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小学5~6年生が八郎潟と海の関係性を学ぶイベント【八郎潟と海のつながりは!?~あきたシジミ調査隊~】を開催しました!

一般社団法人海と日本プロジェクトin秋田県は、人の手で変化させた生態系を元に戻すことの難しさや大変さを体験する学習として、7月27日(木)と28日(金)の2日間で【八郎潟と海のつながりは!?~あきたシジミ調査隊~】を開催いたしました。

2023.08.17

一般社団法人海と日本プロジェクトin秋田県は、かつて日本で2番目に大きかった八郎潟が昔は海で豊かな生態系を築いていたことや、かつてはヤマトシジミがたくさん獲れていた八郎潟が干拓事業により淡水化した現在ではほぼ水揚げされなくなったことなどを学び、人の手で変化させた生態系を元に戻すことの難しさや大変さを体験する学習として、7月27日(木)と28日(金)の2日間で【八郎潟と海のつながりは!?~あきたシジミ調査隊~】を開催いたしました。

このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。

開催概要
八郎潟(はちろうがた)は秋田県の中央西部、男鹿半島の付け根に位置し昭和32年から始まった八郎潟干拓事業によって大部分の水域が陸地化されました。その陸地部分が現在の大潟村になっています。かつての八郎潟は海の一部でたくさんの魚や貝が生息し、現在の大潟村の地層からも貝やクジラの骨などがたくさん見つかっています。干拓前にはヤマトシジミもたくさん獲れていて漁業が盛んでしたが、その後、八郎潟は干拓され海水が入らなくなり生態系にも大きな影響を与え汽水域で生息するヤマトシジミは、現在の八郎潟では水揚げされなくなりました。近年ではアオコが大量に発生するなどの水質汚染問題も起きています。
今回のイベントでは、かつて海だった八郎潟の成り立ちを学習し海の移り変わりの様子を認識しながら海が生物に与える影響を学びます。八郎潟から海につながっている汽水域でヤマトシジミ養殖を行っている団体の養殖場を見学し収穫体験をしながら、シジミが生息するためには海の塩分が必要なことやシジミが水を綺麗にする生き物だということを学び、一度変化した生態系を元に戻す事の大変さとそれには多くの時間がかかる事を学習します。そして、養殖場周辺の水質を調査し塩分濃度や海水温などがヤマトシジミに与える影響を調べ、ヤマトシジミが生息しやすい環境づくりや海の生物のために、自分たちが出来ることを考えます。
日程
2023年7月27日(木)~28日(金)
開催場所
秋田県潟上市、大潟村
参加人数
小学5~6年生 20名
協力団体
秋田県水産振興センター 秋田県立大学 T‐Sac 大潟村干拓博物館 ホテルサンルーラル大潟

八郎潟は昔海だった!?八郎潟の移り変わりの歴史と豊かな生態系を築いていた事を学ぶ

まず「あきたシジミ調査隊」が向かったのは大潟村干拓博物館。博物館では秋田県立大学の早川先生から八郎潟の成り立ちと干拓地の歴史について話を聞きました。八郎潟の地層の剥ぎ取り標本を見ると海に生息する貝が含まれており大潟村周辺はかつて海であったことや、地層に含まれる貝殻の種類を調べることでその地層が堆積した当時の環境を推定出来ることを学び、地層からは海に生息するたくさんの貝殻の化石が確認され、豊かな生態系を築いていたことが分かりました。また、戦後の深刻な食糧不足に対して農地拡大と食糧生産を図ることが主な目的で、潟の水を排水して陸地にした日本最大の干拓地であることも学習しました。子供たちは、今立っている地面が昔は海だった事に驚いたり、豊かな生態系を築いていた八郎潟の歴史や学んだことなどを熱心に学習ノートへメモしていました。

汽水域から海までカヌーでGO!ヤマトシジミが生息している水質はどうなっている?

午後は、実際にカヌーに乗って汽水域がどんな所なのかを体感しました。カヌー初体験の子も多く、まずはパドルの持ち方や漕ぎ方のレクチャーから始まりました。そしていよいよカヌーに乗船。恐る恐るカヌーに乗り込みましたがバランスを取ることに必死でな様子でした。しかし数分後にはしっかりパドルで漕いで進んでいく姿も見られ、子供たちの対応力の高さに感心しました。

カヌー体験の後は汽水域の水質調査を行いました。カヌー体験時に実際に自分たちで汲んできた汽水の塩分濃度や水温、液性(ph)を測定してヤマトシジミが生息する水質に適しているか確認しました。

様々な実験道具を使いながらの調査では、「色が少し変わった」や「塩分濃度3%」と大きな声で確認し合う姿が見られました。調査の結果、汽水域の水質はヤマトシジミの生息に適していることが確認できました。また、夕食時にはシジミの味噌汁を味わいシジミの美味しさを認識しました。

ヤマトシジミの収穫体験と生態系の為に自分たちにできる事を考える

調査隊2日目の学習はヤマトシジミの収穫体験からスタートしました。次々と水の中に入っていく子供たち。数か月前にヤマトシジミを撒いた周辺に移動後、「じょれん」と言う道具を使いシジミを探しますがなかなか発見できません。子供の中には水の中に潜って手で探す子も現れ、30分ほどかけてようやく発見することができました。

初日の水質調査では、水質に問題は無く他に考えられる原因はシジミが生息する砂に原因があるのでは無いかということで、みんなで周辺のヘドロの除去作業を行いました。ヘドロが多いとシジミに栄養がいきわたらず環境が良くありません。水を含んたヘドロは重く臭いも悪く作業は難航しましたが、自分たちの手でシジミの為に出来る事は何かを考えながら作業を行いました。ヘドロ除去作業終了後水から上がった子供たちは周辺のごみ拾いも行い、人間から出たごみから生態系を守る活動も行いました。

豊かな生態系を未来に残そう、つなげていこう まとめの発表とアウトプット商品の制作

2日間の活動を終えた調査隊は、今後生態系の為に出来る事ややらなければいけない事などを発表するまとめの作業に入りました。

一人一人が1枚の絵やメッセージで、今回学んで知ったこと感じたこと、気が付いたことなどをまとめ生態系の為に自分たちに何が出来るのかを発表し、近い将来たくさんのシジミが繁殖・生息し、秋田産のシジミラーメンを作れるように期待をこめて、「シジミンの出汁たっぷりラーメン」のオリジナル商品のパッケージも作成し今秋に発売予定です。また、県民にも今回のイベントの活動を知ってもらい、生態系を守る行動を促すため、一人一人が考えた絵やメッセージは路線バスの車体ラッピングにして周知予定です。

参加した子ども・保護者からの声

開始式の時には緊張の表情で参加していた子供たちですが、最後には積極的に手を挙げて発表する様子も見られました。イベント中も声を掛け合いながら楽しんでいる様子が見られました。

子供たちからは「学校で教わらない事も知る事ができた」「八郎潟が昔は海でたくさんの生き物が生息していた事にびっくりした」「初めて体験する事が多く面白かった」「とにかく全て楽しかった」などの声が聞かれました。保護者からは「たくさんの経験をさせていただいたきありがとうございます。」「子供が少し成長して大きい姿になって帰ってきたように感じる」などといった声があがりました。

 

イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています

参加人数:20人