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「ブルーカーボン」をご存知ですか?海の環境と生き物を守る取り組みが広がっています

海中の二酸化炭素を吸収するブルーカーボン生態系の保存と再生で海洋環境も生態系も健やかに

2023.11.02

「ブルーカーボン」をご存知ですか?海の環境と生き物を守る取り組みが広がっています

アマモ、磯焼け、藻場再生。近年、全国各地でよく聞く言葉ですが、これらはいずれも、地球温暖化や海洋酸性化の問題に深く関係しています。

海洋酸性化は、地球温暖化の原因になる二酸化炭素が海中に溶けこんで、pHバランスが酸性に近づくことなどで起きています。この海洋酸性化によって貝類や甲殻類が育たなくなるなど、生き物の命や生態系へ深刻な影響が出ています。

その問題解決のために、二酸化炭素の吸収源として注目されているのが「ブルーカーボン」。
海中で、アマモなどの海草やワカメやコンブなどの海藻などが光合成のために吸収する二酸化炭素のことで、体内に取り込むだけでなく地下部にも海底堆積物として貯留されます。しかも陸上の植物が行う「グリーンカーボン」に比べて2倍以上も吸収率が高いのが特徴です。

海草藻場や塩性湿地・干潟、沿岸部のマングローブ林などがブルーカーボン生態系と呼ばれていますが、近年の新たな課題は、そんな有益なブルーカーボン生態系が沿岸開発や磯焼けなどの影響でだいぶ減ってしまったこと。

地球温暖化や海洋酸性化の抑制だけでなく、海の生き物たちの産卵や生育にとっても重要な場所でもあり、海の生態系を守るために、藻場を人の手で再生したり、磯焼けを引き起こす原因を排除しながら有効活用してみたりと、各地でさまざまに取り組みが進められています。

瀬戸内海の日生町漁協はアマモ場再生活動の先駆け

魚たちの産卵場所や棲家になり「海のゆりかご」とも呼ばれるアマモ場の再生に、全国に先駆けて30年以上前から取り組んでいるのが、瀬戸内海に面した岡山県日生町。
漁獲量の減少に危機感を抱いた漁業関係者たちが、アマモの再生を試行錯誤しながら取り組み、苦労の末に約20倍にも回復させたそう。今では日生町漁協と地元中学校が共同で、アマモ再生活動を海洋学習の一環として毎年実施しているのだとか。地元の海を守る活動がエリアにしっかりと根付いている様子です。
瀬戸内海の日生町漁協はアマモ場再生活動の先駆け
#9 日生町漁業協同組合専務理事 天倉辰己さん インタビュー

日本海側最大のアマモ場・七尾湾の種植え行事を今年も高校生と実施

日本海側最大のアマモ生育地は、石川県の七尾湾。ここでもかつての半分ほどにアマモ場が減ってしまったそうです。そこで海洋環境維持のためにと、能登の森里海研究会が日本航空学園石川高校潜水部の協力のもと、海底にアマモの種を定着させる活動を続けているそうです。今年の種植えは10月に実施されたばかりですが、アマモ場の復活に向けて今後の生育状況に期待が寄せられています。日本海側最大のアマモ場・七尾湾の種植え行事を今年も高校生と実施七尾湾のアマモ場保全活動

磯焼けの原因ムラサキウニをおいしく食べて問題解決!

藻場が減少する磯焼けの原因が、温暖化に伴って増殖したムラサキウニの食害であることから、鳥取ではウニの駆除と有効利用を両立させようと「鳥取ブルーカーボンプロジェクト」がスタートしました。採取されるのは実入りが少なく流通に不向きなウニばかりですが、これを蓄養したうえで地元飲食店と一緒にメニュー化・商品化に取り組んでいます。新たに誕生する鳥取名物、今から楽しみですね。
豊かな海の生成を目指すこのプロジェクトでは、子どもたちへ磯焼けなど海の問題を考える体験学習プログラムも提供しています。
磯焼けの原因ムラサキウニをおいしく食べて問題解決!鳥取ブルーカーボンプロジェクト公式サイト

まずは海洋酸性化の脅威を知っておこう

日本財団ジャーナルでも「海洋酸性化の脅威」と題した特集を組んで、世界の海の異変や生き物たちへの影響などについて紹介しています。
研究者や専門家、漁業関係者や活動家などへのインタビューで明かされるのは、国内実態調査の結果や課題解決に向けた世界の動きなど、さまざまな現実です。
そんな現状を知ったうえで、次は自分たちに何ができるのか。考えるヒントとして提言メッセージに耳を傾けてみてください。
まずは海洋酸性化の脅威を知っておこう
日本財団ジャーナル「酸性化の脅威」