日本の島々から直送された海の幸を日替わり提供!ritokei×まちの社員食堂「島の魚食WEEK」
特定非営利活動法人離島経済新聞社(NPOリトケイ)は、鎌倉市の「まちの社員食堂」にて、ritokei×まちの社員食堂「島の魚食WEEK」を開催。日本の島々から直送された新鮮な海の幸を使った日替わり定食や、島の未利用魚や低利用魚を活用したスープの試食を提供するなど、島々の漁業水産魚の魅力を発信しました。
2024.03.27
特定非営利活動法人離島経済新聞社(以下、NPOリトケイ)は、2024年2月26日(月)〜3月1日(金)の期間、日本の島々の漁業水産魚の魅力発信を目的として、鎌倉市の「まちの社員食堂」で、日本の島々から直送された新鮮な海の幸を日替わりで提供するritokei×まちの社員食堂「島の魚食WEEK」(以下「島の魚食WEEK」)を開催。281食を提供しました。
このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。
開催概要
離島5地域から直送された魚介を使った日替わり定食の提供(有料)
島々の未利用魚や低利用魚を活用したスープの試食提供(数量限定・無料)
有人離島専門フリーペーパー『季刊ritokei』44号の配布(数量限定・無料)
日程
2024年2月26日(月)~2024年3月1日(金)
開催場所
まちの社員食堂(神奈川県鎌倉市)
販売数
281食
協力団体
一般社団法人Chefs for the Blue、株式会社カヤック、粟島浦漁業協同組合、有限会社丸徳水産、瀬戸内漁業協同組合、与論町漁業協同組合
5つの島から直送された魚を日替わり提供!
NPOリトケイは、2021年より「島の魚食」を盛り上げるプロジェクトを継続しています。プロジェクトの一環として、面白法人カヤックが運営する「まちの社員食堂」(鎌倉市)で、全国の島々の海の幸を提供する「島の魚食WEEK」を開催してきました。2021年に累計541食、2022年に累計295食を売り上げた人気企画です。
第三弾となる2024年は、粟島(あわしま|新潟県)、弓削島(ゆげじま|愛媛県)、対馬島(つしまじま|長崎県)、奄美大島(あまみおおしま|鹿児島県)、与論島(よろんじま|鹿児島県)から新鮮な海の幸を直送。期間限定のオリジナルメニューを日替わり提供し、5日間で合計281食を販売しました。
メニュー一覧
2/26(月)アイゴのフィッシュビリヤニ(対馬島|長崎県)
2/27(火)テングハギのフライ定食(与論島|鹿児島県)
2/28(水)ブリの漬け丼(粟島|新潟県)
2/29(木)チヌの潮らーめん(弓削島|愛媛県)
3/01(金)ツムブリのハーブソテー・サフランライス(奄美大島|鹿児島県)
メニューを作成した「まちの社員食堂」の釘谷知樹さんは、普段からさまざまな地域の産品をアレンジした料理を同店で提供しています。その経験を活かし、今回は、産地も味わいも異なる5島5種の魚をおいしく味わう料理を考案していただきました。「島から送られてくる魚がすごく丁寧に処理されていて助かりました。僕自身、たくさんの魚を触って調理するのは久しぶりで、楽しい一週間でした」と、釘谷さん。
初日の2月26日は、対馬島で「磯焼け」(※)の一因として捕獲されたアイゴを使用。ニンジンとココナッツパインのあえ物を添えたエスニックな炊き込みご飯の上に、カレーとスパイシーなトマトソースをかけ、揚げたアイゴを乗せた「アイゴのフィッシュビリヤニ」は、揚げたアイゴのカリッとした食感がアクセントになり、魚の風味もしっかりと味わえる一品です。
※気候の変化や生物による食害などにより、海藻が著しく減少・消失し、海藻が繁茂しなくなる現象
「当店の人気メニュー、ビリヤニでアイゴをアレンジしてみました。独特の磯臭さがあるアイゴは皮ごと揚げることで余分な水分を飛ばして皮はカリッと、身はふっくらとした質感に。鰹節、七味唐辛子、クミンを混ぜた特製スパイスで魚の旨味を引き出しています」(釘谷さん)
同日は、同店の服部みゆきさんがメニューを提供しながら来店客にその日の魚の背景を説明。「ご年配の方や一人暮らしの若い方など、なかなかお魚を自分で調理する機会が少なくなっているので、日替わりでいろいろな魚が食べられる企画は楽しみにしているお客様も多いようです」と服部さん。
日頃関東では目にすることの少ない島々の未利用魚や低利用魚も提供した「島の魚食WEEK」。会期中は、来店客とお店の間で「この魚は何ですか?」「クロダイをチヌと呼ぶとは知らなかった」など会話が増え、島々の魚や海の課題について話題が広がっていました。
3島3種の未利用魚・低利用魚のスープを試食提供
2023年度、リトケイは豊かな海と日本の魚食文化を未来につなぐことをミッションに活動するシェフ集団Chefs for the Blue(シェフスフォーザブルー、以下C-BLUE)と協力し、島々の未利用魚や低利用魚を活用したレトルト食品の商品開発に挑戦。
弓削島のチヌと対馬島のアイゴは、海藻をよく食べるため「磯焼け」の一因とされています。与論島のテングハギは、おいしく食べるための下処理に手間がかかるため、地元でもあまり食べられていない低利用魚です。これらの魚の需要をつくることで漁業関係者の新たな収入をつくり、島周辺の豊かな漁場を守ることを目指しました。
商品開発では、C-BLUEのメンバーとして活動する後藤祐輔シェフが、それぞれの魚の魅力を引き出す3種類のスープのレシピを考案。シェフのレシピをもとに、おいしさを再現する高度なレトルト加工を施し、常温で半年間の保存性を備えた「おいしく食べて海もよろこぶお魚スープ」が完成しました。
「島の魚食WEEK」期間中は、同商品を日替わりで無料試食提供。会場にチヌ、アイゴ、テングハギそれぞれの商品開発の背景を親しみやすいイラストで伝えるポスターを掲示しました。初日に来店した2人組の女性客は、ポスターを見ながら「テングハギってこんな魚なんだ」「かわいいね」と話題がはずんでいました。
また、本プロジェクトの背景を伝えるフリーペーパー『季刊ritokei』44号も配布。日替わりのランチメニューをおいしく食べて島の漁業を応援、海の課題解決に貢献できるスープを試食し、新聞を読んで、島々の漁業をとりまく問題や課題解決に向けたプロジェクトの取り組みを知っていただく機会となりました。
来店客の声
来店客への聞き取りとスープを試食してのアンケートより、一部抜粋してお伝えします。
来店客のコメントより
・「磯焼け」問題のことは耳にしたことがあったが、詳しくは知らなかった。アイゴを食べるのは初めてだが、おいしかった
・いろんな島の未利用魚や低利用魚が定期便で楽しめるサービスがあると良いと思う
・アイゴを初めて食べました。年配の方には南蛮漬けなどのメニューも良さそうですね
スープを試食してのアンケートより
・便利で安くおいしいものがたくさん世にある中、それと競うよりもストーリー性を中心に伝えると良いと思う
・フィッシュボールの食感が楽しかった
イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています
参加人数:281人