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サーモンについて学ぼう!「その“サーモン”どこから来たの?2022 ~海と日本PROJECT~」を開催しました!

サケのふるさと千歳水族館は、北海道大学大学院水産科学研究院と共催で、「その“サーモン”どこから来たの?2022~海と日本PROJECT~」を開催。海の環境や生物、海洋保全に対する理解を促し、海や水産への興味や関心を高めてもらうのが目的です。

2022.09.20

サケのふるさと千歳水族館は、北海道大学大学院水産科学研究院共催のもと、2022年8月20日にサケの仲間について学び、握り寿司づくり体験等を行うことで青少年に海の環境や生物、海洋保全に対する理解、「海や水産」への興味や関心を高めてもらうことを目的とした、『その“サーモン”どこから来たの?2022~海と日本PROJECT~』を開催しました。

このイベントは、次世代へ海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。

開催概要
北の「海の宝」の代表格である「サケ」を中心とした飼育・展示と「サケ」を通した教育活動を長期間に渡り実施。本イベントでは、サケのふるさと千歳水族館と北海道大学大学院水産科学研究院および北海道内で回転ずしを展開している企業とが協力し、寿司ネタとしての「サーモン・サケ」に焦点を解説。座学、解剖、調理、試食といった五感で体験する食育により、「海の宝:サーモン・サケ」を理解してもらい、次世代を担う若者に「海や水産」への興味や関心を高めてもらうことを目的とし開催。
日程
2022年8月20日(土)13:00~15:00
開催場所
千歳市 サケのふるさと千歳水族館 2階学習室
参加人数
24名
主催
サケのふるさと千歳水族館
共催
北海道大学大学院水産科学研究院
協力
株式会社ダブリュ・コーポレーション、北々亭 千歳店

様々なサケについて学びました

昨年と一昨年は、新型コロナウィルス感染拡大の影響で10月に開催をいたしましたが、今年は調整の結果、8月下旬に6回目のイベント開催を行う運びとなりました。千歳水族館には世界的に珍しい川底を観察できる窓が設置されており、海から戻ってきた産卵間近のサケ(シロザケ)を見ることができます。今年は例外的にシロザケの千歳川への回帰が早く、すでに6,000尾程度の遡上がありました。当日はあいにく観察窓にはその姿を確認出来ませんでしたが、来館者は夏にサケが回帰?と驚いている様子でした。今回も感染防止のため、参加は個人ではなくグループ単位、8組までと設定。7月からの感染急拡大により、参加者が集まるかなど懸念もありましたが無事に枠は埋まり、リピーターも2組あったとのことで本イベントが地域にも定着していることが伺えました。残念ながら、当日に2組のキャンセルがあったため、最終的には6組24名の参加となりました。グループはすべて家族単位で、3世代での参加も。イベントは3部構成で、サケにまつわるお話、お寿司用サケ解体実演、およびお寿司握り体験と水族館バックヤードツアーを行いました。

菊池館長の司会進行からイベントがスタート。始めに、北海道大学北方生物圏フィールド科学センターの報告者(清水宗敬・本事業実行委員)が、「北海道と世界の“サーモン”」というタイトルで話をしました。今年は小学校低学年・幼児のお子さんとその父母の組み合わせが多く、子供向けの写真や絵を使ったクイズに時間を取りつつも、大人にもためになる情報を提供できるようメリハリを意識。サケ幼魚とイワシの側面・腹側が銀色で背中が黒っぽいのは、海では保護色になるためであることをクイズを交えて説明しました。また、日本におけるサケ・マスの自然分布は九州南部にまで至っていること、そして、台湾には氷河期以降に取り残されたサクラマスが高山地方にいることを説明すると、大人からも驚きの声が上がっていました。その後、北海道のサケ(シロザケ)と、ヨーロッパのサーモン(タイセイヨウサケ)の解説を行い、両者を中心に呼び名などを整理しました。そして、ノルウェーでフィヨルドを利用したサーモン養殖の成功例を紹介する一方、大規模養殖で問題となっている魚の生け簀からの逸失の問題についても話をしました。最新のトピックとして、函館でのマスノスケ(キングサーモン)の養殖の試みを紹介し、最後に、北海道はふ化放流事業の維持、野生魚の保護および養殖の導入のバランスを考える上で重要な地域であることを強調して座学を終えました。質問タイムでは、大人の参加者から、ふ化放流魚と野生魚の関係についてや、サクラマスの回遊範囲についての質問が上がりました。その時、子どもからの質問はありませんでしたが、イベント終了時に複数名がわざわざ質問をしに来てくれたことを嬉しく思いました。
次に、北々亭を運営する株式会社ダブリュ・コーポレーションの高尾営業部長によるサーモンの解体を実演。北々亭千歳店様に準備していただいたお寿司用サケ・サーモン(ノルウェー産タイセイヨウサケ、日高産シロザケ「銀聖」、チリ産トラウトサーモン、白老産養殖ニジマスおよびアメリカ産イクラ)がずらりと並んだ横で、高尾営業部長による軽やかな説明と包丁さばきがあり、参加者はとても興味深そうに見学していました。この日のために、「ネタはいつもより大きくね!」と板前さんに仰っていたのが印象的でした。
 

参加者全員でお寿司の握り体験!

そしていよいよ、握り体験の時間。参加者の密集を避けるために、2組に分けて、もう一方は水族館のバックヤードツアーを先に体験しました。このような分散方法は2年前から確立されており、時間的にもスムーズに進行することが可能に。いつもより大きいサイズのネタでの握り・巻きもの体験も、握りブースと巻物ロボットブースを準備し、密集を避けながらグループ体験をしてもらいました。北々亭のスタッフの方々はグループが変わる度に、丁寧に指導して下さっていたようです。お待ちかねの試食会では、自分が握った・巻いたお寿司を味比べしながら参加者の皆さんが美味しそうにほおばっていました。バックヤードツアーでは、普段見ることのない大きな水槽の裏側や水族館を裏で支えるポンプ・機械系統を見学しました。菊池館長の丁寧な説明に参加者は大きくうなずき、冷たい水が流れるパイプが集まった部屋はひんやりとして快適な時間を過ごしました。
開催日が近くなってからの感染拡大で心配していましたが、千歳水族館のきめ細やかな対策と進行で無事にイベントが実施できました。北々亭の皆様も、多忙なスケジュールを何とか調整し、子供達に体験イベントを提供したいという想いでいらっしゃるのが伝わってきました。あいにく、中高生の参加はありませんでしたが、小学生・幼児にサケを通して海のことを意識してもらうきっかけになったと思います。本イベント開催に尽力してくださった千歳水族館、北々亭の皆様、ならびにご協力いただいた学芸員研修生とボランティア大学生の方々に厚く感謝申し上げます。
 

 

イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています

参加人数:24人