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学校授業用の教材発送と一般向けの体験イベントを同時開催し、ウニ(タコノマクラ)の発生実験を通して海を学び、海を表現しました!全国一斉ウニの発生体験 2022年夏

お茶の水女子大学湾岸生物教育研究所が年3回開催しているオンラインイベント「全国一斉ウニの発生体験」の6月〜8月の夏の回では、タコノマクラというウニを用いて発生体験を行いました。最後に表現作品コンテストを開催し、グランプリを決めました。

2022.10.07

お茶の水女子大学湾岸生物教育研究所は、全国の小中高校と一般の方にウニの未受精卵と精子を教材として発送し、それぞれの場所で発生実験を行い、オンラインイベントで利用者同士を繋いで一体感をもってもらうイベント、「全国一斉ウニの発生体験」を年3回(夏、秋、冬)開催しています。

2022年6月-8月実施の夏のイベントではタコノマクラというウニを用いて、学校36校と一般18件が受精実験教材を利用した発生体験を行いました。そのうち37件は追加教材を利用した幼生飼育にも挑戦しました。受精実験も幼生飼育も「実際にタコノマクラが暮らしている海の環境に近づけること」が成功のポイントで、特に夏の取り組みは温度制御に苦労しながらの挑戦となり、海の中が真夏でも猛暑とはならない環境であることを実感することとなりました。幼生飼育が一段落した8月下旬には”表現作品コンテスト‴を開催しました。今回のウニ教材利用を通じてそれぞれが海について学んだことを表現した作品を出品してもらい、オンライン上で展示と相互投票を行ってグランプリを決めました。

このイベントは、次世代へ海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。

イベント概要

夏に繁殖期を迎えるタコノマクラというウニの未受精卵と精子を受精実験用の教材として準備し、その一斉提供を3日程で行いました。日程1(6月22日着)、日程2(7月6日着)は学校の授業用教材としての提供、日程3(7月20日着)は一般の利用と学校の部活動などでの利用のための提供としました。教材はお茶の水女子大学湾岸生物教育研究所から直接学校や家庭に発送し、受け取った後はそれぞれの場所で実験をしてもらいました。

教材はキット化されていますので、卵と精子を一滴ずつ取って混ぜると受精とその後の初期発生の観察を簡単に行うことが出来ます。タコノマクラは卵が透明なので、卵の内部変化の様子まで観察できた例や、卵割の様子を顕微鏡の焦点を変えながら奥まで観察した報告例などもありました。

希望者には受精実験に続いて幼生飼育にも取り組んでもらいました。「植物プランクトンと動物プランクトン」という別教材を追加で用いて、餌となる珪藻(植物プランクトン)も自分達で継代培養してウニ幼生(動物プランクトン)を育てました。最初の珪藻が増えるまでに一週間くらいかかるので、こちらの教材は卵精子を発送する前の週に届けました。

・オンラインイベント
教材の発送とセットで3種類、全4回のオンラインイベントを開催しました。
1.オンライン相談会(7月21日開催、日程3が対象)
2.オンライン報告会(7月14日開催の日程1と2対象、7月28日開催の全日程対象、の2回)
3.表現作品コンテスト(8月10-19日に作品募集、8月20-31日に展示と相互投票、9月1日に結果発表)
以下、それぞれのオンラインイベントについて簡単に報告します。

それぞれの参加人数は、1. 14+6名(当日参加+録画視聴)、2. 日程1と2が10+7名、日程3が17+7名(当日参加+録画視聴)、3. 出品者26名、投票者31名でした。

オンライン相談会・報告会

・オンライン相談会
日程3については初めての人でも実験に失敗しないよう、”オンライン相談会”を行いました。これは実験についての質問に答える会で、研修の場ともなっています。学校教員は各地域で教材研究の研修会があり、当研究所でも冬休みに教員対象の事前研修会を開催していますが、一般の方にはそのような研修の機会が無いので設けたものです。今回は「海洋教育を担う人材の育成」も目指して、今回が3回目のイベント参加となる小学6年生の井田かれんさんに特別講師をお願いしました。海のキッズサポーターでもある井田さんは、2021年度の冬のイベント参加の際には妹さんに実験方法を分かりやすく伝えるために自分の言葉で実験手順を示したマニュアルを作成してくれており、その作品は表現作品として冬のコンテストで準グランプリを獲得していました。今回はそのマニュアルに基づいた研修をしてもらいました。研修では妹のまりあさんも特別講師の助手を務めてくれました。家庭で実験を実際に成功させた先輩利用者から直接実験の手順やコツが学べたということで、この研修はとても好評でした。

・オンライン報告会
受精実験が終わる頃に”オンライン報告会”を行い、実験に関する情報を共有しました。報告会は2回行い、7月14日には日程1と2に参加した学校対象の報告会、7月28日は全日程を対象とし、学校と一般の両方が混ざって発表を行う場としました。7月14日の報告会では7校が発表を行い、タイムラプスの動画撮影についてや、顕微鏡にスマートフォンを装着するための工夫などについての情報共有が行われました。生徒が発表を行った学校もありました。7月28日の会では、一般5件と学校2校が報告を行いました。パワーポイントを駆使した発表や手書きのフリップを用いた紙芝居風の発表など、各自が工夫を凝らした発表を行いました。

表現作品コンテスト

イベント参加者それぞれがウニの発生実験から学んだことや感じたことを作品にまとめてもらい、オンライン上で展示会を開催しました。観察レポート部門、アート部門の2つに分け、観察レポート部門には13作品、アート部門には15作品が集まりました。参加者には部門ごとにグランプリ作品を一つ選んでもらい、特別賞を任意で記述してもらいました。全員がコンテストの審査員の立場となることで、作品をしっかり見てもらえたのではないかと思っています。今回は、アート部門のグランプリが同点で2作品となりました。冒頭で紹介した「個性」と「クルクルダンスパーティー」です。「クルクルダンスパーティー」は観察レポート部門でもグランプリを獲得した中学3年生のまなさんによる動画作品で、初の2部門制覇となりました。観察レポートのグランプリ作品となった「タコノマクラの観察レポート」は、実際に行った実験手順を写真付きで丁寧に報告してあり、今後の実験マニュアルとしても役立ちそうな作品です。

特別賞では、「生物室に飾りたいで賞」「楽しいレポートだったで賞」「可愛がって観察したのがよく分かるで賞」といった投票者から出品者へのメッセージが込められたユニークな賞が多くの作品に与えられました。

参加した子ども・保護者・学校教員からの声

子どもからの声
・ずっと心配だったタコノマクラが変態できてよかったです!稚ウニ、大事に育てます!!
・今まで海洋生物を見たり観察するのが好きだったけど、今回初めて発生から観察することができて、今までとは違う角度から生物を見ることができいろんな発見がありました。生物を毎日世話することも自分で続けたのは初めてで大変だったけど楽しかったです。このまま成体まで育てられるように頑張ります。ありがとうございました。また参加したいです!

保護者からの声
・よかったです。発表するのが面白かったと本人が言っていました。今回は、自分で実験して、発表するものや言うことを自分で準備して、自分でうまく発表できたのがうれしかったようです。本人にこのような機会を与えてくださりありがとうございました。
・卵割動画はとても興味深かったです。子供達に貴重な経験をさせて頂きありがとうございました。

学校教員からの声
・実績のある他校さんの取り組みや実際の発生の進み具合を知ることができ、大変有意義でした。
・今回参加した1年生の生徒たちにとって初めての発表でしたので、大変やりがいを感じたようでした。何かしら疑問を見つけて、探究する活動につなげていければ良いなと思っています。
・すでに発生の経験がある方からのお話を伺えたこと、写真・動画撮影の情報を知れたことが大変に良かったです。開催して頂きありがとうございました。

 

イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています

参加人数:118人