佐賀県内の小学生19人が参加! 熱き想いで地元有明海の2つの干潟の違いを体験、調査【SAGANキッズ2021~有明海干潟調査隊~】を開催しました!
海と日本プロジェクトin佐賀県実行委員会は、佐賀県鹿島市と佐賀県佐賀市で2021年8月7日(土)~9日(日)に、佐賀県内の小学生19人が、有明海の干潟について学ぶ「SAGANキッズ2021~有明海干潟調査隊~」を開催しました。
2021.08.20
海と日本プロジェクトin佐賀県実行委員会は、佐賀県鹿島市と佐賀県佐賀市で2021年8月7日(土)~9日(日)に、佐賀県内の小学生19人が、有明海の干潟について学ぶ「SAGANキッズ2021~有明海干潟調査隊~」を開催しました。
佐賀県に面する2つの干潟「鹿島市の干潟」と「東よか干潟」はそれぞれ地域の人々の利活用の仕方や関わり方が異なっています。鹿島市の干潟では干潟で行う干潟漁が活発に行われているように、人々の生活様式に合わせた活用がされており、一方で、東よか干潟は塩生植物「シチメンソウ」の保護や大学での講義の一環としても行われる干潟の漂流ごみ調査・生物調査など、環境保全を考える干潟となっています。
今回のイベントでは子どもたちがそれぞれの干潟で、干潟の利活方法を体験学習することで、干潟がどのように利活用されているのか、どのような問題を抱えているのか学びました。「有明海の将来を考えたい!」そんな熱い思いを持った調査隊メンバーが、有明海の干潟について学んだ3日間の記録です。
このイベントは、次世代へ海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。
開催概要
有明海を学び、体験し、考える体験学習「SAGANキッズ2021~有明海干潟調査隊~」
日程
2021年8月7日(土)~9日(月)
開催場所
佐賀県鹿島市、佐賀県佐賀市
参加人数
小学生19名(佐賀県)
協力団体
佐賀大学、鹿島市干潟交流館、東よか干潟ビジターセンター「ひがさす」
鹿島市干潟と地域の人々の関わり方
初日、調査隊は、国際的に重要な湿地「ラムサール条約湿地」として登録されている鹿島市の干潟で学びをスタートしました。午前中は、鹿島市干潟交流館で、鹿島市干潟の専門家である佐賀大学の藤井先生による講義で、小学生は有明海全般のことを学びました。
有明海は干満の差、干潟の面積が日本一の海です。有明海は特有の環境を有しており、地域の人々の関わり方も特有なものとなっています。特に鹿島市では、干潟は生活の一部として活用されており、子どもたちは伝統漁で使用する漁具についても学びました。
干潟漁体験で大変さを実感!
調査隊は干潟の伝統漁「うなぎ塚」にチャレンジしました。仕掛け網漁のようなもので、生き物を確認するために大きな石を動かして網の中を確認すると、調査隊はとびはぜ、カニなど様々な生き物を発見しました。かつて「豊饒の海」と呼ばれた有明海。子どもたちからは、「この生物を絶やさないようにしなくてはいけない。」「有明海を守っていかなくてはいけない。」などの声が上がっていました。うなぎ塚の後は、干潟漁に欠かせない「ガタスキー」体験、干潟を移動することの大変さを感じ、干潟の伝統漁の成り立ちについても学びました。
東よか干潟ってどんなところ?
2日目、調査隊は佐賀県に面するもう一つの「ラムサール条約湿地」である東よか干潟に場所を移しました。東よか干潟の専門家である佐賀大学の郡山先生による講義で、東よか干潟の特徴、干潟に生息する生き物や漂流するごみなど、子どもたちは興味津々に学びました。塩生植物「シチメンソウ」の国内最大の群生地でもある東よか干潟は、絶滅危惧種であるシチメンソウを守るために地域の人々の環境活動も活発となっており、シチメンソウの生育状況は東よか干潟の環境保全の指標の一つにもなっています。
干潟の漂流ゴミ!
世界中で大きな問題となっているプラスチックごみ問題。有明海も例外ではありません。佐賀大学の学生のサポートを受けて、調査隊は東よか干潟の漂流ごみ調査を行いました。目立ったゴミはプラスチック類。調査隊は拾ったごみを見て、海洋ごみ問題を肌で実感するとともに、有明海の干潟や生息する生き物を守っていかなければいけない、などの声が多く上がっていました。
干潟の生き物調査!
東よか干潟には様々な特有の生き物が生息します。調査隊は、岸から10m、50m、100m、150mと離れた地点の干潟の生き物を調査しました。カニ、ゴカイなどの生き物が多く見られ、岸から遠いところほど生物の数は多くなるという結果になりました。干潟に生息する生物の種類は今でも分かっていません。
体験学習の集大成、発表会
最終日、有明海の干潟での体験や調査を通して、有明海の干潟の利活用法や環境問題について考えさせられた調査隊。有明海の干潟でどのような干潟漁が行われているのか、干潟に生息する生物などに触れました。その一方で、有明海が抱える問題も目の当たりにしました。2日間の体験から、自分たちは有明海を将来どのように利活用すればいいのか、どのように向き合っていかなければいけないのか考え、発表しました。発表の様子はYoutubeでも同時配信されました。子どもたちからは、「今のような生き物が多い干潟であってほしい。」「ごみの無い綺麗な有明海になってほしい。」などの声が上がり、子どもたちが有明海の将来を考えるきっかけになりました。
佐賀県には大人向けの干潟環境保全プログラムはありますが、子ども向けのものが少ないことが問題となっています。今回、子どもたちが学んだことを他の子どもたちも学べるように、海と日本プロジェクトin佐賀県実行委員会は、オリジナルの干潟調査シートを作成し、8月21日(土)より公式HPにて配布します。まずはこの調査シートによって、より多くの子どもたちが干潟のことを考えるきっかけになることを望んでいます。また、今回のイベントの成果物として、子どもたちが有明海への思いを描いたポスターは、今後、県内を走るラッピングバスや海苔アートとして広く発信されます。
イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています。
参加人数:19人