ひとりも取り残さない教育への新しい挑戦。⽔中ドローン、VRの先端技術を活用した遠隔教育プロジェクト!
SDGs4「すべての人々へ質の高い教育を」SDG14「海の豊かさを守ろう」などの実現につながる取り組みを実施、各種アワードを受賞しました。
2021.02.18
日本財団は、場所や年齢、障害の有無に関わらず、誰でも・どこでも海の世界を体験し、また海の問題を学ぶ環境をつくることを目指した取り組み「バーチャルオーシャンプロジェクト」を実施しています。この一環として、バーチャルオーシャン製作委員会・富士通株式会社・関西学院大学・株式会社 横浜八景島と協働で、院内学級に通う小学生を対象としたリモート授業を実施しました。
横浜・八景島シーパラダイスと院内学級の教室をインターネットでつないで実施したこの事業は、海中調査やマリンレジャーなどで普及している水中ドローンや、バーチャルリアリティー(VR)などの最先端の技術が使われました。
VRと水中ドローンを組み合わせることで、水中ドローンの撮影映像が体験者の視界に広がります。すると、VRの没入感と自らドローン操作することも相まって、あたかも水中を泳いでいるかのような感覚を作り出します。
ヘッドマウントディスプレイを被った子どもたちは、手元のコントローラーで水族館の水槽内に沈めた水中ドローンを遠隔操作。海中を再現した水槽内を360度のVR映像で鑑賞しました。
まるで海の中を泳ぎ回るような気分を味わいながら、大迫力のイワシの群れや巨大なアカシュモクザメなどをじっくり観察。VTuberによる、海の生き物の特徴や生態に関する解説、海洋問題についての解説もありました。
慢性疾患やケガ、病気にかかりやすく重症化しやすいといった理由で長期入院している院外学級の子供たちは、外出の機会も制限されています。子どもたちの興奮冷めやらない姿が見られました。病室に戻ってからも嬉しそうに感想を話し続ける姿に、見守っていた先生方にも笑顔がこぼれました。
外出が困難な子どもたちに、先端技術で新しい学習体験を提供
このプロジェクトは様々な制約で体験機会が限られてしまう子どもたちに、テクノロジーを駆使することで、どのような体験や価値を提供できるのかを考え、各者一丸となって推進しました。
教育やSDGsへの貢献でも評価され、各種アワードを受賞しました。
第4回ジャパンSDGsアワード 「SDGsパートナーシップ賞(特別賞)」
「新しい技術がいかにして、これまで取り残されてしまっていた人々に機会や可能性を与えることができるかを示したすばらしい実例です。」(IAUD国際デザイン賞 審査員の視点より)
SDGsの該当項目
SDG4「質の高い教育をみんなに」
SDG9「産業と技術革命の基盤をつくろう」
SDG10 「人や国の不平等をなくそう」
SDG14「海の豊かさを守ろう」
DG17「パートナーシップで達成しよう」
各社の役割
日本財団:企画、全体統括
バーチャルオーシャン制作委員会:実施運営、水中ドローンの遠隔操作/VRによる360度水中映像リアルタイム閲覧システムの開発
関西学院大学 教育学部 丹羽研究室: 富士通との共同企画、授業内容監修
富士通: 関西学院大学との共同企画、映像伝送システム構築
神奈川県立横浜南養護学校: 遠隔教育、仮想体験学習授業の実施
横浜・八景島シーパラダイス: 実証場所提供