ウニ養殖にJA鳥取中央 倉吉秋冬野菜生産部と連携!「鳥取の豊かな海の再生応援団」の認定証授与式を開催しました
鳥取ブルーカーボンプロジェクト「豊かな海の再生を目指して」実行委員会(一般社団法人海と食文化フォーラム)では、ウニ養殖の連携を開始したJA鳥取中央倉吉秋冬野菜生産部を12月16日に「鳥取の豊かな海の再生応援団」に認定し、同日、「鳥取の豊かな海の再生応援団」の認定証授与式を開催しました。
2023.01.06
鳥取ブルーカーボンプロジェクト「豊かな海の再生を目指して」実行委員会(一般社団法人海と食文化フォーラム)では、ウニ養殖の連携を開始したJA鳥取中央倉吉秋冬野菜生産部を12月16日に「鳥取の豊かな海の再生応援団」に認定し、同日、「鳥取の豊かな海の再生応援団」の認定証授与式を開催しました。
なお、このプロジェクトは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環として実施しています。
開催概要
JA鳥取中央 倉吉秋冬野菜生産部を「鳥取の豊かな海の再生応援団」に認定
日程
2022年12月16日(金)
開催場所
JA鳥取中央本所(鳥取県倉吉市越殿町)
参加人数
4名
協力団体
JA鳥取中央、JA鳥取中央 倉吉秋冬野菜生産部
鳥取県倉吉市は鳥取県産キャベツの最大の産地です!
スーパーに並ぶ鳥取県のキャベツの産地をご存じでしょうか?鳥取県産キャベツの最大の産地は、倉吉市です。倉吉市は、西日本有数の肥沃な畑地帯で大山黒ぼくや大山の伏流水による豊かな土壌、清涼な水、さわやかな気候の中、倉吉すいかのきめ細かい栽培技術を持つ生産者が丹精込めて生産しています。すいか生産で培われた細やかな気配りと厳しい品質管理により、倉吉産キャベツは15の規格に分けられ、どれを手に取ってもしっかりと葉が巻きずっしりと重く、それでいてシャキシャキとした瑞々しい食感が魅力です。これからの季節、出荷量は少なくなりますが、雪の合間に収穫される倉吉産キャベツは、甘味、品質ともに格別です。
当プロジェクトに参画する鳥取県漁業協同組合では、10月下旬より、鳥取県が行うウニ漁港内養殖技術開発試験として、青谷支所と泊支所の2か所で漁港内の活用されていない区域(陸上、海面)を活用した試験蓄養を実施しています。ウニは食欲旺盛なことから、身入りや味に効果的な餌の安定的な確保が課題となっていたところ、JA鳥取中央倉吉秋冬野菜生産部より軽い虫害などで出荷できないキャベツやブロッコリーを安定的に提供いただけることになりました。
ウニ養殖の餌にJA鳥取中央 倉吉秋冬野菜生産部から立派なキャベツを提供!
当プロジェクトの趣旨に賛同いただいたJA鳥取中央倉吉秋冬野菜生産部の支援により、県産キャベツ等を用いたウニ養殖体制が実現したことから、その協力に感謝し、12月16日に「鳥取の豊かな海の再生応援団」への認定式を行いました。当実行委員会は、プロジェクトの趣旨に賛同し、プロジェクトが取り組む鳥取の豊かな海の再生のための活動に積極的に御協力いただいている方々を「鳥取の豊かな海の再生応援団」に認定しています。これまでに認定した、一般ボランティアダイバーとしてウニの駆除に協力いただいている鳥取大学ダイビングサークル「海鳥」、ムラサキウニの駆除の効果について研究する公立鳥取環境大学太田研究室に続き、3団体目の認定となります。
認定式では、当実行委員会の國米委員から「未利用のウニの蓄養に未利用のキャベツをご提供いただき、育てていくことは意義深く、魚の仕事からこのように農業と連携ができると思っていなかった」と感謝の言葉とともに、JA鳥取中央倉吉秋冬野菜生産部の部長である高岡錦稔さんに認定証を授与。JA鳥取中央の蔵増専務から「鳥取の豊かな自然は、森林で蓄えられた水は川に流れ農地へ、そして最後は海へ。そしてまた雨になり循環している。森林組合、農協、漁協と協同組合による連携は自然環境にも食についても、地域の中で各共同組合が貢献していくとともに連携も深めてゆきたい。」と、地域における生産者連携についての意義についてコメントをいただきました。その後、高岡さんからウニ養殖を行う鳥取県漁業協同組合の古田さんより、コンテナいっぱいに入った立派なキャベツが手渡されました。ウニの餌にとどまらず、鳥取の豊かな海の再生に向け今後も豊かな大地の恵みと海の恵みの連携が図られること。畑から海へのみならず、海から畑へも含め、この先も連携の幅が広がっていくことに期待が寄せられました。
参加した生産者の声
JA鳥取中央倉吉秋冬野菜生産部の高岡さんより「数年前から県外ではキャベツによるウニの養殖を行っていることはニュースで周知していたが、県内でもレタスを餌にウニの養殖を開始したとテレビで見て、私たちが作っているキャベツをあげたらいいのにと思っていたので、この話をいただいたときにはふたつ返事で了解した。倉吉のキャベツは県内では最大の産地だが、全国的には小さい。ただ、他産地に比べ厳しい品質管理を行うことで、量販店等から、他産地との差別化が図られ、有利販売に繋がってきた。作付面積が減る中、これまで県外出荷が主体だったが、県内出荷に切り替えることで、生産者も実際に販売されている現場を見る機会が増え、モチベーションの向上に寄与してきた。
ウニも同様に県内に流通するようになり、『これは自分の育てたキャベツを食べたウニだ』と目にすることができるようになることで、さらなるモチベーションの向上につながることを期待している。廃棄されるはずのキャベツが、こういう形でウニのエサとして利用されるということで、大変うれしく思っている。春には摘果するスイカも提供できる可能性があるほか、漁協の方からもウニの殻が農業の肥料にならないかという話もあり、キャベツにとどまらない農業から海、そして海から農業へも含めた連携により、良い循環が構築されていくことを期待する」とますますの生産意欲の向上と今後の連携に対する思いを語ってくださいました。
また、鳥取県漁協の古田さんからは、「貴重な生産物をいただくこととなった。とても出荷基準を満たさないとは思えないほどの立派なキャベツであり、最初にいただいた時、びっくりしたが、”これを出荷することはプライドが許さない”という、強い信念をもって生産されているのだと感銘を受けた。今、藻場を食い荒らすウニを全県下で駆除に取組んでいる。キャベツを食べて育ったウニは、甘みが出て苦みが少なくなるほか、身入りが良くなる効果も期待出来る。これからはこの野菜を使いながら、ウニを大量に養殖して、これが鳥取県の産物になっていくという流れになっていけばいいなと思っている」と、キャベツ等の提供に対する謝意と今後のウニ養殖に向けた決意をお話しくださいました。
イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています
参加人数:4人