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マイクロプラスチックとナノサイズのプラスチックで世界初の調査・研究成果を発表

日本財団×東京大学 海洋プラごみ対策事業

日本財団と東京大学は、海洋プラスチックごみの問題における共同プロジェクトの記者発表会を2022年4月19日に開催しました。このプロジェクトは世界的に増加し続けている海洋プラスチックごみの問題に関して、科学的知見を充実させることを目的としています。発表会では、データやエビデンスが特に不足している大きさ1mm以下のマイクロプラスチック、さらに小さいナノサイズのプラスチックの「海域における実態把握」「生体への影響」、そして「海洋プラごみの発生フロー解明と削減管理方策」の3テーマに係る研究成果、結果から示唆される今後の対策や可能性について発表されました。

実態把握では、調査・研究のひとつとして、国内の水産研究・教育機構に保管されていた日本周辺から北太平洋における過去約70年分(1949年~2016年)の海水サンプル7,000本の中に含まれていた微細プラスチックを分析。その結果、1950年~1980年代まではおよそ10年で10倍というペースで海洋プラスチックごみが増えており、その後も確実に汚染が進行していることがわかりました。実際の海水サンプルから汚染の進行状況を把握できたのは、世界初だと言います。

生体への影響では、調査・研究のひとつとして、プラスチック以外の汚染源が少ないと想定される離島の「座間味島」と「西表島」にて、生息しているオカヤドカリへのマイクロプラスチックおよびプラスチック関連化学物質(プラ製造時に添加される難燃剤や漂流時に付着した化学物質)の蓄積を調査。各島でプラスチック汚染の進んだ海岸とそうでない海岸のオカヤドカリを比べると、前者では後者より蓄積が進んでいることがわかりました。また、蓄積した化学物質は、生物体内で難燃剤が毒性の高い物質に変化し、体内に蓄積することがわかり、これについては、室内曝露実験でも確認されました。フィールドと室内曝露実験を組み合わせて両者で観測したのは、世界初の試みだと言います。

詳しい調査結果は、こちらからご覧ください

https://www.nippon-foundation.or.jp/app/uploads/2022/04/new_inf_20220427_02.pdf