「美味しい!」「お魚臭くない!」「白身のお魚なんだ!食べやすい!」などでした。
その日の夜ご飯は、シイラの切り身を入れた「シーフードカレー~マヒマヒフレーク添え~」。シイラの切り身を大きめにカットしたので食べ応え抜群!刺身や焼魚を普段食べることが多いという子供たちでしたが、色々な食べ方を知り、「魚ってあんまり好きじゃなかったけど、好きかもしれない!」と嬉しい言葉が聞こえました。2日目の朝食は、お待ちかねの「子供たちが作ったシイラの味噌漬け」とても身が柔らかく、甘い味噌で食べやすかったです。「シイラ美味しい!」と朝から子供たちは言っていました。
【2日目】1・2時間目:海の安全教室&SUP・カヌー体験
1時間目はサンビーチ一ツ葉に移動しました。海に行くことはあるけれど、海で遊ぶ時に注意することなどは意識したことがないという子供たち。そこで、宮崎ライフセービングクラブの代表理事である小玉先生に水辺の歩き方や、心肺蘇生法などを教わりました。楽しい海で悲しい思いをする人が一人もいないように、一緒に遊びに行く友人にも話したいと言ってくれました。
2時間目は、1時間目で学んだことを活かして海のアクティビティSUPとカヌーを安全に楽しみました。
初めて体験する子がほとんどでしたが、すぐに慣れとても楽しんでいました。
3時間目:マヒマヒフレークの開発秘話!シイラを馴染み深い魚にする第一歩?!
2日間でマヒマヒバーガー、シイラカレー、シイラの味噌漬けなど、シイラを色々な方法で食べました。
シイラの食べ方や、美味しさを知ったらまた食べたいと思え、周りの人にもオススメしたくなりますよね?そう思えることが、シイラのような馴染みの薄い魚を昔のように馴染み深い魚にする第一歩なのではないかと思います。
そこで、3時間目ではシイラの加工品「マヒマヒフレーク」について学びました。講師は、株式会社器の西立野社長です。宮崎県ではシイラが獲れますが、かつてよく食べられていたシイラは今では県民はあまり食べず、残って廃棄されることが多くなりました。そこで考えたのが缶詰での保存法でした。缶詰にすると3年間美味しく食べることが出来るそうです。前日にマヒマヒフレークを添えたシーフードカレーを食べていた子供たちは、マヒマヒフレークの美味しさを知っていたので、美味しさを保ったまま3年間も長期保存できることに驚いていました。マヒマヒフレークを使ってマヒマヒサラダを作りたいと西立野先生に話す子供たちもいました。
3時間目:2日間学んだことを自由に絵で表現!
海洋連盟の加藤さんと後藤さんを講師に、オンラインでうみぽすワークショップを行いました。宮崎県の海のこと、シイラのことを学んだ子供たちはどのような宮崎県の海をPRするポスターを作るのでしょうか。
「面白い魚だよ!シイラって」や、「きれいな海を守ろう」など2日間感じたことをそれぞれが表現した素敵な絵が完成した児童もいました。子供たちが描いた絵は、2時間目で学んだマヒマヒフレークの缶詰とコラボレーションすることになっています!
イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています。
参加人数:20人