沖縄と北海道の小学生がオホーツク海をテーマに集結! 流氷観測やクリオネ観察を通して海の環境維持を考える 「第3回 オホーツク流氷調査隊」 北海道網走エリアを舞台にオンライン開催しました!
海と日本PROJECTin沖縄県実行委員会と海と日本プロジェクトin北海道実行委員会は、第3回オホーツク流氷調査隊を2月12日(土)に北海道網走エリアを舞台にオンライン形式で開催しました。
2022.03.11
海と日本PROJECTin沖縄県実行委員会と海と日本プロジェクトin北海道実行委員会は、第3回オホーツク流氷調査隊を2月12日(土)に北海道網走エリアを舞台にオンライン形式で開催しました。沖縄からはしまうみ探検隊の10名、北海道からは第2回オホーツク流氷調査隊2021(主催:海と日本プロジェクトin北海道実行委員会)の9名がそれぞれ参加し、小学5・6年生合計19名がオンラインでひとつのチームとなって取り組みました。
第2回の沖縄でのサンゴの海の調査に続く今回は、北海道のオホーツク海にやってくる流氷の観測や氷の下のアイスアルジーについて、現地からの映像と解説、時にはクイズを交えながら調査。流氷の形成メカニズムや亜寒帯域に生息する生物について学んだほか、流氷はなぜオホーツク海にやってくるのか、海の豊かさと流氷は関係があるのかなどを、オホーツク流氷館の方からの解説や現地の映像を通して解き明かし、海を未来へつなぐためのアクションを考えました。
このイベントは、次世代へ海を引き継ぐため、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。
概要
Zoomウェビナーによるオンライン形式で開催しました。
日程
2022年2月12日(土)
開催場所
オンライン(北海道網走エリアからの現地中継を含む)
参加人数
沖縄・北海道の小学5・6年生 計19名
協力団体
網走市、網走市観光協会、網走観光振興公社、網走漁業協同組合、東海大学生物学部
「流氷はなぜできる?」
まずは、網走にある「オホーツク流氷館」案内スタッフ・森井さんから「流氷ができるメカニズム」や「流氷がもたらす豊かな恵み」、「地球環境とのつながり」などについて説明を受けました。
北海道のオホーツク海側は、冬になると流氷に覆われます。でも太平洋や日本海は凍らないのになぜオホーツク海だけが凍るのでしょうか?オホーツク海は塩分の薄い層、濃い層が二重になっていること、シベリアからの北風でオホーツク海が冷やされることなどの条件が重なることによって起こる現象なのです。まさに「奇跡の流氷」と呼ばれる訳を学びました。
続いて、東海大学の大橋先生からは「沖縄と北海道の海の海流のつながり」や「流氷が凍るときのお話」、「サロマ湖とオホーツク海の塩分について」などの講義を受けました。
子どもたちは、”海水が凍って流氷ができる時のメカニズム”を、”オレンジジュースを凍らせる時”という自分たちの身近なものに例えた説明を受け、イメージしやすかったようです。
また、海流によって沖縄と北海道の海だけでなく、世界の海が繋がっていることも改めて教えてもらいました。大橋先生からは、海のことを考えるときは、広い視点で考えられる人になって欲しいというお話もあり、子どもたちは熱心にメモを取りながら聞いていました。
「アイスアルジーと生き物観察」
日本で3番目に大きい湖のサロマ湖は、オホーツク海からの海水が流れ込む汽水湖です。午前中の大橋先生の講義で、オホーツク海の海水とサロマ湖の水は良く混ざり合っていて塩分はほぼ同じなので、オホーツク海の流氷とサロマ湖の氷の成分もほとんど同じと考えられていることを学びました。
というわけで、東海大学の野坂先生、レポーターの山崎さんがサロマ湖に行って、湖上に張った氷を切り出し、氷の様子や氷の下の生き物の観察を行いました。
ドリルや氷ノコなどの道具を使い、氷を切り出してみると、氷の下には茶色っぽくなった部分が。ここにアイスアルジーと呼ばれる植物プランクトンが付着しています。現地からは「このアイスアルジー(植物プランクトン)の殻はみんながよく知っているあるものでできていますが、それは何でしょうか?①ゴム②ガラス③タンパク質」という三択クイズも出題。子どもたちは「魚や他の生き物もタンパク質でできていると聞いたから③」「③は自然にありそうなもので、他は人工的なものだと思ったから」などの理由からなんと全員が③を選びましたが、果たして正解は?ー実は、誰も選んでいなかった②ガラスが正解でした。
海の中にはガラスの元になるケイ素が含まれていて、植物プランクトンが体内に取り込んでガラスの成分でできた殻を形成するそうです。
「オホーツク流氷調査隊を終えて」
オホーツク海のことについてたくさん勉強した最後には、講師の先生方へ子どもたちからの質問タイム。「植物プランクトンが食べる栄養は?」「流氷がある時とない時で海の塩分濃度は違う?」「オホーツク海から流氷が無くなったら海の透明度は変わる?」など海の専門家である講師の先生方も思わず回答に詰まるほど鋭い質問がどんどん飛び出し、子どもたちの海の学びに対する意識の高さがひしひしと感じられました。今回の学びの成果は、第1回~第3回の調査隊の体験を通して、印象に残っていることや海の未来へつなぐメッセージやイラストを宿題として書いてもらいました。このメッセージは網走のオホーツク流氷館に掲出されます。もう1つの成果として「流氷飴とサンゴ飴」のオリジナル商品を開発。そのキャッチコピーを子どもたちに考えてもらい、採用されたキャッチコピーは商品の箱に印刷されて実際に販売されます。(販売は2022年春頃を予定)
イベント終了後、参加した子どもたちからは「日本は南北と縦に長く、こんなに違いがあるとは知らなかった」「沖縄と北海道の海それぞれ違うところと共通点を学ぶことができた。今度は他の県についても調べてみたい」という声や、沖縄の子どもたちからは「今度は北海道に行って実際に流氷を見に行きたくなった」との感想を聞かせてくれました。来年度はリアルイベントの開催が叶うことを願いつつ、今後も海と日本プロジェクトが掲げる海の未来へとつながる取り組みを続けていきます。
イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています
参加人数:19人