対策急務!国場川のごみ状況調査から生活ごみが多いことが判明「いつでもごみ拾いができる“拾い箱”」を設置
一般社団法人 海と日本PROJECTin沖縄県は、海洋ごみを中心に県内の廃棄物対策に取り組んでいる日本エヌ・ユー・エス株式会社とともに2024年8月に沖縄県那覇市とその周辺市町を流れる国場川流域にてごみの種類や量を調査する事業を実施。この調査を受け、生活ごみが多くの割合を占めていることがわかったため、国場川の河口域に「いつでもごみ拾いができる“拾い箱”」を設置しました。
2025.01.24
一般社団法人 海と日本PROJECTin沖縄県は、海洋ごみを中心に県内の廃棄物対策に取り組んでいる日本エヌ・ユー・エス株式会社とともに2024年8月に沖縄県那覇市とその周辺市町を流れる国場川流域にてごみの種類や量を調査する事業を実施しました。この調査を受け、生活ごみが多くの割合を占めていることがわかったため、国場川の河口域に「いつでもごみ拾いができる“拾い箱”」を設置しました。
この事業は、日本財団が推進する海洋ごみ対策プロジェクト「海と日本プロジェクト・CHANGE FOR THE BLUE」の一環で実施するものです。
調査概要
那覇市・国際通り周辺と周辺市街地を流れる国場川においてごみの種類や量を調査
<目的>
【国場川流域】海へと続く河川の調査により、海洋ごみ流出の実態を把握する
<日程>
2024年8月13日(火)~14日(水)国場川流域
<手法>
調査員2人による目視による落下ごみの個数を種類別に計測
<エリア>
国場川流域、河口に近い部分をメインに、川を遡上した3地点でも目視調査
<分類>
たばこ関連(吸い殻・フィルターなど)、飲食関連(包装容器など)、生活用品、衣類、レジャー、プラ・ビニール片、紙類、不法投棄など
国場川流域「飲食関連のごみなど生活系のごみが多く、次いでプラ・ビニール片などに」
今回の国場川流域の調査では、河口に近い部分をメインに、川を遡上した3地点でも目視調査を実施しました。意図としては住宅地や市街地を経る中で、確認されるごみの量や内容に違いがでるかを見るためでしたが、今回の調査を実施した国場川、饒波川、長堂川では、ほぼ全域にわたって護岸が整備されており、ごみの蓄積はあまりみられませんでした。一方で、河口に近い漫湖公園付近のエリアでは多くの滞留ごみが確認されました。このエリアで確認されたごみの総数は1,956個、このうち飲食関連が938個(48%)、次いでプラ片・ビニール片が317個(16.2%)、たばこ関連が276個(14.1%)となり、この3種類で全体の8割近くを占める結果となりました。
対策は急務!「いつでもごみ拾いができる“拾い箱”」で周知を図る
場所の性質上、単純な比較はしづらいところですが、本調査に並行して実施した国際通りの落下ごみと比べると河川でのごみ調査では飲食関連やプラ片・ビニール片などの生活に関わるごみの割合が高い結果となりました。加えてペットボトルについては、ラベルが剥がされたものが多く含まれていて、市街地にある家庭ごみの集積場などからカラスが突いて漏れ出たなどとされる、いわゆる「漏洩系」のごみも含まれていることが推察されます。
このことは海から離れた住宅地のごみが海洋ごみにもなり得る証左となっており、海ごみゼロを達成するための方法の1つとして、生活・家庭ごみをきちんと処理に回すように意識することを広く周知させる必要がありそうです。弊社では、本調査結果を踏まえた対策として、河口付近にある奥武山総合運動公園内に「いつでもごみ拾いができる“拾い箱”」を設置しました。拾い箱には調査結果の概要を記載しており、参加者や通行した人に対しての周知・啓蒙につながることが期待されています。
“生活ごみ”の海への流入ゼロを目指して、「いつでもごみ拾いができる“拾い箱”」を設置
設置場所
奥武山総合運動公園内
設置台数
1台(燃えるごみ、燃えないごみ、ペットボトル、缶・ビン)
設置期間
2025年1月21日(火)~3月19日(水)