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学校と連携した海洋教育プログラム(事前学習4回と宿泊学習)3回目!「海と上南方小プロジェクト~海の学校2024~」を開催しました!

一般社団法人海と日本プロジェクトinみやざきは、2024年6月5日(水)に上南方小中学校の6年生を対象に、学習として「海へ行く機会」を創出し、宮崎県の海洋教育のモデルを作ることを目指した海洋教育プログラム「海と上南方小プロジェクト~海の学校2024~」を開催いたしました。

2024.06.14

一般社団法人 海と日本プロジェクトinみやざきは、2024年6月5日(水)に上南方小中学校の6年生を対象に、学習として「海へ行く機会」を創出し、宮崎県の海洋教育のモデルを作ることを目指した海洋教育プログラム「海と上南方小プロジェクト~海の学校2024~」を開催いたしました。

このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環として実施しています。

イベント概要
一般社団法人海と日本プロジェクトinみやざきは延岡市立上南方小中学校と連携し、上南方小中学校の6年生を対象に学習として「海へ行く機会」を創出し、宮崎県の海洋教育のモデルを作ることを目指して、海洋教育プログラムを行うことになりました。プログラムでは、事前学習4回(4月、5月、6月、7月)と宿泊学習(7月25・26日)で「山・川・海のつながり」、「宮崎のエリア課題(干潟の減少、漁獲高の減少)」、「宮崎の海から得られる恵み」を学んだのち、11月に成果発表会を行います。
このプログラムは最終的に、児童たちが未来の宮崎の海に対してどのように向き合うかを明確にし、どう行動すべきかを判断できるアクション形成を目標としています。
日時
2024年6月5日(水)9:00~11:30
場所
宮崎県延岡市熊野江(宮崎県水産振興協会/髙木商店/熊野江漁港)
参加者
6年生19名
講師
宮崎県水産振興協会 事務局長 谷口 基さん
髙木商店 社長 髙木 茂成さん
サポート
宮崎大学 農学部 海洋生物環境学科 准教授 村瀬 敦宣さん

本プロジェクトは、延岡市の特定の学校の学級単位で行うプログラムです。海が少々苦手な児童も興味を持って学習に臨むことができるよう、事務局は教育委員会などと連携しながら県内の海洋教育の課題等を抽出し、学校が主体的に活動できるような新たな海洋教育をこれから11月まで実施していきます。

1回目では「山・川・海の繋がり」について、2回目では「海の恩恵」について学びました。3回目となる今回のプログラムテーマは「宮崎の海の課題を知ろう!」と題して、宮崎の水産業に理解を深めるため、稚魚の放流体験や魚の加工場の見学などを行いました。

宮崎の海の課題を知ろう!

児童たちはまず、延岡市熊野江にある宮崎県水産振興協会へ向かいました。水産振興協会では稚魚の種苗の生産や配布、養殖漁業に係る技術の開発や研究を行っている機関です。ここでは事務局長の谷口基さんにお話を伺いながら、稚魚を育てて放流したり養殖業者に提供したりしていることを学びました。

宮崎県は、ウルメイワシやムロアジ、ビンナガなど漁獲量が全国でも上位で、様々な魚が獲れる、海の幸に恵まれた地域が特徴です。現在、宮崎県の年間漁獲量は10万トン。しかし、平成元年をピークに現在は漁獲量が5分の1に減少しており、魚が減ってしまうと、私たちの生活にも影響を及ぼすことになります。こうしたことから、谷口さんたちは少なくなった魚を増やすため、稚魚を育て放流し自然界の魚を増やすことや、魚を養殖で大きくして養殖業者に提供を行うことで水産物の供給量を安定させる仕事をしているのだと、子どもたちに教えました。

これからヒラメの稚魚の放流体験をする子どもたちは、「今日放流するヒラメはどのくらいの期間育てていますか?」「ヒラメの大きさはどのくらいですか?」などと質問し、それに対し谷口さんは「飼育を開始して約60日間育て、大きさは約50mm~70mm」と回答しました。その他にも積極的に質問をするなど、放流体験を前に関心を高める子どもたちでした。

最後に、「山と海の繋がりはとても大切で、山から流れ出る栄養のある水がプランクトンを育てる」と話す谷口さん。子どもたちに「川や海を汚さない」「漁業や魚に興味を持ってください」「魚をたくさん食べてね」と、3つのお願いをして授業を終了しました。

宮崎の海産物が食卓にあがるまでを知ろう!

次に訪れたのは、水産振興協会から徒歩3分のところにある「髙木商店」です。ここでは、延岡の海で獲れた新鮮な魚を加工し、宮崎県内外の問屋に卸しています。ここで加工場を営んでいる社長の髙木茂成さんに、イワシを煮てから乾燥させて作る“煮干し”の製造工程を見学させてもらいました。

子どもたちの目の前に並んでいるのは、地元で水揚げされたばかりのたくさんのイワシ。先ほど、水産振興協会の谷口さんから「延岡はたくさんのイワシが獲れます」と聞いていた子どもたちは「イワシがたくさん!」と、興味津々。この中には「ウルメイワシ」「カタクチイワシ」「ヒラゴ」の3種類のイワシがいることを教えてもらいました。

ここからは、イワシが煮干しになるまでの工程を見学していきます。まず、水洗いされた2000匹ほどのイワシを窯に入れ、100℃の熱湯でゆで、天日干しで乾燥させた後、燻製を行います。このように、煮干し作りにはたくさんの手間と時間がかかるということを学びました。また、煮干しが反っている理由として、脂が少なく煮干しに適したイワシだということを教えてくださったほか、粉末出汁などを製造する際に商品にできない魚の骨や頭などは粉末にして、お茶やマンゴー農家の肥料として役立て、無駄なく“海の恵み”を活かしているということも学びました。こうして子どもたちは、海産物が食卓に上がるまでのプロセスを学習し、魚に関する「食」について理解を深めました。

(写真左)窯からイワシを引き上げる様子      (写真右)乾燥が終わり燻製窯に入れる前の様子
(写真左)窯からイワシを引き上げる様子 (写真右)乾燥が終わり燻製窯に入れる前の様子

稚魚を放流して自然界の魚を増やそう!

この日最後の授業は、宮崎県水産振興協会が育てたヒラメの稚魚の放流体験です。県水産振興協会職員の皆さまのもと、約80㎜のヒラメの稚魚500匹を海へと送り出しました。児童のサポートで同行していた宮崎大学農学部の村瀬准教授は「私たちが生きているということは、生き物をいただいているということ。ヒラメの赤ちゃんがすくすく育ってくれるといいですね」と子どもたちに話すと、「この小さい魚が大人になって帰ってきてほしい」「魚を食べるのが好きなので感謝して食べたい」「大きくなって帰ってきてね!」と、ヒラメに語り掛けながら、心を込めて放流を行いました。

 今回も様々な学びを通して、宮崎や地元の水産業について理解を深めた子どもたち。3回目の学習を終え、「知らないことばかりで勉強になった」「魚を食べることに感謝したい」と話す子どもたちの様子に、“海”に対する意識や関心が高まっていると感じました。

次回、4回目となるイベントでは「海との関わり」について学びます。

参加した子どもたちの声

・加工場に最初来た時に匂いがすごく良かった。いろいろなことを手間かけてやっていると初めて知った
・海や生きものとか自然環境が大切だと知った。海を守るために自分が出来ることはやっていきたい
・初めて放流体験をした。小さい魚が大人になる姿が見たい。ヒラメが大きく育ってほしい
・これから感謝して魚を食べたい

 
 
イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています

参加人数:19人