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下関短期大学の学生9名が「下関の海とフク」を題材にした教育実習に挑戦! 【下関の海を知る・感じる・⾷育イベント】を開催しました!

Minatodeフォーラムは、2023年1月13日(土)に、社会福祉法人松美会 しおかぜの里こども園にて、親子向けイベント「下関の海を知る・感じる・⾷育イベント」を開催いたしました。

2024.01.30

Minatodeフォーラムは、子ども園の園児とその保護者の皆さんに下関を代表する魚「フグ」を題材に、下関の海で起こっている変化と現状を「知る」「触れる」「食べる」という感性を刺激しながら、今の海を感じて考え、100年後の下関の海に想いを繋ぐことを目的として、2023年1月13日(土)に、社会福祉法人松美会 しおかぜの里こども園(山口県下関市/森田紀子 園長)にて、親子向けイベント「下関の海を知る・感じる・⾷育イベント」を開催いたしました。

このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。

開催概要
このイベントは今回で通算3回目となる「子ども園×大学」教育連携の一環です。全国で活躍する海・感性・⾷の専⾨家と下関のフグの専⾨家が⼦どもたちに「海の授業」を開講。下関の海とフク(下関ではフグをフクと呼びます:以下、フクと表記)を学び、しおかぜの里こども園の園児とその保護者合わせて38名、下関短期大学保育学科の1年生9名が合同で参加し、学生が自分たちで考え、制作し、開発したオリジナルの「下関の海とフクを題材にした知育教材」を使った教育実習を実施しました。ほかにも、VRで海の擬似体験や、この日の学びをもとに100年後の海を想像して絵に表現。最後にフクを⾷材とした給⾷をいただくことで総合的な学びの機会となりました。
日程
2024年1月13日(土)
開催場所
社会福祉法人松美会 しおかぜの里こども園
参加人数
57名
協力団体
社会福祉法人松美会 しおかぜの里こども園、下関短期大学

イベントの趣旨説明とご挨拶

はじめに、ご参加の皆さんに向けてイベントの趣旨説明とご挨拶を行いました。本事業の企画・運営をしている実行委員長の柳川舞さんは、2023年度の取り組みと今後の子どもたちへの海の教育についての抱負を語りました。

下関短期大学の山本正俊教授は、「子ども園×大学」が連携できたことは将来保育士を目指す学生にとって有意義な取り組みとなったこと、特にオリジナルの知育教材の企画から制作を経て、実際の教育の現場で発表することができたことは、参加した学生の皆さんの財産となる体験になったと述べられました。

また、現役保育士でもある絵本作家でイラストレーターのふくだのぞみさんは、本年度7月に始まった大学連系プロジェクトの監修を始め、知育教材開発のサポートを担当。通算3度目となる教育実習の総括を参加の皆さんに伝えるとともに、学生の皆さんにエールを送りました。

ふくのおはなし(Minatodeフォーラム 川島智子)

毒、とげ、くちばし、ひれなどの特徴に加え、フク料理として全国でも有名なこと、水産、経済、観光を担っていることをスライドを使って子どもたちに分かりやすくお話をしました。

そして海水温の上昇により下関近郊の海にいたフクが北上し、南方からいろいろな種類のフクがやって来ていること、このままではフクをはじめとする魚が北へ移動してしまうかもしれない危機があることを知りました。この授業を通して、参加された子どもたちと保護者の皆さんが下関の海について考え⾃分ごととして捉えていただく機会となりました。

下関短期大学の学生9名が「下関の海とフク」を題材にした教育実習に挑戦!

しおかぜの里こども園は下関市彦島に位置し、すぐ目の前に「ひこっとらんどマリンビーチ」があります。また、この地区には全国で唯一のフク専門の卸売市場である、南風泊市場(はえどまりしじょう) があります。しおかぜの里こども園の園児たちは、フクの街に住んでいるのです。園児たちはフクや海に慣れ親しんでいる様子で、水族館や図鑑でみた海の生き物のことをたくさんお話してくれました。毎日海を見ながら成長している子どもたちを前に、下関短期大学 保育学科の学生の皆さんによる教育実習が始まりました。学生は1年生。本来なた教育実習は2年生になってから。「下関の海とフク」について伝える楽しさや難しさと「保育の現場」を臨場感を持って体験することができました。
この海の授業は学生がオリジナルで考案した下関の海とフクを題材にした知育玩具や歌などを用いて、教育実習を行うという形を取っています。フクの泳ぎ方を再現する模型の操作や、目で見て耳でしっかりと聞いて学習するおはなしや、歌とダンスに工作など幅広い教材は力作揃い。長時間に及ぶ実習でしたが、園児の皆さんは途中で飽きることなく、楽しくフクや海について学ぶことができました。また、保護者の皆さんも熱心に授業に耳を傾けてくださっていたのが印象的でした。

海の教室海感VR360°感性デザインワークショップ

海に親しんでいる子どもたちでも、海の中を見ることは容易ではありません。VRゴーグルを使って下関の海を見てみましょう。VRに流れる映像はダイバーとしてギネス記録をもち、水中生物とコミュニケーションを取りながら世界の海で水族表現家として活動する二木あいさんが下関の海に潜りナビゲートしてくれます。ゴーグルを通して前後左右360°VRの映像で子どもたちの目の前に広がりました。「ふくの教室」で学んだフグも泳いでいましたが、投げ捨てられたごみなど、海の課題にも直面します。

またVRゴーグルを装着している間、下関の海水や海砂をタライに準備し、その中に素足を入れて触覚や嗅覚を刺激。子どもたちが体や脳で感じる授業を行いました。

「ふくさんがいたけど、ごみが落ちていたよ!」「海にごみを捨てちゃダメだね」短い時間で、しっかりと学びに繋がっていたようです。

OYAKO deふくを海に泳がそう︕ワークショップ

監修に携わった絵本作家のふくだのぞみさんのサポートのもと、ふくの教室やVR体験で学んで感じたことを思い出しなから、子どもたちが思い思いのフクを描きました。保護者は背景となる海中を大判紙に表現。最後に子どもたちが切り抜いたフクの絵をコラージュして完成です。子どもたちが描いたフクや海の生き物たちは、それぞれの特徴が捉えられており、しっかりとした観察眼を持っている子どもたちの能力の高さや可能性を見せつけられました。一生懸命なのは子どもたちだけではありません。保護者の皆さんも力作を仕上げてくださいました!親子の合作の海の絵。100年後、こんなに楽しい海だといいな、そんな気持ちが現れています。

サバフグフリットとふくまんで給⾷

最後に「フクフリット」と、新たに商品開発中の「ふくまん」、汁物、フルーツの給食をいただきました。フクフリットは下関沿岸の天然塩ときれいな海でしか採れないアオサを使い、ふわっと海の香りが口の中いっぱいに広がります。ふくまんは、ホワイトソースをまとったフクの身を餡にして蒸し上げました。保護者の皆さんは興味津々、子ども達は「おいしいね!」と言いながら残さず食べてくれました。

来る2月9日の「ふくの日」は、下関市の小中学校で毎年恒行事となっている「ふく汁」給食の日です。今年は下関市立本村小学校の6年生を対象に、給食の前の3・4時間目をいただき、海の授業を行うことになりました。下関の海の課題とフクについて学び、給食を食べる総合学習を小学校で行う初の試みとなります。

今後もぜひ、海のごちそう地域モデルin下関の活動への応援を宜しくお願いいたします!

参加した子ども・保護者からの声(アンケート、ヒアリングより)

保護者の声

「本日はフクについての講演会でした。子供にも分かりやすい内容で、親も勉強になる内容で参加して良かったなと思える会でした。」

「温暖化の影響や環境汚染によって捕れる魚がとれずいなくなっていることや、ふぐの生態を学ぶことができた。」

「実際に勉強したフクをその後、給食として食べれらるのは良いなと思いました。その調理代や食材費を徴収する場合はその価値があると思います!」

「教育実習生との共同プロジェクトという事もあり子供達と一緒に工作をしたり、VRを観て海の中を潜ったような体験をし、最後にはふぐの試食をしたのでそれなりの費用がかかっていると感じました。」

 

イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています

参加人数:57人