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瀬戸内海最大の干潟・中津干潟は生き物の宝庫!?その秘密と課題を地元小学校5・6年生が学ぶ「おおいた海の伝道師育成塾」開催

海と日本プロジェクトin大分県実行委員会は、中津の海や干潟が直面している問題を学ぶ『おおいた海の伝道師育成塾』を、8月7日(土)・8日(日)に開催いたしました。

2022.02.15

海と日本プロジェクトin大分県実行委員会は、中津の海や干潟が直面している問題を学ぶ『おおいた海の伝道師育成塾』を、8月7日(土)・8日(日)に開催いたしました。

このイベントは、次世代へ海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。

「中津干潟」は貴重な生き物が数多く生息しており、自然環境の豊かさと生物の多様性は国内随一!全国的にも注目されています。しかし、一見豊かな中津干潟も様々な問題を抱えていて、かつて漁獲量日本一を誇っていたアサリは地球温暖化などの影響でほとんど獲れなくなっています。人間がポイ捨てしたごみを生き物たちが食べてしまうことで、生態系にも大きな影響を与えてしまっています。参加した子どもたちは、中津の海や干潟が直面している問題を、環境授業・ワークショップを通して学びました。

日時
2021年8月7日(土)・8日(日)8:30~18:30 ※宿泊無し
参加人数
県内の小学5・6年生 18人
協力団体
●NPO法人水辺に遊ぶ会  事務局長 山守 巧さん
●大分大学教育学部 准教授 都甲 由紀子さん
●大分県漁協協同組合中津支店 支店長 柳田 いずみさん/林 智洋さん

中津干潟にはどんな生き物がいるかな?/干潟を守ろう!

干潟とは、潮が引いたときに砂泥質の浅場が広がっている場所のことを言います。中でも、中津干潟は瀬戸内海最大、全国でなんと2位の大きさ!NPO法人水辺に遊ぶ会の山守さんは、「中津干潟の自慢は、その広大さに加えて、多種多様な生物が生息していることです。」と話してくれました。
実際に干潟で採取した骨や抜け殻を見せてもらった子どもたちは大興奮!「なんの生き物だろう?」と想像しながら楽しそうに学んでいました。しかし、そんな中津干潟も大きな問題を抱えています。水辺に遊ぶ会の調べでは、中津干潟で見つかる生物の約4割は希少種であり、それらは絶滅が叫ばれている種ということです。さらに20年ほど前までは頻繁に見られたウミガメの卵やアサリ、ハマグリの数が減っていることを知りました。原因は、地球温暖化が進むことで海水温が上昇し、多くの生き物が生息しづらい環境になっていること、また、人間が捨てたごみが海や干潟に流れ着くこと…。
子どもたちは、人間が自分勝手に捨てたごみが生き物たちを苦しめ、悪い影響を与えていることを実感したようです。その後、実際に中津干潟に観察に出た際には、積極的にごみを拾う子どもの姿が見られました!

海の恵みを感じよう!① 中津ブランド牡蠣「ひがた美人」ってなんだろう?

続いて、中津ブランド牡蠣「ひがた美人」について、県漁協同組合中津支店の柳田さんと林さんが教えてくれました。オーストラリアから輸入した製法で生産されていて、なんと干潟での牡蠣養殖は日本初!牡蠣は本来、潮の満ち引きによって、干上がる場所に好んで生息するんだそうです。潮の満ち引きによって、海面から出ることにより、太陽や風の刺激を与えられ牡蠣の身が引き締まって、美味しい牡蠣が出来上がるそうです。実際に沖に出て養殖場を見学させてもらいました。網目状の養殖カゴの中には、牡蠣の稚貝がたくさん入っています。まだ赤ちゃんですが、実際の牡蠣にも触らせてもらいました。子どもたちは、様々な工夫を凝らしながら育てていることを知りました。
ごみを捨てない、水辺の清掃活動など、海や干潟を守っていかなければいけないのは当然のこと。しかし、それだけではなく、その干潟の特性を活かして受ける恩恵があることを感じたようです。

海の恵みを感じよう!② 古代から伝わる「アカニシ貝」で染色体験

アカニシ貝は、古代から食用に用いられると共に、内臓は紫色の染料として用いられてきました。古くからヨーロッパでは高貴な色として、権威ある王様が身に着けていたそう。そんな興味深いお話しを大分大学で被服学を専門としている都甲准教授に教えていただきました。アカニシ貝から採れる「パープル腺」という染料を薬品と混ぜ、生地を付けると最初は黄色に!?でも日の光に当てて乾かすと…紫色に変化しました!日の光の作用で色が変化する不思議な布染めを体験した子どもたちからは、思わず驚きの声が上がりました。「この体験を通してこんな綺麗な色を出せる海の生き物をより多くの人に知ってもらいたい」という感想も聞かれました。豊かな海から与えられるものは、食料ばかりでなく、着るものの材料や色材としても活用されていたという、普段と異なる観点から海の恩恵を感じてもらいました。

干潟で養殖される中津ブランド牡蠣について知り、アカニシ貝を使った珍しい染色体験をした子どもたち。学んだことを活かして、中津ブランド牡蠣の加工品「ひがた美人オリーブオイル漬」、アカニシ貝で染めた「ストール」の商品パッケージを作ることに!思い思いのキャッチコピーとイラストで、商品の魅力をPRする素敵なパッケージが出来上がりました!

今回の研修会を通して、初めて知ったこと、驚いたことが多くあったようです。特に大きな発見は、人間と海は密接に関係していることです。「お風呂を沸かすためにガスを使う」「自動車や飛行機を動かす」「家庭ごみを処理するために燃やす」など、私たちの暮らしで当たり前に行われているこれらのことは、二酸化炭素を発生させ、地球温暖化に繋がっています。自分たちの生活が、海の生物を苦しめることを知りました。「電気を無駄遣いしない」「ごみを道に捨てないのはもちろん、しっかり分別をしてごみ自体を減らす」といった声が聞かれ、生活の身近なところから実践していこうと思ったようです。
最後に、この2日間で学んだことを各自新聞にまとめ、参加した全員が無事「海の伝道師」に認定されました。海のことを学ぶだけで終わらず、学んだことを自ら情報発信していくことを約束してくれました。




イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています

 

参加人数:18人