練習船を使った先端研究に触れてみよう! ~海と日本プロジェクト~
2018.08.23
練習船を使った先端研究に触れてみよう!は、日本財団が推進する「海と日本プロジェクト」のサポートプログラムです。北海道大学水産学部の練習船「おしょろ丸」が東京港へ寄港する機会に、月島埠頭で実施しました。
最新鋭の観測・研究設備を有するおしょろ丸の見学を通じて、海洋調査で用いられる実際の観測機器に触れ、観測に携わった大学院生から生の声を届けて、次世代を担う若者に「海」への興味や関心を高めてもらうことを目的としています。
日程
7月29日(日)10:00~12:00、13:00~15:00
開催場所
東京港月島ふ頭 北海道大学水産学部附属練習船「おしょろ丸」
参加人数
46名(指導教諭6名、部活指導OB1名、保護者1名を含む)
主催
北海道大学大学院水産科学研究院
北海道大学水産学部の練習船が、東京港へ寄港!
関東圏の中学・高校生を対象に、「練習船を使った先端研究に触れてみよう!」を東京港・月島埠頭において実施しました。このイベントは、6月4日に函館港を出港し、北太平洋・ベーリング海・北極海での調査を終えた「北海道大学水産学部附属練習船おしょろ丸」が東京港へ寄港する機会を生かしまして、海洋調査の実際や、先端研究の一端に触れてもらう機会の提供を狙ったものです。最新鋭の観測・研究設備を有する大型練習船を見学して頂き、海洋調査で用いられる実際の観測機器に触れて、観測に携わった大学院生から生の声を届けて、次世代を担う若者に「海」への興味や関心を高めてもらうことを目的に企画されました。
プロジェクトでは、報道機関へのリリースのほか、関東圏の高等学校等教育機関や北海道大学水産学部同窓生へのメールによる案内を通じて参加者を募った結果、午前・午後共に20名を超える参加者を得ての実施に至たりました。関東圏の広範囲に位置する中学・高校を合わせて8校から、計38名(中学生15名・高校生23名)の生徒が参加しました。
まず、埠頭に集まっていただいた参加者を、船内の学生食堂・講義室に誘導しました。全員の集合と着席を確認後、高木省吾船長から歓迎の挨拶を頂き、船首デッキにて記念写真の撮影を行いました。次いで、本日のプロジェクトに係る担当船員・担当教員、協力頂く大学院生の紹介の後、星直樹二等航海士から船内を見学する上での諸注意が行われました。
船内見学とミニレクチャーで、海への興味を深める!
見学者は約10名ずつの二班に分かれ、船内見学とミニレクチャーを実施しました。
船内見学のグループは航海計器の関連を星二航士、観測計器の関連を今井圭理調査士の誘導と説明を受けながら、船内の各所を見学しました。見学個所は船橋区画(操舵室・チャートルームなど)、研究室と採水器室、作業甲板(船尾デッキ・観測デッキ・船首デッキなど)となりました。船橋区画では操舵機・エンジンコントロール機器・レーダー機器・電子チャートなどの説明が行われました。採水器室や観測デッキでは、実際の観測に使われたCTD(Conductivity・Temperature・Depth)観測装置、ニスキン採水器、プランクトンネット、グラブ採泥器、マルチ・コアサンプラーなどの実物が展示され、実際に触れてもらいながらの説明が行われました。
ミニレクチャーは、水産科学研究院修士課程の大学院生3名、村松美幌・深井悠里・南川佳太が、それぞれ「海洋物理」「海洋生物」「海洋化学」について実施しました。「海洋物理」では海流の成り立ちやその重要性、北極海への熱輸送の影響が伝えられました。「海洋生物」では海洋生態の基礎を担う植物プランクトンの生活史が紹介され、北極海での特殊な生態も紹介されました。「海洋化学」では海洋中で発生するガスの実態とその重要性が紹介され、分析の難しさや楽しさなども披露されました。
北海道大学水産学部の研究内容に質問が続々!
船内見学とミニレクチャー終了後、参加者全員が学生教室に集合し、大西広二助教授から、日本における「水産科学・海洋学」の草創期の逸話などを紹介し、併せて「水産学部・おしょろ丸」の歴史についての簡単な紹介を行いました。その後、「海の宝アカデミックコンテスト2018」の内容説明に移り、昨年の受賞作品の紹介や各賞の紹介、応募方法や応募に当たっての注意事項などが詳しく説明されました。説明修了の後、全体を通じての質問を受け付けましたが、研究内容やその目指す所などに関する質問が、参加学生から数多く寄せられ、予定時間を超えての盛会となって解散に至りました。
<チラシ>
イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています