『海の落語プロジェクト』前半戦全12回終了!8名の落語家が約650名に“海”落語を披露!
「海の親子寄席プロジェクト」は今年から装いも新たに「海の落語プロジェクト」と名前を変え、50回の開催を目指して6月から活動を開始。新型コロナウイルスの影響により、延期や中止になってしまった学校もありましたが、6月4日から10月30日までの間に、東京・神奈川・石川・香川で12回の出前授業を実施いたしました。
2022.02.17
「海の親子寄席プロジェクト」は昨年度、小学校・中学校への47回の出前授業を実施し、3500人超の子供たちに海の環境問題を落語で楽しく伝えてきました。今年から装いも新たに「海の落語プロジェクト」と名前を変え、50回の開催を目指して6月から活動を開始。新型コロナウイルスの影響により、延期や中止になってしまった学校もありましたが、6月4日から10月30日までの間に、東京・神奈川・石川・香川で12回の出前授業を実施することができ、小学校7校/中学校2校/イベント3件で合計約650名の方々に海の現状を巧みに盛り込んだ海落語を披露いたしました。
12回の出前授業には、立川こしら、立川志獅丸、鈴々舎馬るこ、弁財亭和泉、立川吉笑、三遊亭わん丈、三遊亭ふう丈、桃月庵白浪の8名の落語家が持ち回りで参加。会場の多くは小学校・中学校で、生で落語を見るのが初めてという子どもたちばかりでしたが、人気の漫画や時事ネタを盛り込んだつかみの小噺に場内は笑いに包まれ、会場が暖まったところで海落語を披露。8人の落語家たちがそれぞれ創作した海落語は、噺の中に巧みに海洋ごみ問題を織り込んだもので、参加した子どもたちは笑いながらも海洋ごみ問題に対する意識を高めた様子でした。子どもたちに話を聞いてみると「面白かったけど、海のことを考えると笑ってばかりいられないなと思った」「昔話(浦島太郎)を元にした落語だったので、分かりやすかったし面白かった、ごみだらけの龍宮城を想像したら嫌だなと思った」「笑点みたいな感じだと思っていたら違くて楽しかった。でも、海ごみのことを知って気をつけようと思った」といった意見が聞かれました。また、ある学校の先生に話を聞くと「大衆のための芸能である落語に、海洋ごみ問題は一見リンクしないように思いましたが、今や海洋ごみ問題も大衆の問題なんだと思うと、落語と海洋ごみ問題はある意味相性がいいのですね」とおっしゃっていたのが印象的でした。
海落語の後には、環境専門家でプロジェクトのコーディネーターでもある井手迫義和と共に「海洋ごみの問題」「海の温暖化や酸性雨」「漁業資源の問題」など、海に関する問題点をスライドを使って説明。その後は「海の問題を放置しておくと2050年の寿司屋ではどんな寿司ネタが並ぶのか?」を参加者を巻き込んだクイズ形式で行い、今は豊富な魚介による寿司ネタを揃える寿司屋が、2050年には貧相な寿司ネタばかりになってしまうというを伝えました。その事実に子どもたちは少なからずショックを受けていた様子でしたが、海の問題をシリアスに伝えるのではなく、落語の笑いとクイズ形式で楽しく伝えることによって、子どもたちに海の問題を身近に感じてもらえたのではと感じました。この「海の落語プロジェクト」は、次世代へ海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。
イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています
参加人数:650人