自由研究って何をしたらいいの?
海と日本プロジェクトが行ってきた体験学習には、自由研究にぴったりなプログラムがたくさん! どんな学習をしたのか、参考にしてみてください。
自由研究で体験してみたい学習のポイントを、海プロ体験イベントの実例で解説
滋賀県内の小学5年生28名が参加。海なし県滋賀の郷土料理がなぜ「鯖そうめん」なのか?謎を解こうとインタビューや調理実習などしながら福井県の海まで出かけ、食文化を通じて滋賀と海のつながりを学びました。
商店街の協力を得て、子どもたちはチームで1時間に3問の取材に挑戦。誰にどんな質問をしたらいいか、事前に準備して挑みました。初対面の大人に質問をしてお話を聞くという体験も貴重です。実際に人の声を聞くことで、身近な事柄として理解が深まりました。
地元の主婦グループの皆さんに調理の仕方を指導してもらいながら、鯖そうめんのルーツなどのお話も聞きました。実物を見て触れて味わう体験によって、興味や理解がいっそう深まりました。
滋賀県内の小学5年生26名が参加。滋賀県のシンボル琵琶湖や森、川、干潟、海を訪れて、それぞれの場所の生き物や環境を観察。各地で取り組まれている、水の環境を守る人々の活動を体験しながら、琵琶湖と海のつながりを考えました。
生き物への興味が強い子どもたち。奥びわ湖・山門水源の森では日本一小さいトンボを、大阪湾ではウミホタルなど、たくさんの生き物を発見。「大好き!」パワーで夢中になって観察しました。森や海辺に生きる命に触れて「環境を守らなきゃ」という意識も芽生えました。
森の働きを調べるなかで一度、森の中に静かに寝転がってみる体験をしました。五感で森を感じて、「空気はいい匂いがした」「風で木が揺れて自分が自由に遊んでいるように感じた」などさまざまなことを感じ取り、子どもらしい感性で自由な発想が生まれました。
愛知県内の小学5〜6年生20名が参加。漁獲量全国1位を誇る愛知のアサリを守るため、アサリが棲む干潟の環境や、森から干潟へ流れでる栄養についても調査。アサリの生態を観察したり、アサリのもつ浄水機能も実験で確認しました。
内部の構造や、どんな動き方で砂に潜るのかなど、アサリの様子を観察しました。そして他の二枚貝と見比べながら形や模様などを詳細にスケッチ。貝の種類の違いなどを見つけてアサリの特徴を理解できました。
濁った海水にアサリを入れると水槽は30分程度で透明に。実験結果が目に見えたことで、アサリが優れた浄水機能をもっていることに納得。さまざまな気づきをメモしていました。
自宅で実験をするときは、潮干狩りで元気なアサリと一緒に海水を持ち帰り、海水魚用のクロレラ(植物プランクトン)を混ぜて人工海水をつくるとわかりやすいです。
▲アサリを入れない水槽(左)とアサリを入れた水槽(右)(30分経過後)
干潟に流れ込む川の上流の森をウォーキング。森の栄養がアサリを育てていること、森の環境を守るための取り組みがあることなど、実際の森を見ながら教わると実感がわいてきます。アサリを守るために「間伐材でつくられた割り箸を使おう」と意識しはじめるなど、森と海の関わりもよく理解できました。
兵庫県と徳島県の小学5〜6年生40名が参加。両県の間にある鳴門海峡の名物うずしおのメカニズムや地理的環境、海域の海産物も調査して、自慢のうずしおをアピールする新メニューを考えて提案しました。
うずしおの不思議をあれこれ学べる「うずしお科学館」は、映像や立体装置などで楽しく体験しながらうずしおの科学を学べる施設。なかでも水理模型はうずしおの発生メカニズムがわかる貴重な実験装置。講師の解説付きの案内でより詳しく理解しました。
大鳴門橋内部に特別に入れてもらってうずしおを真上から見学したり、船のエンジンを切ってうずしおの潮の力を体感。夏休みイベントならではの特別な体験ができ、非日常を味わいながら印象深く学べました。
鳴門海峡の特殊な環境やエリアの海産物など、学んだ知識を生かして、うずしおを多くの人にアピールする新メニューを考えました。サラダやうどん、ケーキなど自由な発想で考案。実際にメニュー化できるかどうか調理師さんたちとも相談しました。
岡山県内の小学5年生26名が参加。県で積極的に取り組んでいる“里海づくり”について調査。東と西の漁協へお邪魔して、それぞれのエリアの環境にやさしい漁法を体験したり、アマモ場や海の牧場を見学して海の生態系を守る取り組みの重要性を考えました。
東の日生町漁協、西の笠岡市漁協を訪ねて、岡山のそれぞれのエリアの里海づくり活動を調査。日生地区ではアマモ場にやってくる魚を獲るつぼ網漁を見学。笠岡地区では魚を育てる海の牧場見学と稚魚の放流を体験。県内でたくさんの活動が行われていることを学びました。
全国を4ブロックに分けた地⽅予選を経て、16チームが頂上コンテストに参加。海の⼤切さや魅⼒、可能性など、それぞれのチームが考える「海の宝」を、電⼦紙芝居に仕⽴ててプレゼンテーションを⾏うコンテストです。サイエンス部⾨とカルチャー部⾨の2部⾨でたくさんの応募がありました。また海を学ぶイベントも全国各地で開催されていて、さまざまな経験が⽣かされました。
地方予選を経て選出された16チームによる頂上コンテストで、最優秀賞を受賞した作品をご紹介します。
事実を伝える方法はいろいろありますが、意外な人物を登場させて物語風に紹介していく手法もそのひとつ。登場人物と同じ目線で理解を進めることができ、思わず引き込まれます。架空の設定をほどよくブレンドして、読む人の興味を引く工夫をすることも大事です。
地元の伝統芸能のなかには、土地の歴史や思いが込められたものが数多くあります。唄の歌詞や踊りの振り付けなどを紐解くと、本来の意味や知らなかった側面なども知ることができそうです。過去と現代をつなぐ伝統芸能が語り継いでいるものを知ると、あらためて興味がわいてきます。
2019年の大賞受賞作品では、具体的な社会課題の解決に向けて何ができるか、実験で効果を検証し、ひとつの提言にまとめました。LEDライトを使ったサンゴの成長記録から、サンゴに棲む褐虫藻との共存関係、LEDライトの色の違いが成長促進に関係すると考察。サンゴの白化地域の再生を目指します。
長期間にわたって地元の海に打ち上がる貝殻を採取して、その種類や数の変化を調査。多種多様な貝が生息していることや、なかには貴重な種類もいることが確認できました。3年間のデータを比較することで、周辺の環境変化が、海の環境にも影響をもたらしていることが推測できました。