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今治しまなみ海遊体験事業~海の日だからしまなみクルーズフェリーで遠足!~

2015.09.08

今治市民にとって船・海は身近なものでした。今治市は造船の街として栄え、村上水軍の拠点である来島・能島を有し海と共に暮らしてきた街です。そして「物資を運ぶ渡海船」、「島しょ部、中国、九州へ渡るにはフェリー」と市民になくてはならない足として存在していました。しかし市民の足として活躍した船も、1999(平成11)年の「瀬戸内しまなみ海道」開通により船便が減少し、子どもたちが船に乗る機会がなくなってまいりました。

今回の事業は『海に親しむ』だけではなく『今治らしさ』『今治だから出来ること』『今治じゃなければできないこと』を子ども向けのイベントとして実施することで、地域の海に関する産業への関心、海への興味を育てることを目指しました。

1. 海・船の想い出を楽しいものに

今治港を出航し、造船所群を有する波止浜湾を廻り、しまなみ海道の橋、来島海峡大橋、大三島橋、多々羅大橋の下を通り、宮浦港に到着。主会場となる台(うてな)海水浴場にて環境講座、海水浴等を大人88人、小学生 114 人、三歳以下5人が参加し行いました。

車両甲板にて縁日

車両甲板にて縁日

◎船に乗る機会が激減した子どもたちにまず船に乗ってもらう。
◎初めて船に乗る子どもたちに楽しい思い出を提供する。
そして子どもたちに、海・船の体験を通して海・船に興味・関心をもつキッカケづくりを主眼に置きました。

船の中では縁日を展開。船を移動の手段として考えるのではなく、あくまでも舞台として考えました。移動だけで考えれば、高速艇の方が時間も効率的であり経済的です。
しかし効率を追い求める弊害として・・・
1. 高速艇は海の上を跳ねるように走る⇒子どもたちは船酔いし、船の想い出が残念な結果に。
2. 高速艇は閉ざされた環境⇒周りの多島美、自然を十分に味わえない。
3. スピードを上げることにより時間を短縮⇒船の移動の優美さからかけ離れていく。

以上のことからフェリーを選択。開放された空間ではゆったりとした親子の会話、対話が行われていました。
参加者の言葉「子どもとこんなにゆっくり話したのは久しぶりです。」「船(海)からこんなにいろんなものを見たことがなかった。」「初めて子どもが船に乗ったのですが、船が好きになった。」こんな言葉が聞こえてきました。

2.子どもに寄り添った“学びを遊ぶ”をデザイン

【教える⇒教わる】という関係性ではない“学びを遊ぶ”をデザイン。環境講座の講師の方との打ち合わせ段階から、子どもに寄り添った形でお話するようお願いしました。

講師の藤原陽一郎さんは環境学習の講師として様々な活動を展開。海岸清掃や海の生き物観察指導にも造詣が深く、詰め込み型ではなくキッカケづくりとして事業全体のテーマを、「夏休みの自由研究の課題提供」とすることにしました。

〇海の財産クイズ(20問3択)

今治市に関連する造船、船、風土、歴史、環境のクイズを提供。

子どもたちだけで解くのではなく親子で解いてもらえるよう、難易度もちょっと高めに設定。スマホ片手に調べている姿はとても微笑ましく、子どもたちにしかわからないような問題も設定しました。

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クイズいろいろ

平成26年度の全国の開港別貿易総額で今治は何位でしょう。(神戸税関調べ)
①19位②34位③62位

海の事件・事故の海上保安庁、緊急通報用電話番号は?
①117番②118番③119番

みんなの知っている「ワンピース」船にはいろんな仕事があります。
ではナミの仕事は何でしょうか?
①船長②機関士③航海士

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〇海の環境講座
「砂浜ってどんなところ」では①砂浜にいる危険な生き物②探してみよう砂浜の忍者たち③砂浜の植物④陸からきた種等に分け紹介。
面白おかしく話す講師の話術に皆さん引き込まれていきました。
また~DASA-9&うみそうじん~のお話は、子どもが創ったキャラクターが活躍する話であり参加した子どもたちにもわかり易く興味を持って話を聞いていました。
大人も子どもも興味を持って話を聞いている様子は、今回のアプローチ“学びを遊ぶ”が間違っていないことを確信しました。
フェリーでの縁日にて楽しさを演出し、造船所・橋などの迫力を体感。
そしてクイズによる学びを準備。その後海岸にて子どもさんに寄り添った話を展開。“学びを遊ぶ”デザインの成果が子どもだけでなく、大人も含めた能動的な参加という形で表れました。一見普段の生活に関係のない船・海・環境という問題に興味を持ってもらうためには、詰め込み型のアプローチではなく遊びの中にそっと学びを入れる方向性が間違っていないことが確認できました。
環境講座の後は参加者の皆さん全員で砂浜の掃除を行いました。

3.海で遊ぶことの重要性

海があり砂浜がある海岸がある今治市なのですが、子どもと一緒に海に行く機会は減ったと聞きます。海に行くよりも、プールの方が楽ということがあります。今回スイカ割りを行ったのですが、「初めてやった」という子どもたちも多く『砂浜での当たり前の風景』というものが変化してきています。
これからの海の産業・環境等を担っていく子どもたちに、いろいろ詰め込み型のアプローチよりも船に乗る機会を提供し海での楽しさを提供することに今後も尽力していきたいと思いました。

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参加人数:207人